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2013年01月02日
Sympathyシステムに思うこと
大切なのはやはりバランス、なのでしょうか。
PSO2の音楽・・・BGMは独自のシステム「Sympathy(シンパシー:共鳴)」と名付けられており、初代のPSOにも採用されていた「シームレスミュージック」を実現する大切なものになっています。
当時では斬新的な内容だったこと、そしてゲームシステムの兼ね合いもあって印象に残る部分が多々あったのが幸せだったといえるかもしれません。ボスのテーマは一曲ものでしたけど、それらもちゃんと心に残る質のいいものが多く、虜になった方は数知れないことでしょう。
・・・が、今回のPSO2はゲームデザインがいろいろと異なっており、工夫はいろいろ凝らされていますけど結果的に「マッチしていない」と見なされるケースが多いのか、4Gamerさんの読者レビューなどでも、低評価が目立つ残念な結果に。
そして、何よりもそのシンパシーという名前で検索しても、私のサイトしか出てこないってどういう事態なのでしょう・・・と(@_@) そんなに印象に残らないものでしょうかと首をかしげるのでした。
ということで、本来SLIシステムデモ用に作ったこちらのムービー、先に取り上げておこうと思います。先日のアンチエイリアシングの話題に使ったものとは別のパラメーター(こちらは後日SLI向けの内容で後1度はまとめたいと思います)を与えているのですが、見栄え、そんなに変わらないでしょう。それでいてスクリーンショットはご覧のようにシャープなものとなります。「SLI AA」と呼ばれるテクノロジです。
っとと、ちがうちがう(@_@) こちらは音楽の話題ということで・・・そう、本ムービーは偶然にも私なりにとても印象に残った部分となったので、うまく切り出してみるのでした。
上にも取り上げた前回の話題で、問題点は「静と動が曖昧になりやすい(バトル)システム」のため、BGMが「急激戦闘曲」ばかり演奏され続けるような状態となり、急激>通常>急激・・・の繰り返しで、音楽の体をなしにくいというのが最大の問題点なのでしょう。
こればかりは皆さんの戦闘力・・・火力がものを言うわけで、「工夫次第」とはいうものの、なかなか難しいところなのかもしれません。ムービーは・・・如何でしょうか。音楽として聴けるものになっていると感じませんでしょうか。
遺跡エリアの一部を抜き出したものですけど、自分なりの見所は2:50以降あたり。バグなのでしょうけど、敵さんを倒しきっても戦闘曲が流れ続ける状態になってしまっています。けど、このフレーズ、結構長く続く部分でもあって・・・効果音が鳴っていない状況下、ちゃんと 聴ける 楽曲になっているのでは。
場所的にも坂を上って湖を見下ろし、山を遠くに見つめながら花畑を駆け抜ける。一つのまとまった場面として完成されてはいないかなって。これが私のいう 静と動 だと思うのです。Sympathyの状況としては 動 が続いてしまったのかもしれませんけど、敵さんと戦っていなければこのようなフレーズもじっくり聴けるわけで。
ムービーをきちんととらえていきますと、ちゃんと「戦うシーンも長く(90~120秒)」、「移動シーンもそこそこに」時間があることで、曲が成り立ってくるわけです。そのさじ加減がとりづらいのが難点なのでしょう。きっとパーティでは戦闘が30秒もしないで終わってしまうのでしょうし・・・。
戦闘部分でもSLIシステムで負荷をかけるだけなら半透明アンチエイリアシングのベンチマーク的なギ・グランツが効果範囲も大きいので、そちらを連発するのがいいでしょう。けど、せっかく音楽がいい雰囲気になってきていたものですから、威力の低いギ・ザンで音楽も楽しんでおこうとしたわけなのです。本当ならそれも放ちたくなかったのですけどね(鐘のフレーズがあまり来ないため)。
音楽部分にもピアノがかっこよく使われたり、アタック感のあるベース・・・低音ですね。結構音の情報量はあると思うのですが、なにぶん効果音。SEがひどく強い印象を受け、これでも音量はBGM100に対し、44なのですよね。半分以下にして、ようやくこのバランス。
