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2013年02月17日

美人ライト=光源の活用 ~ 綺麗に撮影するために

よくいわれる「エステ詐欺」を、できるだけ違和感のないようにするための考察です。


キャラとしてはこのシチュエーションが似合うのかも(外部再生はこちら)

痛い言葉で「究極のキャラクタークリエイト詐欺」などといわれることになった実際のPSO2のフィールド(汗笑)。最初にユーザーが触れるキャラクタークリエイトでは理想とされる絵柄で表示はされるものの、肝心な冒険時は簡略化されたライティング・・・光の当て方となり、不名誉な揶揄の対象となっているのが現状です。

アンチエイリアシングのお題はだいぶまとまりましたので(後はクライアントの問題か、パラメーターくらいでしょうし)、ぱそ子さん関連・・・設定のお題は後2、3回でまとめてしまいたいなと思います。

冒頭にあげた「美人ライト」とはなんぞや?・・・と思われた方には、下記話題がいいのかもしれません。結論を言えば同社タイトル「Virtua Fighter 5」や昨年PS Vitaで発売された「GRAVITY DAZE」で用いられた「キャラをより美しく見せるための手法」のことになります。

詳しい内容はこちらに記されていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。ためになることがいろいろ記されているのです。

3Dゲームファンのための「バーチャファイター5」グラフィックス講座 PCベースのアーケードシステムで実現される至極のリアルタイム3Dグラフィックスの秘密

西川善司の3Dゲームファンのための「GRAVITY DAZE」グラフィックス講座(後編)


両者においていえることは、「キャラクターを立派な俳優さんに見せるべく、レフ板をキャラクタの周りについて回らせるようにしている」こと。光の当て方では逆光状態などになったとき、キャラクタが暗くつぶれてしまう原因となりますが、光源を追加することで回避を狙うわけです。


『でも、女性キャラ限定で特別な処理系が入っていますよ。女性キャラには見えないレフ版がついて回っているんですよ(笑)』・・・VF5 牧野氏より

女性キャラは、陰影が際立ったり、セルフシャドウが強く出たりすると美人度が下がってしまう(?)ため、見えないレフ版(光源)を設定することで、顔の陰影が出にくくさせ、ライティングで調整しているのだという。逆に男性は陰影が濃く出た方がかっこよく見えるため、そうした工夫は特に行なっていないという。VF5においても、女性キャラクタは「女優扱い」であり、システムレベルでライティングには気を使っているのだ。


『このままだとただのトゥーンシェーダーですが、我々が目指したのはフレンチコミックのバンデシネスタイルです。バンデシネでは、色の塗り分け方こそトゥーンシェーダー的ですが、ボリューム感、絵画的なタッチ感、ディテール感が乗るんです。なので、これを再現するために各キャラクターに対し、特別なライトを追加で焚いています。我々はこれを「女優ライト」と呼んでいました(笑)。

女優ライトはカメラ(視点)方向から当てられています。平行光源のライティングのみだと光源の反対側が常に陰色になります。陰色の部分(3段階の一番暗い部分)はテクスチャ色との乗算ではなくアーティストが指定した色そのものが直接出るようになっており、光源の反対側からキャラクターを見た場合にはこの陰色でつぶれた状態、ディテールがなくなった状態になります。そのため、キャラクターにはカメラ方向から追加の光源(女優ライト)をあてるようにしています。陰色に青っぽい色を直接入れるということもこのキャラシェーディングの特徴1つです。』・・・DAZE 山口氏より


要所を引用しましたが、言うなれば「キャラクリ時は特別なライティング状態になっている=レフ板をおいているような条件下にある」ものと考えられるのに対し、フィールドでは負荷を抑えるため、それを簡略化、あるいはなくしてしまっているのかも。

地下坑道でのサンプル その1地下坑道でのサンプル その2

皆さんが口にされる「キャラクリ時とフィールドの差が大きすぎる」原因は、ここにあるものと思われます。

そのサンプルを、六芒均衡一のわがまま娘?であるクラリスクレイスさんにお越しいただき、さくっと鑑賞してみましょうか。

(今更ながらですが、このJW Player 6はHTML5にも対応していますので、Flash Playerに対応していないデバイス・・・一例でモバイル版Google Chromeで再生できました。Vitaでも見られるかは不明ですが・・・買ってみないとわからないかなあ、なのです)

