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2014年07月12日

東芝4KレグザでPSO2を楽しむの巻(前編) ~ REGZA 58Z9Xレビュー

今話題の4Kテレビの印象をまとめておきますね。


先に記しておきますが、本稿はほとんどが「画質のお話」となるため、テレビとしての概観を知っておきたい場合は、下に挙げている55Z8レビューを一読されることをお勧めします

東芝レグザでPSO2を楽しむの巻(前編) ~ REGZA 55Z8レビュー


前回まとめておいた、液晶テレビでPSO2を楽しもうという話題・・・。東芝さんのREGZA(レグザ)というブランドに聞きなじみがあればきっとニヤニヤできたお話だとは思いますケド・・・いかがでしたか。

おかげさまで? 検索語句に直接 55Z8 が上がるほどになっており、記した甲斐があったかなと思っています。普通のユーザーさんであのくらいまとめるような人はあまりいないでしょうしね(汗笑)。

別に東芝さんの回し者などではなく、素直に「この商品は、こんなところがいい!!」部分を伝えたかったため、そして最近は「パソコンの画面表示に液晶テレビをディスプレイ代わりに用いることも増えてきた」ことが大きいから、です。

といいますのも、大半のパソコンユーザーさんはコンテンツを「創り上げる」よりは「消費する」立場だと思いますので、それなら「より色彩鮮やかな画面に出会う」「大画面でその世界に深い没入感を得る」のが理にかなっているのかなと。

そういったときに、液晶テレビはもはや特別な存在ではなくて、普通にぱそ子さんをつないで遊べる存在になったと考えています。私自身は・・・Z8レビューのところにもまとめたとおり、10年以上前からやってきてはいますけど。


「いつかは必ず、液晶テレビにPC=パソコン表示をする日が当たり前のようにやってくる。代わりとなる日がやってくる」


・・・そう思い描いていたのが、ようやく日の目を見るようになりました。CATVによるインターネットと似たような感触でしたね。今後のトレンドはどうなるかはいざ知らず、「特別ではなくなることの意味」は計り知れません。

なぜなら、そう。「一般ユーザーからの意見」が、各メーカーさんに蓄積されていくから。何でもアーリーアダプターと呼ばれる、先進的なユーザーさんは「自分であれこれ調べ、使い倒す」ことでものにしていきますけど、普通のユーザーさんはそこまでしませんよね?

今こそフルハイビジョン(以下FHD)テレビが主流になったものの、液晶テレビが登場しだした頃は、それに満たないWXGAと呼ばれる規格のパネルが一般的でした。しかし、価格が高い頃に手にされる方は「そんなことは織り込み済み」だったりするのです。ゆえ、不満もそれほど出なかったはずです。


なぜこんな話を取り上げておくのか・・・となりますと。同じことが今度は「4Kテレビ」で再現されるようになってきたからです。そう、時は流れ・・・歴史は繰り返すのです。4Kの価値をわからず、単に「いいものなんだろうな」程度の見識で手にされた方は、「こんなはずではない」と嘆かれる方が多いようで。

ゆえに一般ユーザーが公開できるレビューサイトでも評価が荒れがちなのは「期待していたものとは違うぞ!」という声が大きく上がってしまうため。なぜなら、「価格が高いゆえ、普通の人にはそうおいそれと手が出せない」=「お金持ちさんが手にしやすい状況」ゆえと考えます。奮発して購入して、がっかりした・・・ではあいませんし。

異なる点として、今までのアーリーアダプターさんとは「事前の知識を何も持たないまま購入された」ものと思われ、極論「その価格に見合っていないから」という短絡的な理由で低評価の烙印が押されてしまうのですよね。これほど悲しいことはないでしょう。技術者さんたちは、一生懸命その商品を創り上げられるのですから。


REGZA 58Z9X・・・といった前置きもほどほどに、某所からお越しいただいた方。そして本サイトによく訪れられるPSO2プレイヤーさんに対して、お待たせしました。購入して1ヶ月が経過した本日、レビューをあげておきたいと思います。約束通り、何とか買いましたよ。にはは。

私の場合はなんといっても「PSO2がはたして4K環境でもしっかりと動作するのか、楽しめるのか」の検証のためというのが大きいです。もちろん事前にいろいろ調べたりする部分もありましたし、4Kとは一体何なのかというのもおおよそ、自分なりには把握していました。

しかし、一番の決め手になったのは、やはり店頭での実機でしょうか。今回は帰省時ではなくここ札幌において、ヨドバシカメラさんで展示されていたのがとても惹かれたのですよね。それも、5月中旬と話していたのが4/25に変更となり。偶然にもその当日にお目にかかれました。「あれ、今日発売だったっけ?~?」。

誰よりも早く目の当たりにできたと思っていますが・・・一見してすぐに感じたことは、「うわあ・・・これはZ8Xがかすんで見えてしまう」ほど。明らかに、世代が違うことを感じさせられる映像だったのです。すでにZ8の画質も知っているだけに、ショックを覚えました。

「より純色が力強く描かれるようになった」だけでなく「VA方式の液晶パネルが搭載され、黒の表現力がかなり上がった」とすぐに感じられること。この2点だけでも決定的すぎでした。

Z8Xも当然綺麗ですが、「比較しなければ・・・」となってしまうほどだったのです。2台を上下に配されていましたが、明らかに違っていたのですよね。視野角的に厳しい、上段に設置された50Z9Xと、直視できる58Z8Xとでさえ。このあたりは実際にご自身で、店頭で確認していただければと思います(58Z9Xはその58Z8Xの真横にありました)。


さて、また長くなる前に結論を先に記しておきます。2カ所でレビューをあげておきましたが、いえることはこの3点でしょう。


「価格を気にする方が手にすべきモデルではない」
「手動での調整を試行錯誤することをいとわない」
「地デジ以外にも多種多様なソースで楽しむ発想」


1つ目。価格が気になる方は、プレミアム2Kモデルとなる「Z8シリーズ」をおすすめします。その概要は冒頭にあげた、55インチモデルとなる55Z8のレビューを参考にしてください。その部分を徹底的に突き詰めたモデルといえますので。

両方使ったからこそいえることとして、Z8は本当にみなさんのいう言葉で コストパフォーマンス というものがあると思いますが(私はこの言葉自体が好きになれないので、使いません)、それでいえば圧倒的にZ8が満足度高いはずです。

4Kテレビで低評価をつける人のほとんどは、この面を気にされて「30万の価値はない」とお思いだからなのだと考えます。「そんな視点で本機を語れるほど、底の浅さは全くない」かなと。

ならば、最初からそのような部分で後悔しにくい「手ごろな価格で、ほどよい画質や機能を」念頭に、選定すべきはずです。そうした点で導き出されるのがFHDとなる2Kテレビ・・・普通の液晶テレビとなりますけど、Z8がダントツでおすすめできると、いってしまいます。

