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2013年04月08日

PSO2のアンビエントオクルージョン(AO)について

あまり詳しくはありませんので、概要のみですが・・・。

本話題は過去記事となります。最新版はこちらをどうぞ。


最適値は・・・はて?(外部再生はこちら)

4月に入って4日で1万アクセス超・・・(ありがとうございますなのです('-'*))これはただ事ではないとアクセスログを見てみましたけど・・・なるほど。某所からお越しの方が多いみたいですね(汗笑)。いっていた矢先からこれは何ともいえませんけど、自ら興味を持って動くというのはいいことですよね。本サイトを知っていた人なら、アンチエイリアシングはすでに昨年で知り得ていた内容でもあります。

公開しているアンチエイリアシングのサンプルプロファイルですが、その中にもお題にしているアンビエント・オクルージョン(AO)のパラメーターは暫定値を入れています。が、効果はほとんどかすかなもので、あってないようなものです。

これだという値はまだ見つけられていません。
そして正直この内容はあまり記したいとは思ってはいないのですよね。

・・・なぜなら、そう。下手に設定することで「制作陣が意図するビジュアル」にまとまらなくなる可能性があるため、です。


アンビエント・オクルージョンは「環境光遮蔽」と訳する難しい用語ですが、文字通り環境光から遮蔽された陰影を作り出す技法のことで、端的に言ってしまえば影をよりソフトに、リアルに描くテクノロジととらえていただければいいと思います。おなじみ、西川善司さんの解説文が5年前の記事にありますので、ご参考までに。

西川善司の3Dゲームファンのための「GDC 2008最新ゲームエンジン事情」講座(後編)「CRY ENGINE」独自拡張「DUNIA ENGINE」、新生「UNREAL ENGINE3」


PSO2にはもちろんこんなパラメーターは持っていませんので、NVIDIA社のドライバ規定では「設定不可」とされる項目です。実際、ご自身でNVIDIAコントロールパネルを開いてみたら「サポートされていません」と表示されるはずです。

・・・そこで登場するのがアンチエイリアシングで用いているおなじみの、ドライバ制御の設定・変更を可能にする「NVIDIA Inspector」なるツールです。なんだか、この言葉だけで検索数がかなりの数になっているのが何ともかんとも。ヅネさんのページが一番上位に現れていますしね(汗笑)。

AOについても特に専門知識があるわけでもありませんので、概要をお伝えするにとどめます。このあたりは3Dグラフィックス制作者ですとか、テクノロジストさんなら堂々といえることなのでしょうけど・・・ああ、勉強しないとなのです(@_@) それましたが、概要のみにとどめるのは、PSO2にはそこまでして加えるメリットがあまりないように感じられるため、です。

AO:Off(ノーマル時)AO:Onの一例

環境光遮蔽とは一体何か、になりますけど・・・そうですね。ちょうどPSO2と並んで出た、海外ソフトのビッグタイトル・The Elder Scrolls V: SkyrimのTweakページをご覧になるのが早いでしょうか。比較スクリーンショットのページがおもしろい作りになっていまして、中央にあるスライダーをドラッグすることでAO適用前、適用後の画面を簡単に比較できます。直感的に把握できるいいページだと思います。

上の2枚の画像は、左側がAO:Off、右側がOnにしたときの一例です。光源に近いこともありますけど、左側は影があまり強くない印象を受けると思います。これが「単一に計算した陰影」となるわけですが、右側の画像では暗さがより強調されており、全体的に引き締まって見えるような印象を受けるでしょう。これがAOの効果です。


現実世界では光源から飛ぶ光が何かしらの物体に遮られたり、あるいは物体に光が当たることで反射し、別の光となり、その光がさらに飛んでくる・・・といった、あらゆる光が相互に反射などを重ねて対象となる物体に複雑な陰影を作り出しています。

ですが、ゲームなどのリアルタイム3Dグラフィックにおいてはとてもそこまで計算できないため、光源から光を受けた部分のみしか陰影を表現しない・・・端折って表現をするのが一般的です。

・・・ややこしいですね(@_@) 私がこういった分野の技術者であればいろいろ記せるのかもしれませんけど、大学時代に習った光の性質を用いるとすれば、このくらいでしか表現できません。すみませんなのです。言葉であれこれするよりも、上記Skylimさんのページが一番わかりやすく表現してくれているはずです。

