被曝について、信じるべきと信じないべき

とある人からのチェーンメール。


私のアドレスを知る人から、こんなメールが届きました。プライバシー保護のため、名前は伏せておきますけど・・・。実は、今日ITmediaさんにこんな話題も偶然上がっていて、まさにそれだったのかな、なんて。


ネット上のデマに注意 「次は近畿」「有害物質の雨が降る」


『>
>件名: Fw:Fw:緊急連絡。
>
>
>友達の大学時代の友人から緊急連絡がありましたので、お知らせ転送します!出来るだけ多くの方にお知らせしてあげて下さい!!
>
>↓↓↓↓↓↓↓↓↓
>
>福島原発で働いている人からの情報です!!!
>そのまま転送します・
>
>明後日に雨が降る予定ですが、化学物質が大量に含まれると予想される為、皮膚に接触すると大変危険です。[被爆者になります]白血病になります。
>傘だけでは十分ではないため、カッパや布等で、顔や頭を守るようにしてください。
>
>そして地震の影響で上手く伝達できないため、できるだけ多くの方に知らせるようにしてください
> 以上。
>
>
>


・・・で、私からいわせてもらうと「ふ~ん、そうなんだ」としか思えないのでした(汗笑)。悲しいことに、とある出来事から人を素直に信じられなくなってしまったのが大きいではあるのですが、たとえそれを体験する以前でも、このメールだけはさすがにアヤしいと気づいたと思います。


なぜなら、原発の当事者さんがこんな一刻を争うときに携帯メールを打つ暇なんてあるでしょうか。普通に考えてもわかることですよね。確かに天気予報では近いうちに雨が降り、それらが地面へと流されて汚染される危険性はあります。でも、この情報の出所、本当に原発の方からなのでしょうか。もしも本当に発信したとするなら、その役職くらいは記すはずです。


そもそも、雨が降る「予定」という表現もおかしいですし、降るにせよ降らないにせよ、それならカッパや布という表現も適切ではありません。本当に現場の人なら「屋内待避で外には決して出ないこと」と話されるでしょうからね。今日だけで何度聞いている言葉なのやら。


ひ‐ばく【被曝】・・・放射線にさらされること。(広辞苑第六版より)


正しい情報は、ちゃんとした出所、そして理由が明確になっているものを信用するようにすれば、簡単に除外できるはずです。こんなメールでネットワークの資源を使うわけもありません。上記のメールでは明らかに情報不足なところが多すぎます。むしろ、私ならこちらをあげておきます。


放射線から身を守るには…外出せず、肌を露出しない


朝日新聞社のサイトは個人的によく見るのですけど、こういった情報なら信用に足るのではないでしょうか。どのようにすれば防げるか、が明確に示されていますよね。それに「なぜ白血病になるのか」がわからないまま。これでは不安だけをあおるというものです。確かに最悪の事態に向かっていることだけは、間違いないのですが・・・。


その昔、原発関連の話題では東海村のJCO臨界事故というのが記憶に新しいはず。Wikipediaよりもわかりやすく示しているのはこちらがいい例だと思います。


その中で被曝治療に関する話題は「被爆治療83日間の記録」が詳しいでしょう。こちらの中から引用しますが、


「中性子線など放射線のエネルギーは、放射線を出す場所(線源)からの距離の二乗に反比例する。つまり、距離が二倍になると四分の一になる。この線源から二倍離れると照射される面積が四倍になることからもわかるだろう。線源から少し離れただけでも、体が受ける影響はずいぶん小さくなるのだ。」


「放射線の恐ろしさは、人知の及ぶところではなかった。今回の臨界事故で核分裂を起こしたウランは、重量に換算すると、わずか1000分の1グラムだった。原子力という、人間が制御し利用していると思っているものが、一歩間違うととんでもないことになる。」


「そのとんでもないことに対して、一介の医師が何をしてもどうしようもない。どんな最新の技術や機器をもってしても、とても太刀打ちできない。その破滅的な影響の前では、人の命は本当にか細い。」


「とても悲観的な考えなのかも知れませんが、原子力というものに、どうしても拘らなければならない環境にある以上、また同じような事故は起きるのではないでしょうか。」


「所詮、人間のすることだから・・・という不信感は消えません。それならば、原子力に携わる人達が自分達自身を守ることができないのならば、むしろ、主人達が命を削りながら教えていった医療の分野でこそ、同じような不幸な犠牲者を今度こそ救ってあげられるよう、祈ってやみません。」


・・・という感じで、少し興味を持って調べれば、役立つ情報はいくらでもあります。しかし、それを自分でどの程度選び、理解し、他人へと伝えられるのか。そのあたりはリテラシーもさることながら、ネットの情報の選別眼というものも必要になるでしょう。


私はかなり前からネットに慣れ親しんでいるので、ある程度は有益になるものを選んでいるつもりです。みんなを等しく救うことなんてできませんけど・・・少なくとも、こんなちっぽけなサイトを見ていただいている方たちだけでも、何かしらの道しるべになればいいな・・・という想いがあるので、記すわけですね。


ちょっと重たくなりましたが、昨日・今日で展開されている話題の中で有益だと思ったものをあげておきますので、参考にしてみてくださいね。関東にお住まいの方はここ数日が試練の時でしょうけど、必要以上に恐れるのではなく、正しく正確な情報を集めること、でしょうか。


東京で20倍の観測 さいたまは40倍
検出数値「非常に高いが、政府指示は妥当。パニック避けて」専門家
「うがい薬を飲まないで」 放射線医学総合研究所、ネット上のデマに注意呼びかけ
枝野長官会見(午後)「5号、6号機も温度が若干上昇」


勘違いしないでほしいのは、近い距離で大量に浴びたりするとリンパ球が消失したり重大な病気にかかる恐れがありますけど、遠距離であればそこまでの甚大な影響はないものと思われますので、最低限、その場所に応じた「確かな除染」すればいいわけです。その方法もそんなに難しいものではなく、放射線医学総合研究所さんがこんなページを用意してくれていますのでご一読を。



そうですねえ・・・う~ん。お菓子のページを紹介している場合ではなさそうですけど、たまってきているのもあるので@@ ちょこちょこ、折を見ながら入れていきたいと思います。あんまり重苦しいページにしても仕方がありませんしね。


では、大切な人もごらんになっていることをお祈りして、今一度記しておきますね。



『Q 放射線から身をまもるには、どうすればいいの?


 A (1)放射線に近づかない(2)放射線から遮蔽(しゃへい)された場所にいる(3)時間の経過を待つ――の三つが大原則だ。 』


2011年03月15日 19:40 | 投稿者:lavendy

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