本機Z9Xのほぼ半値で、大半の機能は備えていますから。それなら「価格が~価格が~」と気にされるくらいであれば、間違いなくそちらを選んだ方が幸せになれます。タイムシフトマシンをはじめとした「テレビを楽しむ」機能がてんこ盛りですので。

必要十分な機能が、すばらしい価格で提供されているのが、Z8シリーズなのです。


2つ目、とっても大切なことです。今、本機を含め「4Kテレビを選ぶ理由のほとんどは、これを克服できるか」にかかっています。いわゆる価格が30万超えするような高価なモデルとなりますので、「メーカーさんが用意されたものに満足できなければ、(価格が高い分)評価はより厳しくなってしまう」から。

実際にレビューをご覧になれば、共通している点が浮かぶはずです。「4Kの価値って、こんなもの?」。対する答えは、「使い方をわかっていないだけです」。

4Kテレビの真骨頂は「各社とも豊富に用意された画質調整機能を、徹底的に使い倒す、操る」コトにあります。自分から「この美麗な映像に出会ってみせる」くらいの気概をお持ちの方であれば、おおむねは満足できるはずです。

その懐の深さ=多彩な調整項目を用意しているのが、レグザシリーズであることを忘れてはならないでしょう。それはDVD時代などで「レコーダーがマニアックすぎる」といわれた、あの頃のように。そのDNAはレグザにも息づいています。


特に今回のZ9Xは「Z8の画質が、液晶テレビのパラダイムシフトを引き起こした」といえるほどのインパクトをもっていたものが、「すべて内包され、さらに4Kの魅力をひきだたせるための機能が追加、ないしブラッシュアップされた」ことにあるのです。

前回レビューにもいろいろな機種を使ってきた旨記載しましたが、今回のバージョンアップはいわゆる「初代Z1000からZ2000へ引き上げられたときのインパクト」に匹敵しうるものだと思っています。多彩な機能を用意したことについて、ですね。

ですので、「本機をメーカー初期設定だけで最後まで使う」といった考えは、おそらく捨てられた方がいいと思います。というよりも自分でいろいろと設定の錯誤をしない限り、「本機のポテンシャルを100%引き出すことはかなわない」と考えるからです。


ここで3つ目にもまたがることとなりますが、よ~く考えてみたら最近は地上デジタル放送だけではなく、BS/CS放送やBlu-rayディスク、そしてパソコンや写真、ハンディカムといった様々なソースがあるわけで、それをたった一つの設定で満足に見ようという考え自体が古いのでは、と思うのですよね。

う~ん、それだと基本値が全く使えないのか、となりますが、そんなことありませんよ。Z9Xの初期値はかなり優れており、設定が苦手な方はこれ1つでほぼまかなえるほどです。が、改めて考えてほしいのが「それでいて、なぜ低評価をつけるユーザーが現れるのか」。

そう、「価格は倍もするのに、この程度の価値=感動しか得られないのか」、となってしまうから。そもそも初期値なんて「あくまで、あちら側が推奨する設定」にしか過ぎません。ならば「自分好みの映像を創り上げる」気持ちは、もっておかねばならないことでしょう。


私は車を持ってはいませんけど、同じことがいえるはずですよね。誰がディーラーさんから納車したままの状態で、使い続ける方がおられますでしょうか。お気に入りのCDをかけたり、マスコットさんを飾ったり。シートに手を加えたりサウンドを強化したり。あるいはパーツをいろいろ変えて見栄えや運転そのものをカスタマイズしていく。

その感覚と、にているものだと思います。自作パソコンなどもその代表例となりますけどね。そうとらえると、最近お使いのスマートフォンなどはまさしく そのもの ではないでしょうか。自分が使うソフトを入れて、楽しむわけですから。

「メーカーから与えられたものだけで楽しむ」という発想では、Z9Xの真の奥深さにたどり着くことはできませんよ、といっておきますね。


・・・以上が前置きです。長いですね(汗笑)。でもでも、今述べてきた部分はとっても大切なことですので、読み通して「わけがわからないよ・・・」という方は、何度でも読み返してきてください。上記をすべて把握されていなければ、下記を読んでも意味がありませんので。

何度でもいいますが、「価格を気にされる方は、4Kテレビは当面お預けでいいですよ」としておきますね。「地デジしか見ません」という方なら「Z8シリーズを強くおすすめしておきます」。Z9Xは地デジだけでは、まずもったいない機種となるから、です。

別次元に踏み出した“プレミアム2K”テレビ「REGZA Z8」--麻倉怜士氏レビュー


それらを踏まえて、「ふむ、なるほど。ではZ9Xの説明を続けてくれたまえ」という方に、本機の特徴を記します。とはいえ、もう発売から2ヶ月半経過ということでいろいろ、プロのレビュアーさんからも情報が上がってきていますので、私として気になったものをいくつか取り上げておきますね。まずはこちらなどでもお読みください。

西川善司の大画面☆マニア 4K REGZAは広色域+ハイダイナミックレンジで完成形に。東芝「58Z9X」

西田宗千佳のRandomTracking REGZA Z9X開発者インタビュー「画質直球勝負」で4Kを攻める 直下型LED&広色域の4K時代の画質とは?

東芝 液晶テレビ“4K REGZA”「Z9Xシリーズ」レビュー - Phile-web


また、手間はかかるかも知れませんが「4Kテレビとして評価の高かった『前機種・Z8X』の素性を知っておくこと」も大切だと思います。その当時のレビューも参考にしてみてください。Z8Xが礎となっており(心臓部など)、それにZ8の良さを組み合わせたものが、Z9Xとなるがためです。

ゆえ、Z8・Z8Xを一とおり押さえておけば、Z9Xが「おおよそ、こんなモデルなんだろうな」という部分が、透けて見えてきますので。

東芝、4K REGZA「Z8X」シリーズを発表 ー 84/65/58型の3サイズ展開

熟成の4K画質が変える映像体験。4K REGZA「58Z8X」

東芝「REGZA Z8X」と自作PCでリアル4Kを堪能してみた


なんと時間がかかることかと思われたら申し訳ございませんが、いってしまえばこれも「調べさせられている感」があるような方には、再三申し上げますが「Z9Xはおすすめできかねる」ところです。

「未知の、新しい映像が待っているかも知れない」と思える人であれば、これくらいの事前の予備知識の情報集めくらい、苦にもならないはずだから、です。苦になる=早く手にしたいだけ、であれば。価格の手ごろなZ8をおすすめします。


ここからZ9Xの機能で特に大切な部分を取り上げておきますね。すべてを紹介するとなるとかなりの量になり、それなら公式サイトをご覧になるのが早いはずですので。


REGZA 58Z9X液晶テレビで一番大きく見栄えを変える部分は、そう。「液晶パネル」と「組み合わせる光源=現在はLED」の2つです。なぜなら、この2つが直接、人とテレビとが接する部分だから。