光一つで印象がだいぶ変わります(外部再生はこちら)

最初のものは地下坑道でとらえたときのもの。音楽、シチュエーションともにこちらが様になっているような気もしますが(汗笑)、光の関係で暗めに出ていますよね。一応、それなりに質感を伴ってもいますけど。

そちらに対し、2本目の浮遊大陸のものは太陽光がはっきりと当たっており、髪の付近は光が当たってふわっとあふれ出す様・・・ブルームも確認できます。フィールドの光源が一番見栄えに影響するため、はっきり見せたいのならこちらを選ばれるのでは。

浮遊大陸でのサンプル その1浮遊大陸でのサンプル その2

主にキャラクタが美麗に見えるフィールドは、最初の森林とこちらの浮遊大陸、次点で遺跡の陽光時あたり、でしょうか。パラレルエリアはいったことがなくよくわかりませんが、遺跡の暗闇時なども色つきのライティングで独特の見栄えになりますよね。

違和感を感じる大体は 髪の色 があまりにものっぺりとしすぎてしまう点に集約されるのでしょうけど・・・(ゆえにエステパスを何度も適用できるようにして、というわけですよね)。

クラリスさんの写真を4つ、まずは取り上げてみますが・・・地下坑道ではややおとなしめの印象、浮遊大陸ではかなりの赤毛であることがうかがえます。情報量が光源によってだいぶ異なるわけですね。

火山洞窟の影に当たるケース火山洞窟にて光が当たるケース

そちらに対し、火山洞窟の暗いところでサラさんを撮影してみた際は・・・このような感じで。髪色と相まって、どうしても暗めの色味しか出せません。もちろん、溶岩の照り返しのポイントまで連れて行けば、やや灰色がかった黒髪を見せてくださいますけど。いわば暗色系のカラーパレットを、忠実に引き出せないのですよね。

私も色は・・・栗色を狙って設定はしてありますが、残念ながら明るいところ以外ではかなり沈んでしまいます。こちらの3点などが物語るわけで、かといってマールーさんたちのようなNPCさんに合わせちゃいますと・・・。

明るい場所ではかえってプラスティッキーとでもいうのでしょうか、人工的な色、と感じられてしまってあまり好きになれないのですよね。・・・NPCさんほぼ全員がそうなので、なじまないところはありますけど。公式サイトのキャラさんたちはみんなそんな印象なので、ちょっぴり残念なのでした。

クロ区塗りつぶされ・・・当たるとわずかに色がつき工夫すれば、何とか

とはいえ、PSO2はお顔のクリエイトなどほとんどの方が幼顔を避けて作られるでしょうから、本来ならどんなカラーを選んでも、忠実に再現できるようなシェーダーにはしてほしいものなのですけどね。それがいつも記している「シェーダーの高品質設定は作る予定ないのでしょうか」、なのです。

・・・Combinedモード紹介の際にも記しているのが「影品質は3で十分」のくだり。4/5は確かに落ちる陰影はリアルになるものの、キャラクタの見栄えは変えないのですよね。それで、周りが暗いのにキャラクターには何のフォローもせずに一律落としてしまうものですから、それが強い違和感につながってしまっているような。

ゆえ、3にしておくと明るいライティングのままで処理してくれますので、「見栄えを優先」するなら、影品質は3でいいんじゃないかな、って。それがよりCombinedの良さを引き立たせてもいますし。もちろん5でできるに越したことはないのですけどね。


再掲出ですそれましたけど、タイトルの意味は「キャラさんを美しく見せるには、いろんな場所での撮影を試してみましょう」、と伝えたかっただけです。現状のPSO2では残念ながら追加のライティングなどはシェーダーが変わらない以上期待できそうにありませんので、それならばご自身で「見栄えのする場所で撮影しましょう」。