しかも連撃で攻撃がヒットすると、どうにも重なって音がうるさく鳴りやすいのでもっと下げたいくらいです。が、これ以上下げるとジャストアタックの音などが聞こえないため、ぎりぎりのラインです。SEのバランスが気になるところでした。
後はいろんなフィールドに環境音、が用意されているわけですけど。これらがSEで台無しになっちゃっているんですよね。森林エリアならせせらぎの音や小鳥のさえずりがわずかながら聞こえたり、凍土エリアなら吹きすさぶ風の音。こちらの遺跡でもうなり声?のような低い音が入っていたりetcetc...結構音にもこだわりあるんだな、って遊んでいて感じるのです。
ですが、まあ・・・。その坂を駆け上がるシーンでも人によっては「これだけマラソンをさせて、敵がでないとかどうかしてるよ」>「敵が出てもアイテムドロップしない」>「効率化するしかない!」・・・でパターン作業化。これでは感動も何もあったものではないですよね。静と動ではなく、ずっと動で埋め尽くせ、となるわけです。
ゆえ、私は「一曲ものじゃないと、今の人にはマッチしないのかも」・・・と思うため、「シームレスと、一曲もののテーマを何かフィールドごとに1つずつは用意して、任意選択できるようにする」のもありじゃないでしょうか、と。せっかくこうした印象に残るフレーズだってあるわけですから、うまく活用しないともったいないのです。
それをすべて「機械任せ」にしてしまっているのが、難点なのでしょうね。ランダムマップとも相まっているところがありますから。それらが奇跡的に組み合わさることで、先ほど記したような2:50以降のようなシーンもできあがるのではないでしょうか、と・・・。
なんだか小林さんに対するファンメッセージの一つみたいな話題になってしまいましたけど、上のようなムービーをご覧いただければ、割とBGMもがんばっているんだな、というのが少しなりは感じられるのではないでしょうか。
ことあるごとにアンチエイリアシングの話題ばかり先行している本サイトですけど、実は音こそが感動を支える根底になっているという方、あまりいらっしゃらないようで残念です。
PS3などでもそうなのですが、いくら映像をハイビジョンテレビでいいものを用意したところで、そこでならされる音、をサラウンドシステムをちゃんと用意して視聴できる方とでは雲泥の差になっちゃうんですよね。
もちろんすべての環境で用意できる代物ではありませんので、難しい部分はあります。ただ、音もある程度ちゃんとした環境を用意すると、同じ過ごす時間の質が格段に変わる、ということだけは伝えたいかなと思います。
Sympathyは音楽祭という形で3月30日(土)に日比谷公会堂においてファンタシースターシリーズ25周年記念コンサート シンパシー2013として開演予定みたいですけど、そちらのチケットにミュージックディスク交換のコードをプレゼント、という施策もちょっぴり残念でした。遠方の方でいけないとなると、絶対手に入らないものになりますからね。
それ自体は否定しませんけど、何というか、商業的な部分が目につく発表となるだけに、唯一の良心であった音楽周りでこのような動きに出られるのは残念な思いでした。Vita版にも2曲だけ分散させたり、など。なぜこのようなことばかりするんだろうなあ・・・と感じざるを得ないのでした。後にCDなどを発売するときについてくると、うれしいのです。・・・あまりマイルームにもいなかったりしますが(汗笑)。
サウンドが冒険を印象づける要素を担っていることは疑いの余地がなく、ゲームを支える一面としてとらえ、ゲームデザイン・・・冒険の進行ペースなどを見直すことができれば、まだSympathyが進化できる余地もあるのではないでしょうか、と感じる一コマなのでした。
さすがに「一人旅でないと印象に残らないサウンドシステム」では、本末転倒ですしね。
P.S. ずっとピンチのじゃかじゃか音が鳴り続ける現象、改善してくださ~い!