東芝さんはそれらを総称して「色彩豊かな映像を再現直下型広色域LED採用 4Kダイレクトピュアカラーパネル」「輝度約75%アップで明るくキレイな4K高画質を実現高輝度ダイレクトLEDバックライト」と紹介されています。

この部分がとても画質に効きますけど、Z8で高い評価を得た仕組みを、Z9X向けにリファインしたものとなります。パネルはもちろん4K対応、LEDはZ9X向けにさらに改良。Z8と比べて青と緑が鋭く出るようになりました。Z8では赤の鋭さが印象的でしたが、Z9Xはそれが全方位に向いたということですね。

液晶パネルはVA方式となっており、IPS方式と比べて視野角の狭さが弱点とされますが、よほど斜めな場所からでも見ない限り、ほとんど気になることはないと思います。お店で重点的に、チェックしておきたいところですね。設置位置をシミュレーションしながら、Z8と見比べてみましょう。

むしろ正面からご覧になる場合はVA液晶が暗部の表現力、高いこともあるのでプラスの面も大きいのです。実際、私が目の当たりにした映像は「Z8をもまた一段上回った品質」であり、上位モデルの優位性を感じさせられるものでした。

店頭と視聴条件が当然異なりますが、この2点の改良はとても大きなものですので、Z8と比較してもこの部分はかなりすばらしい点だと思います。下手すると、Z8の次のモデルが出るときに、導入されるかどうかはわかりかねますけどね。

歴代レグザの上位モデルはVAパネルを搭載する傾向にありますので、逆にZシリーズはIPSパネルを続けて採用していくのかも知れません。


そのパネルの良さをひきだたせるのが、映像回路=エンジン、となります。Z9Xでは「パネルの実力を引き出す映像エンジンレグザエンジンCEVO 4K」として訴求しています。

Z8にはその原型となる「レグザエンジンCEVO」を2基搭載した「レグザエンジンCEVO・Duo」を搭載していますけど、本機Z9Xにはその2基に加えて「4K処理を専門に担当するエンジンが追加された」モデルとなっています。

レグザエンジンCEVO自体がデュアルコアCPU=内部に計算回路が2つ組み込まれたようなものなので、2+2で4基。レグザエンジンCEVO 4Kはクアッドコア=4基内蔵したものなので、トータルでオクタコア=8基も内蔵したとてつもないものになっているのです。

価格が高いのも、そのダイレクトピュアカラーパネルと、CEVO 4Kの2つが搭載されているがためだと考えられたら、納得できるのではないでしょうか。

(もっとも、液晶テレビの何が高いかとなると「パネルで価格の半分以上は持って行かれている」>4Kテレビの旧機種が値下がりしにくい事情も、ここにあるものと考えられます)


2つの新たな力をZ8から手にした結果、下記の様々な機能が改良・搭載されるに至ります。いわゆる「画質向上のためのキーテクノロジ」で、いくつか取り上げますね。


「色表現領域を拡大し映像本来の色を鮮やかに再現4K広色域復元

>これがもう、本機最大の特徴といえるでしょう。液晶パネルとLEDが変われば映像そのものが変わりますが、レグザエンジンCEVO 4Kの何がすごいかといえば、この機能に集約されるといっても過言ではありません。

人が好ましいと感じる画質=色を司る、綿密な調整をしてくれる機能なのです。画質を追い込むパラメーターは豊富にありますけど、それらで追い込んだ後「本来、こうあるべき色なのでは」という部分を復元してくれるのが本機能です。

Z8と比べても、各々が改良されて基礎体力が上がった結果、「より理想的な表示になった」部分だといえます。


「部分ごとの明るさを制御し、メリハリのある映像描写を実現きらめきダイレクトLEDエリアコントロール
「輝きを復元して映像にメリハリを生み出す光解析 輝き復元
「日中の光の力強さを高精度に再現ハイダイナミックレンジ復元

>Z8で搭載されて好評だった「映像の輝き=まぶしさ」を再現する各種機能です。Z8の何がエポックメイキングだったかといえば、最後にあげている「ハイダイナミックレンジ復元」という機能が大きかったのです。

それは、日常で目の当たりにする「太陽のまぶしさ」などを再現する機能となり、「明るさ」が要になります。その部分を徹底的に追い込んだものとお考えください。

通常、4Kパネルともなるとその密度が2Kの4倍となるために、1ます1ますの大きさが非常に小さくなっています。その部分を新たなLEDと、その数によってきめ細かくコントロールできるようにしたものがZ9Xなのです。おおよそ、搭載LED数はZ8のさらに3倍にも上るということで、そのすごさがうかがい知れるのでは。

見比べてもやはり「4Kでも明るすぎる」という印象でした。Z8と何ら変わらないのです。ここが、Z8Xと比べても、大きな違いになるのではないでしょうか。

「Z8は明るさ方向に突出させることで、相対的に黒の存在感を高めた」ような印象がありましたが、「Z9Xは部材そのものを変え、黒そのものの表現力も高まった結果、より明るさが際立つようにもなった」副次的な効果をもたらしています。VA液晶パネルの恩恵といえるでしょうね。


それら以外で私が一押ししたいのはこちらでしょうか。

「映像のどこを見ても美しい精細感が感じられる絵柄解析 再構成型超解像技術

>今までの超解像技術は「画面全体に、均一に超解像処理を施す」ものであったため、「ぼやけが少ない、元からクリアなところは過剰に働き過ぎる」きらいがあり、「もっとかけた方がいいところには不足してしまう」ようなこともあったりと、必ずしも満足のいく結果が得られないことがありました。

本機の「絵柄解析」技術はいってしまえば「画面をより細かく見渡せるようになり、場所場所に応じて超解像処理の効き具合をコントロールしてくれる」という優れもの。パソコンに明るい方ならポストエフェクト型処理、なんていわれる技術になるそうですが、それをCEVO 4K上でやってのけます。それも、リアルタイムに。恐ろしい演算量といえるでしょう。

この機能を一度味わうと、昔懐かしのゲームであったり、DVDであったり。「再発見をさせてくれるほどのインパクトをもっている」のです。今までに見えなかったディティールが、見えるようになるのですよね。これは相当な機能だと感じました。


「映像の質感を、より実物に近づける微細テクスチャー復元
「いつも見ている番組も4K高画質で楽しめるデジタル放送ノイズエリア解析超解像技術

>この2点は細かい部分となりますが、前者は「より細かい部分の文様なども描きわける機能」となっており、精緻な映像ソースの時に威力を発揮します。そうですね、実写系の映像であったり、写真であったり。パソコンなどでもいいわけです。

元ソースの映像がそこそこいいにもかかわらず、情報として不足している部分を補うといったものです。様々な素材において効果があり、動画において如実に体感するのは難しいのかも知れませんが、「自然と綺麗な映像になっている」のがポイントでしょう。