DAZEの紹介で2ページ目に「影の中でも映えるキャラクター達」とありますけど、PSO2に足りないのはこの部分なのかな・・・と感じます。それが「とってつけたような影」と、私が称する理由です(4/5の時ですね)。ないよりはあった方がリアリティーは出るものの、何かが違う・・・と。

ほか、PSO2側のセッティングでその際重視しておきたいのが「地形光源」のOn/Off。主にシティーで顕著になりやすいのですが、ショップ前、テレポーター前といった蛍光色がよく使われているところ、そのあたりでOn/Offの差異が実感できると思います。最後にオプション設定はあと1度はまとめようとは思いますけど、ご自身でOn/Off切り換えてみたらよくわかるはずです。


良い光を求めてDAZEの総括としては「個人的には、PS Vitaの最初期作品でありながら、PS Vitaの常識的限界を超えるようなテクニックを駆使して作り込まれている点に感動する。ハードウェアの限界をソフトウェアテクニックで超えるのは昔からゲームプログラミングの醍醐味であるわけだが、その意味では「GRAVITY DAZE」はPS Vita最初期タイトルにして、早くも究極のPS Vitaタイトルの称号を獲得してしまった感がある。」とまとめられていますけど、

もちろんゲームのおもしろさがグラフィックス一つで決まるわけもありません。実際、PSO2を楽しんでいらっしゃる方の大半はアイテムであったり、お友達さんであったり、アクション面であったり・・・他の部分がきっと多いことでしょう。

ただ、その中でもアクション面の仕様で一部プレイヤー側から見たら「理由にもならない理不尽な理由」で元ある姿からモーションを修正されてしまったり、初期でリタイアされた方の中に「バグとおぼしき状況に遭遇したのに『ランダムゆえクリアできないこともあります』と公式から回答があり、やる気が失せた」とおっしゃる方も。前回も記した『技術力』につながるわけです。


この光を、外にも・・・PSUの頃もあたり判定の問題や一部グラフィックスエフェクトの重たい部分など、改善できないまま終わってしまった部分が多々ありました。PSO2はそのあたり、割と作り直してある部分も感じられますので・・・ぜひ、ゆとりができた際はこのあたりにも抜本的にメスを入れ、誰が遊んでも大半が納得いくようなゲームに仕立て上げてほしいなと願っています。

興味深い点として、4Gamerさんでのプレイヤーレビューで、グラフィックスは大半が納得できるレベルにある、と答えられている点。海外タイトルなどのDirectX10以降対応のゲームと比べたら少々酷な部分は残るものの、普通のユーザーとしてはこのくらいあればとりあえず満足できるラインのベンチマーク的なタイトルになっているのでしょう。私としても、おおよそは納得いく範囲だと思っていますので。

まだ1年以上は経過していませんし、オンラインゲームという性質上「継続的進化」もあり得るわけです。今後に期待したいものです('-'*)


光源はマイルームのチケットでも変わりますし、天候変化、影の交差、品質(1~5(主には1/3/5でしょうか))でも見栄えは大きく変わりますので、ぜひいろんなシチュエーションで遊び倒し、ご自身を引き立たせられる光を探せるといいですね。

一番の要望は・・・何度も出してはいるのですが、キャラクリ時に大乱闘スマッシュブラザーズのフィギュア鑑賞シーンのような「ライティングテスト」を用意してくださることでしょうか。それがあるだけで全然変わるのですけどね。

DFさんの逆光ですDFさんの順光です火山洞窟もこんな感じで

『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/


(2/18 14:10 追記分)

遺跡の暗闇の光源にて(外部再生はこちら)

130217_f.jpg130217_f.jpgもう一つ、こちらはCombined版の様子をつけておきます。影品質は3ですが・・・ご覧のようなシチュエーションでは設定も何もほとんど関係がないのでした。この紫色の光源、好きなのですよね。にはは。

影品質が3ならキャラクターが背景やオブジェクトなどで暗くなるといったこともありませんので、明るく、綺麗に撮影したい方は4や5より3でとらえるといいと思います。

From : lavendy | 13:20

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