【CEDEC 2012】バイノーラルによる3Dサウンド制作 ― 「楽しい音」を作るには
「ファンタシースター」シリーズ25周年記念コンサートのチケット一般販売が2月2日から開始
『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/
From : lavendy | 16:30
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コメント
ファルスアーム撃破率で音楽変わるみたいなんだけど80%しかまともにきいたことないんだよねえ勿体無い
From : くろーと | 2013年01月03日 08:05
らべさん、お久しぶりです。
そしてあけおめです。
これでBGMに対してSE44%ですか。
やろうやろうと思いながら、調整していなかった私には、良いヒントになりそうです。
参考にさせてもらいつつ、あとでちょっと触ってみますね。
お話は変わりますが…
>それをすべて「機械任せ」にしてしまっているのが、難点なのでしょうね。
確かに、今作にあって残念な要素の多くはここに集約される気がします。
シームレスミュージックに関しては、単体ではそこそこ評価しているのですが、そのほかにもマップ、Eイベントなどなど、機械化された要素が散見されるわけでして…。
これらもまた、単体ではべつに悪い事ではないと思ってます。
結局のところ、問題なのは全体を機械任せにしてしまっている印象を受けてしまうところでしょうか。
『あれやこれやをすべて機械任せにしたあげく、そうでない部分さえ、さして真面目に調整していない。』そんな評価を受けかねない実情があります。
足りないのは熱意か、時間か、予算か、おそらくすべて不十分なのでしょうが、
少なくとも、そろえた道具の使い方くらいは、もう少し改善できる余地がある気がしています。
なんて、ここで書くことでもなければ、具体的な案があるわけでもない戯言ですけどね(苦笑
From : 未瑞鳩 | 2013年01月03日 19:20
くろーとさんへ
ぉぉっ。そうなのですか(@_@) 80%越え・・・って、見たことないような。完全撃破などあるのでしょうか。
どちらにしてもシップ07は人少ないらしい?ので100%は夢のまた夢なのかも・・・です? でもほとんど開幕5分で80%に達しているのは気のせいなのでしょうか・・・('-')/
未瑞鳩さんへ
ご無沙汰しております。あけましておめでとうございます('-'*)
こくこく。明らかにBGMが小さすぎるのでは・・・と思うのですが、100%では声さえ聞こえにくくなってしまうのです。おそらくサラウンド効果が一番体感できるということで音量高めにしているのでしょうけど、かえって邪魔のような(汗笑)。未瑞鳩さんも音楽重視されていらっしゃるということでしたし、参考になれば幸いです。これで44%なのですよ、本当に・・・。
いつもキーになる言葉を引用していただいて恐縮です。そうですね、インタラプトイベントことエマージェンシートライアル、緊急クエスト、何につけてもランダム。そもそもPSOが印象に残ったのは「すべて地道な手作り」であったことが評価されていたと思うのですけどね。それが絶妙なゲームデザイン・バランスへとつながっていったわけで。
こちらでは制限開放系の試練もすべて運任せ。明らかにクリア不可能気味なマップ・敵数でも、最短系の直進マップに敵少なめで逆にSランク到達のための敵さんが出ずに往復したりetcetc...明らかにおかしなバランスのものも遭遇しますね。あまり無意味な制限時間の枷もネックのような気がします。彼らはタイムアタック好きみたいですからね。全く、今のコンテンツを反映しているかのようです。
それをすべて「仕様なので・・・」で片付ける運営さんには残念さは覚えました。最近のものでは双機銃でしたっけ。PAの一部の高さを調節してアクション性を損ねさせるなど、もってのほか。マップも一部組み合わせではクリアできないパターンがあるetcetc...苦しい言葉ですね。技術屋さんとして悔しくないのでしょうか、といいたいところですが・・・。
PSUを見てきた人からなら「まだまだ序の口でしょう・・・」と甘い評価になってしまうのかもしれませんが、おっしゃるとおり「手間暇惜しまず作り上げた作品は、必ず評価される部分がある」といいたいところですね。
すべて自動化を狙って無限の冒険、コンテンツ消費を避けるという考え方だったのでしょうけど、そのツケが公式ブログ、4Gamerにつらつらと書き連ねられるユーザーの生の声となっているのでしょう。今年はその部分にメスを入れられるのか、期待したいものです。
