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2012年12月22日

動画で感じるアンチエイリアシングの効果・前編 ~ No AA vs SGSSAA系 vs SSAA Combined

「アンチエイリアス」の言葉の意味を理解する、
一番手っ取り早いムービーを作りましたのです('-')/


まずは普通の状態
アンチエイリアシングなし=クライアント初期状態(外部再生はこちら)

NVIDIA,独自のアンチエイリアシング技法「FXAA」「TXAA」をアピール。いまあらためて振り返るアンチエイリアシングの歴史

タイトルからして濃さそうな内容と感じてしまいそうでしょうが、決してそんな難しい内容にはしていませんのでご安心を。先日、上記のような話題が一斉に上がっていたこともあって、もしも本サイトをご覧になった人なら、言葉だけでも聞いて およ と感じた方もおられるでしょう。4Gamerさんだけでなく、パソコン系サイトで一斉に取り上げていましたね、これ。

アンチエイリアシングとは、PSO2内のオプションにもあるので聞き覚えある方が多いでしょうけど、改めて記しておきますと「ゲーム内でキャラクタや建物、その他物体などの輪郭=境界線部に現れる『ギザギザ』を打ち消す技法のこと」を指し示します。

ギザギザのことを英語でジャギー(jaggy)と呼んでおり、別名でエイリアスともいわれるため、「アンチ=Anti=打ち消す」が接頭語について「ジャギーを取り除く技法」としてアンチエイリアシングが広まるわけです。


早速最初に用意したムービーが、きっと皆さん一度はご覧になったと思われる「PSO2クライアント・初期設定状態の映像」。アンチエイリアシングはもちろんOffになっており、細かい部分もクライアントの初期設定のままのため、かなりすばらしい映像になっています(汗笑)。

4Gamerさんのその話題の中に詳しいことが記されていますので、興味がある方はご覧いただきたいと思いますが、その中にある「ジャギー」「クローリー」と呼ばれる現象を、そのまま収めています。あちらの話題だけではわかりづらい、という方もこの動画を見れば納得のはずです。

PSO2は割と壁面や地面などに細い線を描く部分が多く、そして光源=ライティングなどの影響も相まって、それがひどく目立つ状態になっています(汗笑)。幻滅した方も多いのではないでしょうか。ちらつき多いなあ、って。

クローリーとはまさにその「細い線が斜めなどに横切り、まっすぐな線として表現ができない部分に現れる=ジャギーが動く現象」となるわけですが、NVIDIAさんが言いたかったのはこのことでしょう。見苦しいのですよね、これ。家庭用ゲーム機となるPS3やXbox360でもある程度改善させてきているのに、フラグシップのPC版で、これでは・・・。

そこでPSO2にもおまけながらそのジャギー=エイリアスを抑える、アンチエイリアシングのオプションが描画設定内に用意されていますが、入れたところで除去できないのですよね。よくいって、低減、くらいで「効果が低い(=負荷をかけたくない)」ため、そうなってしまうわけなのですが。これではアンチエイリアシングの意味がないというわけです。

ジャギーが取り除かれると・・・
アンチエイリアシングあり=SGSSAA系適用後の画面(外部再生はこちら)

そのため、PSUでもよく言われていた「クライアントに用意されていないアンチエイリアシング方法を強制的に適用してみよう」という、ある意味玄人向けな内容になるわけですけど、そちらを模索する話題で今年は終わりそうですが(@_@) いかがでしょうか、こちらがその「カスタマイズしたアンチエイリアシングをかけたときのPSO2の画面」、です。

(なお、本画面はフルHD=1920*1080pxの解像度の中で、画面中央上部の480*270pxのみを切り出した内容となります。ゆえ、実機と同等の大きさなので把握しやすいものと思われます)

詳しいことは後日まとめの時に記したいと思いますけど、こちらはSGSSAA系とされる技法を使って、アンチエイリアシングを適用したパターンになります。いかがでしょうか。ゲートエリア、ショップエリアと移動し、クローリーが目立つ場所を意地悪しながら(汗笑)、収めたものになりますけど、ほぼ気にならないレベルまで抑えられていることが確認できるはずです。本設定はまだ最高値ではありませんので、一番高い方法にするとほぼ完璧に除去はできます・・・が、重たすぎるので(@_@)

よくアンチエイリアシングは「静止画の見栄えをよくするためだけ」と思われがちですが、ご覧になった方なら「いや、これは動画=実際のプレイ環境・・・体感・体験に大きな影響を与えているのでは?」と感じていただけることでしょう。そう、私がPSUから細々記しているのは、これをきっちり満たすだけで別物のゲームとしてとらえられるくらい、インパクトのある設定内容となるため、です。


ジャギー/クローリーが消えるとどうなるか・・・ディズニーさんなどの3DCGムービーなどが最近増えていると思いますけど、擬似的にあんな感じへと近づいていけるのですよね。ゲーム機やPCゲームが映し出す映像は、最近はほとんどが3DCGですから(もちろん2Dもありますが)、クローリーの影響は無視できないものとなってます。

しかしながら打ち消すとなるとアンチエイリアシングをかけなければならず、こちらを用いると「非常に機械に負担がかかる」内容ともなるため、ゆとりのある、余裕のあるぱそ子さん・・・言い換えればグラフィックスカードがいいものでないと、なかなか適用できないのが現実です。