違い・・・わかります?暗い部分の表現力があがります影となるところはより暗く

それで、PSO2に限らずAOの利点を最大限生かすのなら、できるだけ対象となる物体も細かいに越したことはなく。その分もちろん負荷は上がってしまいますが・・・。ゆえ、今いろいろ試されている方はエステルームなり、細かいテクスチャの敵さんなりでトライしているみたいですね。いいことだと思います。

フィールドで恩恵を受けるためには・・・小物がたくさんあるようなところになるでしょうから、市街地エリアあたりが本来は実感しやすいのかもしれません。凍土エリアは全体が白のため、影との対比はしやすいことでしょう。遺跡はそれなりにものがあるため、そちらも感じやすいでしょうか。・・・その他はどうなのやら。ここでは試しに森林の例を取り上げていますが、設定が難しいですね。

なかなか思うようなAOパラメーターが、これまたアンチエイリアシング同様に見つからないのですよね。元々、NVIDIAさんでも正式に対応しているタイトルのみしか動作保証していませんし。PSO2は今のところ候補外なのでした。

というよりも、影品質の1~5をもっと作り込んだ方がいいようにも思うわけですけど・・・。よく言われる「エステルームの品質をフィールドでも」、ですね。


プロファイルに同梱している0x00040210という値は、PSUの頃にぶりちゃんさんが用いていた0x00040011なる値・・・では影が強くなりすぎたため、コルさんたちから教えていただいたものとなる0x00040220でそこそこうまくいったのかな、として登録しておきました。

が、今度は12月のアップデートでシェーダーが変わったためか、例のアンチエイリアシングをかけたとき 髪に継ぎ足し部分の線が入る 症状が顕在化したことから、下2桁目を1にすることで見えなくなりました。・・・しかし、今度は効果が今ひとつのような?(@_@) こちらに取り上げている一例は、別のパラメータとなります・・・が、値は非公開とさせてください。すみませんなのです。

その代わり、本サイトで紹介する画面写真や動画などはAO適用はまずいたしません。今回限りのお題ということで□_ヾ( ̄∀ ̄*)

キャラも綺麗になったり草の緑がより際立ちますリアル?なザウーダンさん

正直現状のパラメーターでは単に「陰影を強くつけるか否か」なだけで、綺麗に見せるのとは別物だと思うのですよね。確かに、シチュエーションなどによってはよくなることもあるのでしょうけど。極端に言うとキャラクタのハイライトを引き立たせるために、無理矢理コントラスト調整をしているかのような機能と受け取られてしまいかねないのが懸念されるところです。

結局、このパラメーターにもいえることですけど「自己満足」なだけであって、これをかけない人はハイエンドじゃないですとか、そのような誤解だけは招かないようにしたいものです。また、その性質上、影品質は実質5で使わないと意味をなさないように感じる項目でもあります。


注意しておきたいのはあくまで「『あなたが見た分』には綺麗に見える」だけであって、それが他の人も同じかといえば・・・決してそうではありませんから。アンチエイリアシングもしかり。何より、AOは特に「PSO2の持つ素材の良さを、下手したら壊しかねません」ので・・・。使いこなしが難しいパラメーターだと思います。

一つの目安として「11月末のアップデート」と「3月末のアップデート」で「画面が変わった」ように感じられない人なら、かける意味はほとんどないといってしまってもいいと思います。AOをかけることのデメリットは、公式側で対応を謳わない限り「地道な改良の様子」が濃い色味によって消されてしまうのが難点だと思いますので。

毛並みも引き立ちますねちょっときつめかな?

なので、あんまりAO調整しまくったスクリーンショットを大量に公開するのはなかなか難しいのでは・・・と思います。自分で見て楽しむ分にはいいのでしょうけどね。私は今のところ、最適なパラメーターを見つけられていませんが、それ以前に「PSO2ではAOをする意味がほとんどないのでは」と思ってしまいます。

リンク先などをご覧いただければ、一つの共通する事象に遭遇すると思います。それとは、一体何でしょう? ・・・そう、その影を表現するための物体、が、ランダムフィールドやマップのおかげで、可能な限り省略されているためです。言うなれば、PSUの画面をテクスチャや各種エフェクトでリッチに見せている・・・そんなイメージです。ポリゴン数自体は劇的に増えているわけでもないでしょうから、そこまで複雑な陰影を作り出せないのが実態なのではないでしょうか。


AOはしてみたらわかりますけど、簡単にGPUをMAXまで使い切ります。かといって影の品質をパフォーマンスに落とすと十分な品質が得られなかったり。で、ばかの一つ覚えみたいに(失礼)ハイクオリティーパラメーターもあるわけですけど、あれはNVIDIA社が用意したものではなく、サードパーティーさんが用意した項目らしいのですよね。じゃあ、余計対応していないPSO2で用いるのはいかがなものなのでしょう・・・と。

