好きになるということ

昨日ベルンさんからいただいたメールを読みながら、少し考えてみました。


人を好きになる=負けたことを意味する、とはよく言われていますが詰まるところ、その人に惹かれるものがあるから人間らしい感情が芽生えるんじゃないかなって。ほかの動物にはこういった感情が湧くものなのかは知る由もありませんが、少なくとも人の場合、単に好きになる、ってことはないと思うんですね(あるのかもしれないですが)。何かしらの長所があったり、目に見えない部分で気づくものがあったり、対象に特別なものがある、というのを認識するからではないかなって。そこには必然的にプロセスがあると思います。


よくきかれる できちゃった○○ などはそのプロセスが非常に短く、お互いのことを本当に分かり合えていないから不一致が起こりやすいのかなあと感じたりしますが、どちらにしても「まずは一緒になってみて、それから考えよう」というスタイルもありかな、と。


うまくいかなくなってしまったときというのはどのようにしたらいいのでしょう。



些細なすれ違いであったり、大げんかであったり、要因は色々あるにせよ、どちらかが、あるいはお互いに、相手のことを思いやれなくなっているのが一つあると思うのですね。うまくいっているときというのは、自分がこうしたい、ああしたいというのを上手に相手へと伝えられているからじゃないかな。それが、自分のエゴであったり、相手の態度に何かしら抵抗心を持ったり。相手を次第に信じられなくなるからスムーズにいくものもいかなくなってしまう。そこからネガティブスパイラルが生じてしまうように感じられます。


なぜうまくいかなくなるのかを見つめ直してみる時間、というのは必要なのでしょうね。悲観に暮れるのは仕方ないことですが、それは同時に相手にもう一度アプローチできるチャンスだと、私は思います。どうしてこんなことになってしまったのか? 自分に落ち度はなかったか? 相手がどのようなときに私はそぐわないことをしてしまったのか。一つ一つ、取りこぼしたことを、冷静に見通すことができるのなら。自ずと次の一手も見えてくるはずです。ああ、わたしはこういう部分がだめだったんだな、と。


「先に怒った方が負けだよ」


こんな言葉がありますが、うまくいかない時って、だいたいそれに起因していると思います。素直に自分の思っていることを、相手に伝えられない。それは、相手のことが好きで、相手を尊重したいから。自分を呈して、相手をたてようとするから。逆にそれが、相手に伝わっていないように感じられるのですね。本当にお相手のことを大切に思うのなら、自分の主張はしっかりと、ハッキリとすべきなのではないかなと思います。お相手が自分のことを本当に想ってくれる人であるのならば、うまくいかないことは些細な通過点にしか過ぎないから。「は~ん、こういうこともあるんだねぇ」くらいの大らかな気持ちで構えていれば、好転したとき、というものを見逃さないようになっていると思います。冷静さを取り戻せているから、ね。


女の子の場合は、細やかさが先立ってしまうから、男の子のその大ざっぱさに気づけないことがしばしば。逆もまたしかりで、男の子が女の子の細やかさなど見えることはごくまれでしょう。お互いにまずはぶつかって、そして「気まずいことをしたなあ」という心が芽生えるのであれば、自ずとまた元通りになるものと信じています。


そうでないと、、、悲しいじゃないですか。



人間の心、ってそんなに簡単に曲がるものではないと私は感じていますから。どんなに挫折しようと、どんなにすれ違いが続こうと、相手のことを嫌いになれないのならば。そして相手もまたあなたのことを気遣えるのなら。必ずそこに引力が生じると思います。うまくいかない時だからこそ、冷静になることが一番必要なのかもしれないです。


「時が解決する」という言葉も使い古されていますが、あまりに症状がひどいと鬱病などにかかってしまうかもしれません。それは終わりのない暗いトンネルを、ずっと歩き続けるようなもの。きっかけがないと脱出は難しいといわれています。実際患者さんからいろいろお話伺えましたし。最悪の場合は精神科などに行って、処方してもらうことが必要になるでしょう。そうなる前に、相手とふれあえる環境にあるのなら。自分はどうしたいのか? をまずは考えてみるといいのかもしれませんね。


人の心はそこまで弱くはないですし、でも強くもないのです。支え合ってこその心かなって。それだけは、どんなときでも忘れないようにしたいものですね。お相手を信頼するということは、同時に自分をも信頼するということ。自分に自信が持てれば、自ずと相手に与える印象もよいものとなることでしょう。



「お客様は自分の鏡」


と、営業の先輩さんからきいたことがあります。とても印象に残る言葉でしたが、まさにそうなんじゃないかなあって。自分が怪訝そうな顔をしていたら、お相手もそういう顔になってしまう。逆に、自分が本当に心の底から笑顔を出せるのであれば、相手も自然と笑顔になる。それこそが、人を好きになる本当の意味なんじゃないかなって。


だから、今うまくいっていないと悲観することはありませんよ。信じて、信じ続けて。そして相手がその気あるのなら。必ずまた、巡り会えるはずです。これでうまくいかないのならしょうがないです。うまくいかなかった、ということで新たな道を歩まれるのもいいかもしれないです。それまでに、自分を少しでもよりよいものにしよう、という心だけは、大切に持ち続けましょうね。



相手を、人を思いやる最低限の礼儀はこういうことなのかなぁ?
と、私は考えています。人の心ほど、難しいものはないですよね、ほんとに。


2006年9月28日 11:06 | 投稿者:Lavendy

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