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2012年08月23日

シームレスミュージックを司る「Sympathy」の舞台裏

PSO2独創のBGMシステムの秘密が、今明らかに。


[CEDEC 2012]PSO2の「途切れないBGM」はこうやってできている。セガが語る「BGMのプロシージャル生成」

procedural・・手続き上の、手順を踏まえた、計算に順じた


すでに紹介されて日数がたっていますので、きっとお読みになった方もいると思います。PSO2のBGMについては以前に一度シームレスミュージック(BGM)の限界点 ~ 速すぎる移動速度として記しておきましたけど、今回そのシステムの概要が、現在開催中のゲーム開発者カンファレンス・CEDEC 2012の講演にて明かされました。

4Gamerさんのレビューのところには「耳に残らない」「印象的でない」という言葉がいくらか散見されるわけですが、なるほど、ある意味「有機/無機の違い」を生理的に感じ取っていた、というワケなのですね。納得なのです(ぽむ)。

いわゆるPSO系列の伝統である途切れないBGM「シームレスミュージック」。戦闘時と非戦闘時とがスムーズに入り交じることからこのように呼ばれていますけど、PSO2ではαテスト、α2テスト、クローズドβテストと回を重ねるごとに「音素を増やすこと」で段階的に楽曲の表現力が拡張され、現行のリリースバージョンは本当にすばらしい音楽を奏でてくれていると思います。その名も「Sympathy」(シンパシー)・・・共鳴、と名付けられたシステムです。


その舞台裏を紹介しているのが、同じく同誌の記事となる上の話題。気になる単語で「プロシージャル」というものが最近ちらほら聞こえてきていると思います。それとはいったいなんぞや?~?

・・・という方のために、いつも取り上げさせていただいている、おなじみ西川善司さんの解説がとてもわかりやすいです。3Dグラフィックス・マニアックスの第77回分にそれは記されていますので、興味がある方は読んでみるといいかもしれません。

人工知性でコンテンツを生成するプロシージャル技術(1)


従来は「用意した素材のみしか表示/再生できなかった」ものを、「算術合成により対象そのものを自動生成するようにしてしまおう」という壮大な試みです。いわゆるランダムフィールドもそのひとつといえるはず。とはいえ、あちらはパーツが少なすぎるわけですが・・・。もっと簡素化したものがシームレスウェザーといえるのかもしれません。

BGMにおいてはかなり細かい印象を受け、プレイヤーのHP状態や敵さんの数で主に分岐している感じですが、PSEバースト時にはテクノ調に楽曲が変化していったりなど、「遊ぶたびに異なる表情を見せてくれる」のは、ほかならぬ小林さんの奏でる音楽だといって過言ではないでしょう。

つまるところ、「同じフレーズに出会えるものと、そうでないものと、はっきり分かれる」部分があり、遊ぶたびにうまく変わるので聴き飽きないのですよね。この音楽、聴いてみたいと思ったら自分で工夫しないと出会えないことも。

そしておもしろいのが、私みたいにこうして絶賛する人もいれば「いやいや、全く耳に残らないよ。PSUやPSPo2がどれだけ印象に残るか」、とする人もいるわけです。成る程、一曲ものの良さをわかる人たちなのですね、と。


PSO2の音楽、DTMなりテクノ系の楽曲なり、いわゆるシンプルフレーズをいろいろ組み合わせて音楽を創ったり聴くことになれている人ならば、きっと心地よさを感じられるものとも思うのです。

プロシージャル生成により場面場面で音楽が変化するわけですが、その規則性は正直不透明。状況により様々に姿を変えるので、ある程度遊び倒していって「このフレーズはこんな時に演奏される」という「シーン」を自分で押さえていくことで、ある程度「演奏させる」ことも可能になります。

本サイトで紹介しているムービーにおいて、歩くスピードを微調整したり、オブジェクトを壊したりして時間を稼いだりしているのも、実はそのためだったりします。ある程度、印象に残るフレーズを組み立てられないかな、と、頭の中で思い描いて進めていたりします。