それよりも本作はアクションゲームですから、よりなめらかに動くフレームレートを確保する方が、きっと満足度は上がるものと思います。そのスムーズな動きの妨げとなるのがぎざぎざ・・・エイリアスやクローリーとなるわけで。公開しているプロファイルはそれゆえに、記しての通り「動作速度重視」としているのです。

AOかけると否応なしに、60fpsを簡単に割り込んでしまうのですよね。ベンチマークであれだけのスコアを残せるGTX 690ですら・・・。ゆえ、ここで紹介しているのはかなり吟味はしていますけど、正解とは思えないので伏せているのです。


AOの設定項目ですAOの設定方法はアンチエイリアシングと同じ要領です。まずは最上段にある「Ambient Occlusion compatibility」に任意の値を入れ(既存のプリセットを選択も可)、4段目のCommon項目内上位にある「Ambient Occlusion setting」が「Off/Performance/Quality/High Quality」から選択可能。フレームレートを重視する場合、Performanceで精一杯だと思います。ちなみに、上記ムービーはQualityにしています。High QualityはNVIDIA社のオプションではないため、見送っています。

次の「Ambient Occlusion usage」はOn/Offのみで、こちらをOnにしないとAOがかかりませんのでご注意を。また、こちらをOnにしていながらも上のsettingをOffにしていたら、AOはかかっていないのにもかかわらず、その負荷を余分に与える事態となりますので、くれぐれも用いていない際にはちゃんとOffにしておくよう、注意しましょう。動画などを撮影される方は、著しく性能低下しますのでお気をつけくださいね。

らべが思うところですが、どうにもパラメーターが00から順に並んでおり、いろんなタイトルが分け隔てなく記されていることから、アンチエイリアシングとは異なって各ビットに意味があるというよりも、そのアプリケーション固有の番号を順次割り振っている・・・そんな印象を受けます。ゆえ、アプリケーションそのものがAOに対応していなかったら、正しい効果を発揮できることはないであろう・・・というものです。

∮ ∮ ∮


ムービーはカスタムパラメーターにて撮影したものです。紹介してきている写真も錯誤中の値で収めておいたものです。全般的に色がはっきり出ている(影がより計算される分、やや色が沈み込む)効果が得られていることがつかめたらいいのですが・・・。

アンチエイリアシングがきっかけで、こういった技術周りに興味を示してくれるのはうれしいことですが、同時に「このパラメーターはこのような意味を持つ」という点をご自身でしっかりと把握した上で、地道に設定・調整を重ねることこそが、一番私が願うことでもありますので。


「そんな細かいことわからないよ~」という方でもわかりやすくするために、アンチエイリアシングについては3つのプロファイルに収めておいた・・・ただそれだけのことですから。

こうしてみると、技術(テクノロジ)をわかりやすく文章にまとめることがどれだけ難しいか、わかるのではないでしょうか?

・・・なんて('-'*)


(もちろん、いい値ができたらみんなで共有できるといいですよね。ただ、重ね重ねですが現状AOについては「クライアントすら未完成品で、影の表現も今ひとつといわざるを得ない状況、より映像へ大幅に手を加えるような項目を推奨したいとは思わない」のが、らべの今のところ、思う部分だということをわかっていただけると幸いです。ゆえ、AOについては当面触れないことにしますので、あしからずご了承ください

補足までに、らべの場合はそういった色味調整を、テレビ側で行ってしまっているわけです。東芝レグザ・47Z7を所有していますが、こちらでゲーム機ライクなメリハリある映像にできて満足しているのでした。

GeForceカードなわけですけど、色味はまんまRADEONだったりします(笑)。あちらが暖かみのある色合いをしていますので。GeForceは淡泊なのですよね。悪い意味ではなく。また超解像処理によって、テクスチャもより鮮明に映し出してくれるのがポイントでしょうか。いずれ設定例を紹介できればと思います。

グラフィックスカードなどにも負担をかけず、スクリーンショットも普通通り。お持ちのモニタに画質調整機能があれば、そちらを調整してみてはいかがでしょう。にはは)


(11/6 18:50 追記分)

こちらにAO周りの今までのお話をまとめておきました。

PSO2 アンビエントオクルージョン(HBAO+)のまとめ 2013年11月号 ex.NVIDIA Inspector 1.9.7.2 BETA


『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/

From : lavendy | 06:58

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