地デジを中心とした2K品質の放送波を視聴する際において効果的なのが後者の技術。いわゆる文字の周りに見られるようなノイズを、かなり低減してくれます。地デジでは完全除去は難しいかも知れませんが(そもそも、映像情報自体がかなり乏しいため)、BS/CSクラスになってくるとほぼノイズ感はなくなりますね。Blu-rayなどともなれば十分な品質になります。

よくZ8でこのノイズが問題視されることがありますけど、言い換えればそれは「画面が圧倒的に明るく、的確に描きわけられるようになった」結果、「情報量不足のアラまで露呈するようになってしまった」だけですので。他社さんと比較しても目立つ結果になったのは、直下型のバックライトLEDシステムなどが影響しているかも知れません。

いずれにしてもこの問題は「映像ソース自体が高品質であれば、気になるものでもない」コトになりますので、「地デジメインならZ8」と何度でも記すのでした。大半の方が本機を手にすれば「ノイズが皆無になる」と錯覚されるがためなのでしょう。

いくらZ9Xであれ、「元々の映像が汚すぎる=情報量不足の場合は、補完処理にも限界はある」点を押さえておけるといいですね。


以上が画質に関する部分です。Z8と比較しても「三原色の細やかさ、力強さ」「黒色の再現力向上」「絵柄解析 再構成型超解像技術の質の高さ」にアドバンテージを感じる結果となっています。店頭のような、落ち着いて視聴できない環境下でも「これは違うぞ」と感じられた方なら、

おそらくご自宅で視聴することで、より奥深い映像が再現されるあたりで感動できるのではないでしょうか。少なくとも、「これ以上のモデルが出たとしても、本機が劣るものではない」と感じています。「今後数年の礎が、本機にはすでに築かれています」。

4Kテレビの本質は「画質」にあります。ゆえ、今までにまとめてきた部分が「Z8から進化した特に大きなポイント」といえます。言い換えれば「画質にさほどこだわりはない」「設定が面倒なので、オートで視聴できる範囲で」、と考える方なら「Z8、おすすめですよ」。

それでも「いやいや、Z9X、気になるんですよぅ~」という方が、真剣に検討できればいいのかなと感じます。その要点が「自分で自由自在に創り上げられる、映像周り」になるのです。その多様さを司るのがレグザエンジンCEVO 4Kから始まる各種構成部材・機能と考えられるといいでしょうね。


そして、レグザといえばゲーム関連機能も充実しており、Z9XではZ8と比べても「レグザ史上最速のレスポンスを実現!4Kゲーム・ターボ」として、さらなる進化を果たしました。

いわゆるゲームを楽しむ点において何が重要か、となりますと。それは「入力遅延」といっても過言ではないでしょう。ブラウン管テレビの時代と異なりいろいろと映像を制御する部分もあったりで、液晶パネルに映像を表示するまでに「時間がかかる」ようになってしまったのです。

それが遅延=ラグ、として認知されるようになりますが、液晶テレビが出た当初は「体感できるほどに、入力した後映像が出るまで時間がかかって」いました。おそらく0.3秒近くには上ったのではないでしょうか。人間、それくらいはさすがに認知できるレベルにあります。

テレビ放送は通常、1秒間に60コマ=フレームの映像を流していますので(1秒間に60コマのパラパラ漫画を表現していると考えられればいいでしょう)、よく「60フレーム/秒」といった表現をします。そのうち0.3秒ともなれば約1/3、20フレームも遅延が発生しているのです。


私はそれほど反射神経がよくない人なので、一般的なユーザーの部類ととらえられるでしょうけど・・・、そういった人でもいわゆる「遅れ」を認知するのは、15フレーム以上・・・秒数にしておよそ0.25秒程度あたりからだと思います。

これが意味するのは「マウスを動かし、矢印=カーソルが遅れて動く」ような現象を目の当たりにすることです。昔のテレビはほとんどがそうでしたから。なぜなら「放送さえ見られたらそれでいい」わけで、それにゲーム機やパソコンをつなぐといった使い方が、まだ想定されていなかったため。

その部分にメスを入れたのが、ほかならぬレグザシリーズだったのです。それはソニーさんのBRAVIA(ブラビア)よりもゲーム機のPlayStation3なり、プレイステーションポータブルであったり。同社のゲーム機専用の画面モードを用意するあたりからして、本気度がうかがえるものです。

今までにも数々のゲーム用技術となる「ゲーム・ターボ」モードは搭載してきましたが、今回の「4Kゲーム・ターボ」テクノロジーは「一つの完成形」といえる出来映えを誇ります。

詳しいことはちょうど先日公開されたばかりの、同じく西川さんのレビューが詳しいので、弟分となる「40J9X」のお題、ご覧になってみてください。

40型4Kで最高のパーソナル4Kモニターに「REGZA 40J9X」


いえることは、ゲームの遅延で悩むことも「よほど人間の反射神経の限界まで体感できる」ような人でない限り、「遅延がないと感じられるレベルに到達しましたよ」、と。

なぜなら、「倍速液晶パネルの遅延原理=1/120フレーム=8.33ms(ミリ秒=1/1000秒)」に「回路=映像処理による遅延がわずか1.6ms未満」、合計しても「10ms未満」となり、これは格闘ゲームなどでよく言われる「1フレーム単位」よりもさらに短い遅延にとどまっているのです。

1フレーム=1/60秒=0.016秒という時間を、はたして一般人は知覚できるのでしょうか? 否、ほぼ無理といってしまっていいでしょう。わかりやすいたとえは「過去のゲーム機・・・スーパーファミコンやプレイステーションは有線コントローラーだった」のが、

最近のゲーム機となる「WiiやPlayStation3、Xbox 360、その後継機となるWiiU、PS4やXbox Oneは無線コントローラーが標準搭載となった」あたりです。

ゲームにシビアな方なら「無線コントローラー・デバイスはあり得ない」わけで、「有線オンリー」というこだわりを強く持つ方もまだまだ多くいらっしゃるはずです。


有線・無線の差異は「格闘ゲームなどにおいて『プロゲーマークラス』で初めて認知できる」ような領域と考えられ、「9割以上の一般人は、無線コントローラーにおける遅延など、ほぼ知覚できないため」、採用したというのが大きいはず。最近ではちょうどEVO2014が開催中ということで、話題になっていますよね。

コードレスが便利なのは、みなさんご存じのはずです。ゆえ、遅延よりも利便性のメリットが大きく感じられるからこそ、ゲームメーカーさんがこぞって採用したといえるのではないでしょうか。Wiiなどは説明不用なその代表例でしょうしね。

はたして0.016秒という、0.1秒未満の世界を認識できるほど、ゲームモードであれこれ語れる方が、どれほどいらっしゃるのか。ソニーさんの一部モデルで遅延0.1フレームを達成などと語られますが、一般ユーザーから見たら「ふ~ん、そうなんだ」くらいになってしまうと思います。