それは、小林さんからのメッセージを「共鳴(=シンパシー)」するように。プレイヤーに語りかけてきているわけです。これだけの要素をきちんとまとめて奏でてくれるのには脱帽します。現時点において、一番評価できる項目なのではないでしょうか。


ただ、非戦闘時と戦闘時とをつなぐ、記事中にある「急激戦闘曲」なるパーツ。これでわずか数小節でバトルモードへと引き戻すワケなのですが、確かに、これはPSOではかなわないことだったのですごい仕組みだなと思うのです。けど、

前の話題に記したその「難点」というのは、パーティー時で火力が有り余り、静と動が激しく繰り返されてしまうと、肝心なメインテーマの「サビ」の部分が演奏されることなく、急激戦闘曲ばかりOn/Offを繰り返す事態に陥ってしまい、

結果・・・αテスト時のクリアリザルトとして有名?な「ででっでっでっ、ででっでっでっ・・・」のルーピングみたいな状況になってしまわないのかな、と。私の指摘したポイントはこのあたりにあります。

そのため「耐久力を上げて同じ場所にいる時間を長くする」のが一つの解になるのでは、としたわけですが、ほとんどの方はおそらくこれが不評となるでしょうしね。早くボスさんにいって、レアアイテムほしいんだ~!という方とは、私はあいませんので(汗笑)。音楽も、このようなところで得手不得手が出てきてしまうのが、新たな課題点となるのかもしれませんね。


でも、何度も記しているようにそれはゲームデザインの問題。どのような戦闘を繰り広げるかをまだイメージできていないように感じられ、音楽が振り回される状況にある、と。私みたいにのんびり遊ぶ人なら問題ないのですが、パーティー時はこういったところがともなわなくなりやすいのが残念なものです。

ゆえ、一曲ものに慣れ親しんだ方にとっては「何がフレーズをなしているのか」「どこに楽曲の主題=テーマがあるのか」を把握することもかなわない状況になっていないかな、って。

このあたりは一人でのんびり遊び、BGMの音量を100にして初めてわかる内容なのでは、と感じます。音量自体SE系より控えめになっていて、ほとんど聞こえませんからね・・・。本サイトのムービーで 隠れた良さ を発見される方もおられるといいのですが。

細かい音素=パーツがいろんな組み合わせで重なり、聴いたことのない曲へと変わるときにこそ「おおっ」という新たな感動、発見ができると思います。なかなか、難しいですけどね。

「同じフレーズに出会えるかもわからない」というのがプロシージャルのおもしろいところ。サウンドトラックCD発売の際には、ぜひ主旋律=メインテーマを載せていただきたいものです。


表土のテーマもいいですね海外のゲームはどちらかというと環境音重視の傾向があり、国産ゲームのようなBGMを主題とするものは少ないみたいです。ですけど、逆に国産の強みとしてがんがん押していけばいいものとも思います。小林さんの楽曲はいろいろ聴いてきていますけど、PSO2の各フィールド、様々に趣向を凝らしているなって、いつも聴いて感じるところです。

海外展開も視野に入れているPSO2。ぜひ、この突き抜けた和製SFの表現を、そちらにも遺憾なく伝えられますように。・・・そのためにも、ガチャはうまく見直した方がいいとも思いますが。そのあたりは来月に期待、でしょうか。本話題が的を射た指摘をしていると思います。

[CEDEC 2012]“Too Japanese”だから受け入れられた「GRAVITY DAZE」の制作手法。プロデュースとシナリオから見る海外で評価される考え方


たまには「今日はどんな音楽を奏でてみようかな?」という視点を持って、冒険に臨んでみるのもいいのではないでしょうか。PSO2を遊んでいる人は、これは楽しんでおかないときっと損をすると思いますよ('-'*)

(おそらくほかのゲームにはない、オリジナリティーあふれる要素でしょうから・・・ね)