それでもこんな画面を見てしまったら、「ああ、こんな環境で一度は遊んでみたいなあ」、と思ってしまうかもしれません。それくらい、アンチエイリアシングがびしっと決まった画面というものほど説得力のあるものはないと考えています。ゲームセンターみたいな印象になるんですよね。そればかりでなく「ちらつきが減るため目が疲れにくくなる」という、健康面でのメリットもあったり。

クライアント初期状態です
アンチエイリアシングなし=クライアント初期状態(外部再生はこちら)

もうちょっと違う角度から見てみますと・・・そう、プレイヤーキャラ。PSO2に限らず、必ずといっていいほど3Dゲームは自分のキャラクタさんを後ろなり、前なり、目にするわけです。しかし、PSO2はカメラの位置の関係上、割と遠ざかって見るような状態になっています。キャラクタが豆粒・・・とはいいませんけど、かなり小さいのですよね。

そんな小さい状態にクローリーが発生すると・・・もう、目も当てられませんよね。お顔などの表情も、わからないものとなってしまいます。そのため、人によってはカメラ位置をキーボードのマイナスキーやスラッシュキーで調節される方もいらっしゃることでしょう。それでも、ご覧のように近づけても尚、ジャギーは目立つものなのです。


エイリアスが起きやすくなる条件は・・・おそらくうすうす気づいておられることでしょうけど、「キャラクターの輪郭が複雑=細かいほど現れやすい」ものとなってしまうため、衣装などで斜めの線分が多くなってしまうデザインのものなどはジャギー発生は避けられない状態。キャラが小さいとそれだけ線分も密集しやすくなるため、これもマイナス要素。PSO2のカメラはそんな意味でもよろしくないような気はします。

そのため、比較的シンプルなデザインの衣装を着けようと選んでみるものの・・・それでも避けられない、クローリーが発生する、という方もおられるでしょう。それはなぜかとなりますと・・・「衣装の上に描かれた、細い線などの文様がちらついて見える=ジャギーが発生する」状態となるためです。

アンチエイリアシングは基本的には輪郭部を検出し、そちらに修正をかける方法が今まで主流だったため(MSAAと呼ばれるものです>詳しいことはNVIDIAさんの先ほどの資料をどうぞ)、服の文様まで考慮したものではなかったのです。言葉で言うなら「テクスチャ」と呼ばれる、立体物の上に貼り付ける布地。テクスチャの中までは参照できないのでした。

ちょうどムービーであげるなら、ブロック転送前の緑の動く案内板?であったり、お店の後ろにある画像であったり。「立体物の中に描かれた文様に発生するジャギー」には効果が出ないのです。

アンチエイリアシングを適用します
アンチエイリアシングあり=SGSSAA系適用後の画面(外部再生はこちら)

ところがどっこい、そのアンチエイリアシングの手法を変えてみますと・・・こんな感じで、ちゃんと消すことも可能になります。輪郭部のみだけでなく、テクスチャにもしっかりと作用する方法・・・それをSSAAと呼んでいますけど、その中でも精度が高めのSGSSAAと呼ばれる方法ならば、クローリーを取り除くことも可能となります。

しかしながら本技法はグラフィックスカードにかなりの負荷をかけるため、安物のカードでは太刀打ちできないことでしょうし、上位のカードでも快適に動かしたい、となるといろいろ考えなくてはならない部分が出てきてしまいます。

そのあたりの詳細はまとめの記事で紹介できればと思いますけど、今日記しておきたかった部分は、何となく感じ取っていただけたのではないでしょうか。


「アンチエイリアシングがしっかりかかると、静止画だけでなく、動画=実際のプレイ画面にも多大な影響を与え、快適できれいな画面を堪能できるようになる」、と。


シャープな画面をお望みの方には、確かにアンチエイリアシングは「輪郭にぼかしを加える」方法となるため、敬遠される向きもあるでしょう。それでも、上記のような比較映像を見てきた後では、ちょっぴりは興味を抱かれたのではないでしょうか。おそらくちらついた、クローリーな画面は見たくない、って気持ちも芽生えるのではないかと。

アンチエイリアシングにはソフトなものもあれば、比較的くっきりさを残したものもあったりで、ご自身にていろいろとパラメーターを調節し、好みの画面を作りだせるメリットもあります。NVIDIAさん解説のスライドはたくさんの言葉が並んでいたり、大変なところもあるでしょうけど、要点だけを抜き出して紹介できればいいなと思います。


とりあえず今日はここまでにして、明日は実際のフィールドでの印象をチェックしてみましょう('-'*)


(12/26 14:00 追記分)

SSAA Combined(16xS)アンチエイリアシングを適用します
アンチエイリアシングあり:SSAA Combined(16xS)適用後の画面(外部再生はこちら)

ゲート/ショップエリアをSSAA Combined(16xS)で撮影したらこんな感じになります。一部だけモアレのような現象も起きますが、線分におけるクローリーはきっちりと除去され、何よりも一番シャープさが際立っているので見栄えがしますね。

眠たさがないながらもクローリーが発生しない・・・一番理想的なアンチエイリアシング。影部分がちらつくのは・・・もう、言わずもがなですよね。開発チームさんがきっちり作り上げてくれることをお祈りするばかりです。シェーダー周りが競合他社と一番差がつけられている部分のように感じました。


『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/

From : lavendy | 23:58

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