なぜなら「自分の反射神経で、遅延を大きく感じることがかなわなかったら、すでに十分な性能を持っている=隠蔽されてしまうから」、です。このあたりは後日、PSO2のとあるものを使って、簡単に紹介しますね。

何よりもレグザがすごいと思うのは、「画質を高める処理を、全部入れてその遅延にまとまる」ことなのですから。ゲーム好きな人は、これ一択といってしまっていいほど。それはPCゲームにも通じるものがありますので、「WQHD 60p対応」なんて言葉一つでわかるあなたは、相当マニアな方でしょう。


一部で「レグザの画像モードによっては、遅延を十分感じてしまう」というのもあるでしょうが、それは「リアルタイムに動かすモードになっていないため」、遅延を感じても仕方がないところだと思います。

4Kパネルへの表示処理は2Kの4倍にも達するわけで、むしろ4倍もの処理を遅延がわずかに感じられる程度にとどめられているというのはすさまじいことだったりします。イメージとしては「ゲームを楽しむ際、旧機種・ZG2よりも前のものでゲームモード以外の画質(倍速処理Onなど)でゲームを楽しむ」際に生じていた遅延でしょうか。

ゲームモード以外ではいろいろな高画質化するための処理が有効になるため、どうしても「美しい映像を創り上げるための時間=遅延」が生じてしまいます。ただし「映像を見るだけ」なので、「操作は伴わない」ことから、「遅延がどれだけあっても、特に問題になることはありません」。ないにこしたことはないのですけどね。

詳しいことは後編で簡単に記したいと思いますけど、Z9Xで遅延を感じない操作をお望みの場合は映像設定の映像メニューで「ゲーム」「モニター(D93/D65)」の3つに備えられている「倍速モード:ダイレクト」を選ぶ必要があります。


または、その他の映像メニューをどうしても利用したい際には「映像調整>プロ調整>1080p画質モード」を「オートからピュアダイレクトモード」に切り換えることで、遅延をある程度減らすことが可能です。

・・・ですが、完全に取り切れるわけではないことや画質調整幅が減ってしまうことなどから、遅延が気になる際は素直にモードを切り換えられることをおすすめします。せっかく専用のモードが備わっているわけですし、ね。

それましたけど、そのくらい4Kゲーム・ターボの低遅延性能の威力は絶大だということです。そしてそのしっかりとした基礎があるからこそ、動きをなめらかに見せる「ゲームスムーズモード」もより有効に作用するのですよね。


本機は倍速液晶ということで、「1秒間に120フレーム相当の表示が可能なモデル」となります。機能としては「60フレームの各フレームの前後を参照し、その間に当てはまる映像を補完生成する」ものです。

極端な話、パソコンのスペックが足りず常時120fpsが満たせなくても、本機なら60fpsを安定して出せれば、そこに映し出される映像は倍速の120fps相当の画面となるのです。なめらかさが、違うのですよね。

「補完表示をすると、その映像=コマを新たに用意するため、さらに遅延が生じます」が、本機の場合、入れたところで

『約19.2ms、60fps時で約1.15フレームなのだ。約1フレーム遅延といえば、一般的なメーカー製テレビのゲームモードに相当するスペックである。』(西川善司さんの記事より引用)

、です。1000分の19.2秒、なのです。どうでしょう。あなたには、その世界が体感できますか・・・? にはは。そしてこれが40型の小さい液晶パネルだけではなく、58型の大きなモデルでさえ、達成できているという事実。

通常、画面サイズが大きくなればなるほど、その制御は大変になっていくはずですからね。昔の液晶テレビなどは画面が大きくなると残像感も如実に感じられた覚えがありますが、最近のテレビはそれらも克服してきているわけで、驚くばかりです。

ですので、格闘ゲーマーさんにも、ばりばりのFPSゲーマーさんにも、表示性能的にはほぼ納得する出来映えなのでは、と思います。もちろん、FPSなどは視線移動の兼ね合いもあるでしょうから、必ずしも大画面がいいとは限らない場合もあることでしょうけどね。そのあたりは視聴距離を考慮したいところです。


さらに加えて、「ゲームカラオケ」モードなる「音遅延」にもメスを入れたのが新しい部分。名前こそはカラオケになっていますけど、本機能、「音ゲーマー」さんほど恩恵を受けるのではないでしょうか。そう、リズムゲームと呼ばれるジャンルのものです。

いわば「HDMI信号を伝ってくる音遅延を約15ms(0.9フレーム)まで抑える」機能となっており、着目点が本当にマニアックすぎるところに及んでいます。これは「表示遅延こそほぼなくなったはずだのに、どうにも画面通りに押しても『微妙なずれが起きている』ように感じる」あなた。実は「音周りにも遅延は存在する」のですよね。

本モードを入れることで、「ほぼ見たとおりのイメージで遊べる」ようになるのが大きいです。その時は「ゲームスムーズ」モードもOnにしてしまいましょう。これだけでもほぼ遅延は1フレーム以内に収まってしまうほどで、その「微細な違和感が消えていく」のです。それでありながら、後ろに流れるPVなどはなめらかそのものですから。

(注意書きとして「HDMI入力 60Hz映像 LPCM48kHz音声時。」とありますけど、一般的な条件ですので問題はありません)


音声がないため伝わりづらいかも知れませんが、参考用に一つ撮影しておきました。いわゆる即興性を現す?ために、ではありませんけど、ミクさんのドリーミーシアター、あのZ7の紹介時から「ほぼ遊んでいない状態で、カラオケがOnになると違いは出るのか」という内容になっています。

素人さんでこのようにはできますから、より音素が多い上級者向けのHARDやEXTREMEなどになってくると、そのまますんなりと体験できるようになるのではないでしょうか。実際、手にされた暁には試してみるといいでしょうね。ゲームだけでもいろいろな機能が用意されていますので。いじり甲斐があって、楽しいですよ。

・・・といったあたりが、Z8と比べても進化したと感じられる点でしょうね。それ以外の機能はほぼZ8と準ずるものであり、「画質やその周りを支える部分」で、進化していることを把握されたでしょう。

タイムシフトマシンについては登場してからすでに3年は経過するものとなってしまったので、ここでは割愛していますけど・・・。一度使えば、良さもわかるはずですので。時間がない、忙しい日本人だからこそ「こんなにも便利だとは思わなかった」と思わせられるに十分な機能なのでした。

思えば、CELL REGZA 55X1と呼ばれる100万円を超えるテレビが登場してから早5年近くがたつわけですが、夢だったタイムシフトマシンは10万円前後のテレビに載るようになってしまい、そして高嶺の花だった4Kテレビでさえ、こうして個人で手にすることができるレベルになってきたのです。技術の進歩、楽しいですよね('-'*)


動画の表示部分については「高輝度直下型LEDでよりなめらかな映像を実現スムーズダイレクトモーション480」なるものを用意されましたが、VA液晶の特性や、多少の機能改善を伴っているのか、Z8に比べても多少よくなったように感じます。アニメなどは設定さえきちんとすれば(24p処理など)、必要十分な品質は確保できているように感じます。