『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/

From : lavendy | 16:40

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コメント

こんにちは。

私がPSO2を遊ぶにあたって、正直全く意識してなかった分野が"音楽"です(笑)
普段はヘッドホン等も付けずに、また音量はほんの少し聞こえる程度にしてプレイしているのですが、制作者の方が音楽にこんなに拘っているのでしたら、今後は注意して聴こうかな~と思いますφ(* ̄0 ̄)ノ

悪魔の囁き「ヘッドホン買っちゃいなよ!!!」
私「インターホンが聞こえないんだよ!!!」

From : すぃすぃど | 2012年08月23日 17:43

私の場合、総体としてのPSO2の評価はそこそこ以上のものになっているのですが、
その端々で色々と“折り合いをつけている”節があります。

性格的に、極端すぎないマイナス要素は、ある種のスパイスのように
受け取っていることもあり、だからこそ自然とそういうスタンスになっているわけですが…。


そんな中で、この音楽かかわる話題だけは、本当に素直に高い評価をしています。
たまたまPTを組んだ方々の中に、BGM音量は0にして、自前で好きな曲をかけているという方を何度か見かけました。
そのたびに、一度はPSO2に“耳まで浸かって”みてほしいと訴えています。
もっとも、これまた性格的に、あまり強くは言えないのですが。

PSOの森をフィーチャーしたナベリウス・森林
PSO2のテーマが見え隠れするアムドゥスキア・浮遊大陸
個人的にはこの2本が好みです。
こればかりが理由でもありませんが、ソロプレイで通う頻度も高めだったりします。


ご指摘の通り、PTで戦闘をしていると、
ちょっと残念な曲が出来上がってしまっている側面はありますね。
私個人としては、PTプレイ=アイテムや経験値収集をメインにした“作業的なシーン”、
あるいはチャットを楽しむための“肴”なので、いずれにしても曲を聴きこむだけのゆとりはなく、
だからこそこの音楽システムのマイナス面は“折り合いをつけるまでもない”わけですが。


…ちょっとまとまりがなくなってしまいました(汗;
要点はと問われれば、PSO2の音楽は素晴らしい、ということに尽きます。
こと、ボールド体部分は声を大にして主張したいところです(苦笑

From : 未瑞鳩 | 2012年08月24日 20:50

あうう・・・(@_@)
コメント載せておいたはずですのに、公開のボタンを押していませんでした、申し訳ございません。日付はゆえに今日のものにしておきます。


すぃすぃどさんへ

あはは。小林さんの音楽はPSOから聴いているのですが、どのタイトルにも神曲といわれるような印象に残る楽曲をいくつも創り出しており、ファンが増えるのも納得なのです。

今作は自動生成の部分が人によってはあわないところもあるみたいですけど、なかなか にやり とさせられる部分もありますので、お時間にゆとりがあればじっくり聴いてみるなり、冒険の仕方を変えてレアなフレーズを探し出してみたりなど、楽しみもきっとあると思います。

ヘッドホンは同感です(汗笑)。インターホンが聞こえない・・・! でも、私の場合はいわゆるお仕事柄ヘッドセットを常に着用しているものなので、おうちではあまりつけたいとは思わないのでございます(@_@) ヘッドホン・・・いいですよね。


未瑞鳩さんへ

そうですね。一度でもいいからじっくり味わってほしいなというのはあります。ただ、一曲ものからこの変更はある意味挑戦ともとれますので、どれだけワンパターンな展開にならないような冒険ができるか、にかかっているかもしれません。

解説の中にもある ヒーロー度 ・・・これがいわゆるテンションゲージみたいなものになっており、先日載せたスノウバンシーさんのところでは一時だけPSEバースト時のアップテンポに変わっていましたからね。攻撃の姿勢でも変化するのね・・・と感服したしだいです。

実はこのページ、PSO Worldにも参照されていたりするのですよ。にはは。世界に響く SYMPATHY システム、なのでした。

SEGA implements SYMPATHY - dynamic music - 08-21-2012, 08:23 PM

From : らべ | 2012年09月17日 23:42

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