From : らべ | 2013年01月04日 19:23
最近はさっぱりPSO2をプレイしていませんがここだけはちらちら見に来る通りすがりです。
私はPSOの頃の音楽を今でも聴く事があります。オープニングやタイトル画面ですらプレイしていた当時も操作をとめて聞きたくなる様な曲で、「これから何か始まるんだ」といった高揚感がとても好きです。所がPSO2のOPやタイトル画面はあまり印象に残っていないんですよね。何度も聞きたいようなそういうのものを私は感じられない。
変わってフィールド曲ですがPSO2では殆どが戦闘曲ばかり聞いていたせいか逸り立てるような印象でそういった曲調に疲れを覚えていました。フレーズの変化は同じ曲でも取ってつけた様な部分がどうも私には耳についてしまいそこもネックでした。しかし、ベースやリズム隊を控えめにしたメロディラインをもうちょっとしっかり聞いてみたかった、個人的にはそういう印象もありました。
後はやはり、ランダム?に変化する事が曲として私は覚える事ができなかった。そういった理由もあり私の中でのPSO2のBGMの評価は低いです。
フレーズや曲調変化、それと戦闘から非戦闘曲への変化率等を自由にプレイヤー側で変更できれば多少は変わるんではないかと思っています。
とは言え、オンラインのゲームとしてはまだ始まって間もないわけで、これらの音楽や音に関する問題もまだ暫くは見守る期間なのかもしれないとも思っています。いずれにしても、しっかりと良い方向性に進んでもらうことを願うばかりです。
From : | 2013年01月11日 01:32
通りすがりさんへ
お世話になります。中身の詰まった読み応えのあるご意見、ありがとうございます。
そうですね、私も思うところはあります。PSOが全体的に印象に残っているのは、今作ほどフレーズの細かい変化が(ハードウェアスペックに縛られて)なかったため、その分じっくりと曲の流れを吟味できた部分はあると思います。
まとまったフレーズが数パターンあり、それらが迷うことなく組み合わされる、そしてフィールドもランダムすぎず、特徴のある場所というものが必ずどこかしらか存在していたため、より頭に焼き付くのですよね。EP1遺跡なら四方に分散するフロアであったり、滝の流れるところであったり。EP2でも宇宙船などは本当にいつまでも聴いていたい曲でした。
PSO2はきっとサウンド周りのメモリも贅沢に使えるようになり、とにかく細分化させまくっているかなというのが今のところの印象です。現在一人旅が多めなのであまりバースト時のテクノ系楽曲に変わることはないのですが、それでもいろんなパートに小分けされていて、ランダムについたり外れたりが繰り返されるので、印象に残りにくい感は確かに否めません。
それがPSUの頃からもいつもいっている「よかったものを分解させすぎて、再構築に失敗している」ケースだと思います。今回でいえばこのSympathyしかり、ドゥドゥさんのアイテムラボもいい例でしょう。とにかく水増ししたがるのか、細かくしすぎるんですよね。自分たちで遊んでいないでしょうから、その完成度も推し量れない。
きついことをいうと確かに、Sympathyは現状のゲームシステムにうまくかみ合っていないように思われます。私は逆に「かみ合うように自分の遊び方を変えている」というほどなので、ゆえ「一人旅でないと印象に残らないシステム」と称したわけです。ある程度遊べば、変え方をコントロールできるようになるのはPSOと変わりません。が、肝心な印象に残りやすいレアフレーズに遭遇する機会が滅多にない・・・これがいけないように感じますね。PSOはまだその部分でうまく調整できたものですけど・・・。
パーティー時はもはやPSUが物語っていますから(現状、PSO2ではなくてPSU2ですし(@_@))、ムービーのような展開に仕立て上げるのも難しいでしょう。
ゆえ、選択肢を設けるのもありなんじゃないかな、と。今の状態では音楽が完全に戦闘シーンに振り回されている、というよりも根本的に合わないんだと思います。PSUでさえ一曲もので評価を得るのがやっとでしたし、最近のプレイヤーさんはそれになじんでいるからこそ、余計にPSO2のサウンドは合わないというのはあるでしょうね。
PSUの反省をまるで生かせていない現状のPSO2。本当、まずはご自身たちで「作り上げたものを徹底的に遊び倒し、自己評価すること」から始めないと、今年いろいろと追い抜かれてしまうのでは・・・と感じてしまいます。がんばってほしいものですね。
From : らべ | 2013年01月11日 22:54