・・・ですが、このあたりを気にされる方は他社製TVが優れる部分となると思いますので、そちらを検討されるのがいいでしょう。レグザの今後の課題といえる部分かも知れません。

一点付け加えることとして、「動画は、静止画の連続」であるということ。つまり、「元となる静止画を綺麗に描画できていなければ、動画に取り組む意味がどれだけあるのか」。ゆえ、方向性は今のままで問題はないと思いますので、余力があれば、取り組んでいただけるとうれしいかな、といった感じです。


後気になる部分として、「素材の美しさを最大限に引き出す最新の4K映像フォーマットに対応4K 60p信号入力対応 / HDCP2.2対応」がありますけど、最近開始された4K映像の放送・・・に対応できるか否かという部分です。

本機には4K放送受信用のチューナーは搭載されていませんが、このあたりは地上デジタル放送が始まるときと同じように、受信用の外付けチューナーを用意すればいいだけになります。いってしまえば、「4K放送が録画可能なレコーダー」が登場すれば、そちらに搭載されることにはなりますので。

よく識者さんたちが話されている「HEVCデコーダー」なるものが、その正体となります。記載時点で対応しているのはシャープさんのTU-UD1000あたりでも。今後、数が増えていくものと思われます。


気をつけたい部分として、「地デジが4K放送化する予定は、ほぼない」という現実。お察しの通り、半ば強制的に移行させられた地デジでさえ「FHD本来の映像品質でなく、圧縮されまくっている」のが現実です。ましてやBS放送でさえ、コンテンツが圧倒的に足りておらず、深夜帯などはショッピングばかりという現実が物語っているはずです(@_@)

4K放送はそんな状況もあって、専用のアンテナなりチューナーなり、加入の手続きなりといくつもの手間がかかるようになっています。ゆえ、意識の高い人でないと・・・というあたりが、物語るわけなのですよね。買って、つないで、すぐに見られる・・・わけではないのです。

ほとんどの方は業者さんなりに手伝ってもらうと思いますケド、そうでもしないと楽しめないのが玉に瑕。いろんな意味で敷居が高いのですね。ですので、「今手にされる方は 4K放送にこだわりすぎず 、いろいろなメディアを楽しむようにするのが吉」なのかなと。


ですので、4Kテレビといえどその真価は「4K放送をはじめとした『4Kソース』でこそ、引き出される」ものであり、地デジを含め、BS/CSやBlu-rayなどほとんどの媒体はFHD止まりなのです。

となると「4Kにアップコンバージョンをして、映像を楽しむ」スタイルが主流のため、「今4Kなんていらないじゃん」という言葉はそのとおりだと思いますし、一方「アップコンバージョンをしているのは、地デジでさえ同じことなのですよ」とも、いえますので。

(地デジはFHDにも満たない、1440*1080ドットの解像度ゆえに・・・すべてのテレビはそれを補うため、アップコンバージョンをしています。ご存じなかった方は「知らぬが仏」、だったりするのでした)

密かに重要な箇所だったりします。このあたりをうまく指摘している江口さんのお題も読んでおくことをおすすめします。4Kは扱ったことがある人なら周知の事実でしょうが、とてもではありませんけど既存のシステムで簡単に対応できるほど、甘くはありません。膨大な演算パワーを、要求されるのです。

4Kは超解像でいいのではないかと本気で思う話


ゆえ、私としては「絵柄解析 再構成型超解像技術」という、類を見ない技術を擁する東芝さんの4Kテレビ、一押しだったりします。私の目では、横並びになっていたパナソニックさんのVIERAや、ソニーさんのBRAVIAよりも自然に、美しく見えました。サッカーの一コマでしたけど、芝の表現も適切で見やすかったのです。

最新4Kテレビのトレンドは「広色域」と「ハイダイナミックレンジ」


こちらの画像は、私がよく遊んでいるPSO2なるパソコンゲームですが、自キャラの様子を収めたものです。左側が普段の視聴距離となる1.1m前後。55Z8とあまり代わり映えがしないかも知れませんが、実際には精緻な画面です。

そして右が本題といえるのですが、カメラを30cm程度まで近づけても、ご覧の綺麗さを保っているのです。これでいて「1080pのアップコンバージョン映像」だったりします。それも、「モニターD93モードのほぼ初期値」で、です。つまり「超解像処理=レゾリューションプラス」も「オフ」のままなのです。

味付けが一切されていない映像ですから、設定を追い込めばもっと美麗になりますし(ゲームモードに保存しています)、ネイティブの4K映像ならさらに精緻な画面になりますよ。

言い換えると、4K写真なるモードも用意されているわけですが、4K品質にもなると「撮影者の腕前すら忠実に再現してしまう」ほどで、ある意味アマチュアな方々が本機を使って練習を重ね、やがてプロの方を追い越していってしまう・・・。そんなシーンすら予見されてしまうのは、私だけでしょうか。

SDカードスロットも復活し、撮影技術の向上に一層意欲が湧いていくのでは('-'*)

(PSO2プレイヤーの方へ:本画像は advanced_light プロファイル適用時のものです。combinedやextremeにするとえらいこっちゃになりますよ。にはは)

REGZA 58Z9XREGZA 58Z9X

おまけになりますが「レグザサーバーとの連携でさらなる高画質を実現レグザコンビネーション高画質」も地味に外せない技術で、同社のレコーダーをお持ちの方であれば、対応機種に限り(原則レコーダーモデル)「録画したデータやBlu-rayディスクなどを、すべて非圧縮12bitキャプチャーモード(4:4:4)で再生可能」というもの。

私の場合はDBR-Z410なるBlu-rayレコーダーを購入しましたが、この廉価モデルでもちゃんとリンク機能は働いており、一皮むけた画質になっています。レコーダーを通しての視聴ということにはなってしまいますが、録画番組の再生、と考えれば理にかなっていますし、何より綺麗に映るのでいうことありません。難点は、レコーダーがうるさすぎることくらいですか(汗笑)。

このときには先ほどの「1080p画質モード」を「オート」にしておくのがコツになります。オート時に接続先を参照し、東芝製のレコーダーを検知できればこの機能がオンになります。これはレコーダー側にもレグザエンジンCEVO相当の回路が積まれており、その能力を活用しているとのことです。同社製品での連携ということで、いいものだと思います。

(ただ、レコーダーの最高峰モデルはパナソニック社が優勢ですけどね。音も静かですし・・・>DIGAを接続の際は、1080p画質モードを「ピュアダイレクト」にしておきましょう)


∮ ∮ ∮

かなり長くなってしまいましたが、いかがでしたか。Z8という優等生がいるため、Z9Xで何が大きく変わったのかといえば、やはり「4Kテレビ」と「それに伴う画質向上」がほぼすべてとなります。価格が倍もするだけあって、購入検討は慎重にならざるを得ないことでしょう。

しかしながら、本機に興味を持つということは、あなたの心の奥底にどこかしら「綺麗な映像に出会いたい」という思いがあるはず。でしたら、まずはお店に出向いて、店員さんなりといろいろ話し合ったり、見比べさせてもらえたらいいと思います。

普通のテレビをご覧になった後、4Kテレビを見て「あまり変わらないかな?」という方なら「その直感こそ、まさしく本音」であり、無理して買う必要はないはずです。

いわゆる4Kテレビは「映像のきめ細かさ」にありますから、ぱっと見で感じられないようであれば、普通のテレビで間に合うことを意味しますので。

ただ、普通のテレビを見た後4Kテレビをご覧になって「画素の荒さが目立たないね」「綺麗に感じられる」という方であれば、それだけで手にする理由はできたといえるはずです。見比べて「綺麗」と感じられたのですから。


後はその感動の度合いに、どれだけの予算を割けるのか。つぎ込めるのか。に、かかってくるはずです。私としては「画質にこだわるような方なら、満足度はかなり高い機種」と考えていますけど、それも「自分で追い込む労力を惜しまない」人であればこそ、ですので。

テレビに備わっている初期値はあくまでも「メーカーの考える映像」でしかありません。ご自身の好みが異なるのであれば、手動調整をするしかないのです。それはどんなテレビにおいても同じことはいえるはず。

4Kテレビは「今までそういった部分に気づかされることがなかった」点を浮き彫りにさせられ、「もはやそれが前提である」というくらいの、意識の高さを持つ人こそが、真の価値を見いだせるクラスになっていると考えます。

どうしても、気に入る映像でなかった場合「こんなはずではなかった・・・」と、30万あまりも出して買ったお買い物に、納得がいかなくなってしまいますからね。それが、低評価となってしまう、一番の理由なのではないでしょうか。


補足として、本機にも「静音ファン搭載」とありますが、その騒音レベルはZ8と全く変わらない点が、賞賛に値するでしょう。LED数が3倍(推計ですが、Z8が7*13の91個、Z9Xが12*24の288個)もあるにもかかわらず、そしてCEVO 4Kというより消費電力の高そうなプロセッサを内蔵して、この発熱量にまとめているのですからお見事としかいえません。

正面から見て本体左側に各種基板が内蔵されているものと思われますが、そちらからほのかに暖かい風が、自然上昇してくる程度にまとめられています。光量が半分以下であれば、本体自体が熱を持つという印象すらありませんので、心配は不用でしょう。

消費電力は明るさが1/4程度で120W。このあたりが普段の使用量となるはずです。あざやかモードで最大の明るさが380W弱と、カタログ値に近いものになります。ですが常時明るいシーンばかりというわけではないでしょうし、あくまで「最大値はこのくらい」ととらえておけたらいいでしょう。最大光量は本当に、まぶしすぎて直視できませんよ(汗笑)。

問題は、「高い消費電力であるにもかかわらず、品のない映像」に陥ることが、一番納得いかないはずですから。綺麗に見えるのであれば、多少の代償があっても仕方はないことでしょう。いわば、スポーツカー的な存在、ですね。

そういった方々のために、高画質を引き出すための要所をまとめられている記事をあげておきますので、参考にしてください。私も「省電力モードはおすすめしません」という記事を見つけ、目から鱗だった思いです。これで、正しいセッティングへ一歩近づけるようになりました。感謝しています。

4Kテレビ正しく見てる? REGZA Z9Xで学ぶ4K体験のイロハ 基本編

最高画質を引き出す設定は? REGZA Z9Xで学ぶ4K体験のイロハ 応用編


本体自体も額縁が狭い「狭額縁」と呼ばれる仕様になっており、Z7で好評を得てから受け継いでいます。本機は4辺とも13mmで統一しており、見た目がすっきりしていていい感じです。いつもコラボレーションしているヤコブ・イェンセンさんが加われば、鬼に金棒そうな気もしますが('-'*)

ここまで読んでくると55Z8 vs 58Z9Xといった構図が浮かぶと思いますが、58Z9Xと55Z8の仕様表比較を載せておきますので、こちらを参考に。

ただ、先ほどの開発陣レビューの中にも「機能表の○×だけでは、もはや語れない」と本村さんは話されていますので、繰り返しお伝えしていますが「画質は、裏切らない」ということで、実機での確認をお勧めします。

それによって、このレグザのモデルがあうのか、あるいは他社さんのモデルがあうのか。わかるはずですからね。

使いこなしまで紹介すると本当に多岐にわたりますので、いくつかは後編に簡単にまとめたいと思います。さすがに前編でこれだけ長くなるとは思っていませんでしたので(@_@)


なお、つい先日から「レグザを使ってTポイントをためよう」なる企画が始まりましたけど、ここまで詳しい方、リテラシーの高いあなたなら「そんなことをする意味があるのか」、と訝しい気持ちになってしまう方もいらっしゃるはず。

ですが、そのあたりの事情をご存じない方も多いようですので取り上げておきます。


東芝 片岡氏が仕掛ける! REGZAでTポイントがたまる仕組み

最新4Kテレビ、Android TVで起きている「スマート化」を俯瞰する

『「色々な情報があれば、と思う部分はありますが、最初に我々側から『細かな操作データは、処理しきれないのでいただかない』と明言させていただきました。お客様との接点という意味で色々な活用は考えていきますが、それは操作データをいただいて行なう、というものではない」』

『「すべての情報を他社に渡すということは、ビジネス上もあり得ない。また、データを使うにしても、『弊社のエースエンジニアを解析にあたらせる価値がある』場合にしか使えません。ニーズがあってパートナーがなければ、ビジネスになりません」』(西田 宗千佳さんの記事より引用)


とのことらしいです。先日大型の問題も起こったりしていますが(汗笑)、ポリシーが明確ですので、個人情報保護の観点でも安心できるのではないでしょうか。

東芝さんはいわば、技術者集団ですからね。


最後に、58インチという大きさですが、すばらしいの一言です。横幅が1.3mもあると「壁が見えなくなり、目の前には映像だけが現れる」ようになります。

これが没入感をより高めることに貢献しており、65インチはさらに価格面でも上がってしまいますので、「がんばれば、手が届くモデルの中で一番よい機種なのでは」と思っています。大画面はやはり、楽しいですからね。感動の度合いが異なるのでした。

PSO2においてはマイキャラさんが、接近視点時、なんと「A3サイズの用紙並」の大きさにも達します。最近配信中の、セブンイレブンさんでのマルチコピー機における設定資料の用紙。あのA3版まるまる1枚に、マイキャラが映し出されるのです。これはもう、たまらないですよ('-'*)

その他の活用法として、電子書籍などをこの画面で見ると・・・大迫力ですね、はい。視力の悪い私でも、はっきり、くっきり見えるのが長所でしょうか。4K大画面の恩恵はこんなところにもあったのです。


50型オーバーが無理だったとしても、西川さんのレビューされている40J9Xなら「高画質PCモニター兼4K液晶テレビ」と考えても、破格の部類だと思います。画質を自由自在に調整できる強みは、まさにパソコンゲーム向けといえることでしょう。

少々書き足りていない点は、Amazon.co.jpさんにでもあげておいたレビューなり参考にしてみてください。あちらこちらで同じことばかり書き続けても、芸がないものなので( ̄▽ ̄;)

以上です。文才がなく長文ですみませんが、ご精読、ありがとうございました。

使いこなしの後編はこちらからどうぞ。

東芝 58V型地上・BS・110度CSデジタル 4K対応 LED液晶テレビ別売USB HDD録画対応 REGZA 58Z9X

東芝 55V型地上・BS・110度CSデジタル フルハイビジョンLED液晶テレビ(別売USB HDD録画機能搭載) REGZA 55Z8

東芝 40V型地上・BS・110度CSデジタル 4K対応 LED液晶テレビ別売USB HDD録画対応 REGZA 40J9X


『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/

液晶テレビ|REGZA:東芝
http://www.toshiba.co.jp/regza/

From : lavendy | 22:20

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コメント

テレビ放送に興味ないけど、
やっぱりモニターとして魅力的すぎる

デジカメで写真撮影有ればと思ってただけに有り難い

マイナーチェンジされる前に買いたいな

From : プラチナむきりょく | 2014年07月13日 21:30

プラチナさんへ

最近の若人さんは、テレビ視聴時間がかなり減ってしまったのだとか。

ええ、私もこれはテレビというよりはディスプレイ、モニターとしての使用がほとんどですね。たまにアニメをみますよ、といった感じで。

パソコンモニターはここまで調整できるものが稀ですし、何より4Kディスプレイは高嶺の花で、こうなってくるとテレビをPCモニター代わりに使う・・・のが合理的になってしまうのですよね。2つ設置しなくていいのもありますし。


こくこく。スマートフォンのカメラで簡単に撮影したものですが、いわば素人での撮影ですから、「まんま」なのですよね。別に綺麗に見せようとしてとったわけではなく、普通に。それでこのクオリティーですから、実機を目の当たりにしたら鳥肌ものでは。

TITANへ突撃し、感動を得られたプラチナさんなら、Z9Xは本当にいい、マストバイなアイテムとなるはずですよd('-'*)


次の機種がさらにコストダウンをはかるか、わからないですからねえ・・・。Z9Xは高級感もZ8よりあって、所有満足度は高いと思います。

From : らべ | 2014年07月14日 02:12

4Gamers.netにてなかなか興味深い記事が採り上げられてたので以下にURLを記しますね。

http://www.4gamer.net/games/022/G002210/20140707073/
(HDMI 1.4で4K/60Hz出力対応!? 「GeForce 340.43 Driver Beta」でサポートされた新機能を試す)

From : 水渚 翔樹 | 2014年07月15日 08:48

水渚 翔樹さんへ

こんにちわなのです('-')/

わお、新しい記事のようですね。わざわざご連絡を、ありがとうございます。

これは・・・。にはは。40J9Xのレビューが、ちょうどその西川善司さんだったりするのです。その補足の話題ですね、拝読する限りでは。

340.43ベータ版は、ベータ版なので今回取り上げてはいませんけど、おっしゃる色差信号の「YCbCr=4:2:0」で、4K60pを達成する、というものですよね。HDMI2.0の動作モードの中に、それはちゃんと含まれています。が、それをHDMI1.4aでやってしまおうというのが新たなチャレンジなのかなと。

私の環境下においては残念ながら、4K60pで動かそうとすると、緑の明滅状態になり、正常描画ができていないのでした・・・(30pは可能です)。ほかのタイトルでも同じような症状のため、ケーブルか、あるいはカードが対応していない可能性が高そうです。

GTX690はちょっと変わり種な存在で、DVI-Dが2基、DVI-Iが1基、そしてなぜかMini Display Portが1基、なのですよね(@_@) カードごとにコネクタが異なるので難儀します。フルサイズのHDMI1基は常設としていただきたいものですけどね。

また、暫定的に延長ケーブルにつないでいますので、それも原因なのかも。このあたりはしっかりとしたケーブル(たとえば MONSTER CABLE HDMIケーブル (2.4m) MC BPL UHD-8FT など)を購入したいものです。

本ケーブルなら将来出るかも知れない4K60pの36bit 4:4:4まで対応できますので(最大27Gbpsまで保証とのこと)。これほどの超高解像度の場合、トラブルを避けるためにいいケーブルを選んでおくことは重要だと思います。


普通、フルカラーと呼ばれる「完全な状態」は「4:4:4」といわれるモードになりますので、それを満たすためにはHDMIの出力コネクタ自体が2.0に対応していないとならない=帯域幅が足りていない、と。

年末~来年初頭にかけて、GeForceにおいてはGTX880系のMaxwell2.0が出るといわれています。来年にはGTX900系とされる?TITAN IIなるものも計画されているようで。これらのHDMIコネクタが2.0に対応してくれると、いうことないのですけどね。気になる部分なのでした。

(ただ、文中西川さんが記されているとおり、4K60pはとてもではありませんけど現状のGPU1基ではまかないきれるものではありませんので、SLI構成は必須でしょう。

あるいは、次世代とされるPascalで予定される 積層(三次元)メモリが実装されれば、帯域幅は一気に4倍程度にもなるということで、問題が解消されそうな気はしますが、さてはて・・・)

From : らべ | 2014年07月15日 12:21

> ~緑の明滅状態になり、正常描画ができていない

記事中に『(当面はシングルカード構成時に)』との記載があるので、
恐らくその辺が引っ掛かってるのではないかと思われます。
(690やTITAN ZはSLI構成扱いになってるのではないかと)

From : 水渚 翔樹 | 2014年07月16日 08:37

こんばんわなのです。ご指摘いただいて、いろいろ試しましたところ・・・なんとなんと。おっしゃるように映像が映るようになりました! SLIを切って、1GPU動作にしたら、です。本当にありがとうございました。

ただ、緑色の明滅が一瞬混じったりする部分まではさすがに改善していませんので、このあたりがいわゆる物理的な問題なのでしょうね。ドライバー改良で改善されるのか、あるいはケーブル交換か。

いずれにしましても、4Kで延長ケーブルと変換ケーブルの2つが混じるというのは精神衛生上よろしくありませんので(汗笑)、次のカード・・・がいつ出るのかはわかりませんけど、交換できる時期が来ましたら、その時にケーブルもあわせて換えたいなと思います。


・・・水渚さんは本当に冷静沈着という感じがします。羨ましいのです。

From : らべ | 2014年07月16日 21:48

コメントはご自由に



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