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2010年12月03日

NiBiTor 6.0でGTX 580の電圧/クロック/ファン回転数をコントロール(BIOS書き換え)

GeForce GTX 580をBIOSから設定したいあなたへ。NiBiTorの使い方です。
(話題自体はFermiを搭載したGPUカード(GTX 400番台以降)に対応します)


この紆余曲折でよくたどり着かれるコンテンツが「ビデオカードのBIOS書き換え」。

内容自体がそれなりに高度なコトと、行うとビデオカードのメーカー保証が一切受けられなくなってしまう点、また失敗して画面が現れなくなっても自己責任というリスキーさが、行い手を限らせてしまう趣味の中の趣味の領域だと感じます。

しかし得られる効果はかなり大きく、自分好みのビデオカードを作成できるのがメリット。いわゆるハイリスク・ハイリターンという言葉があるわけですが、その文字通りとなります。今までに記した話題をとりあえず列挙しておきますと・・・


2009年9月11日 掲出分
RADEON HD 4870 BIOS書き換えについて(低電圧動作)

2010年6月14日 掲出分
GeForce GTX 285を低電圧駆動化・ファン回転数を調整する方法(BIOS書き換え)

2010年7月20日 掲出分
GTX 470/480 の低電圧/クロック化、ファンコントロールについて(BIOS書き換え)

2010年9月27日 掲出分
GTX 480 の電圧/クロック/ファンコントロールについて(低電圧駆動・BIOS書き換え)


・・・こんな感じで。元々はRADEON HD 4870/4850あたりから発熱量や騒音が増加傾向にあり、クロック周波数も向上していたことから、CPUだけはインテリジェントにクロック・電圧制御をしているのに、なぜビデオカードはできていないのだろう?と思う次第で。

厳密には「できてはいるけど、すべてマージンが大きいままでPowerPlayなりクロックゲーティングが行われるから、無駄が大きい」という解釈になるのだと思います。4870なんてアイドル時ですらメモリクロックがフルスピードですからね@@

もちろん「クロック 固定」などの語句でたどり着かれる方もおられますから、目指す方向は人それぞれ。限界までカリカリにチューンするようなスポーツカータイプに仕立てたい人もいれば、私みたいにハイブリッド車のように低燃費を目指す人もいるわけです。


CPUの場合はそれをマザーボードという仲介役が柔軟にコントロールしてくれるわけですが、ビデオカードだけは独自にBIOSを持っており、すべてはその値から制御するようになっています。すなわち、ユーザーの手で操れる部分が直接的にはない、、、というわけですね。

このあたりが、ビデオカードのチューニング・・・BIOS書き換えを難しくしている要因となります。


私はその敷居を下げられないかな、と思い立ってこのような記事を何度か記してきていますが、基本は自己責任が持てる人のみ実践してください、という話題です。ほかのサイトにはないような書き方をしている・・・と思いますが、どなたでも読んで理解してもらえるようにするため。

本来は危険な行為そのものであることをご理解いただけるよう、お願いしますね。それでは、お待ちかね? 先月9日に発表されたビデオカード、NVIDIA社のGeForce GTX 580に関するBIOS書き換えの情報です。もちろん、お話自体はFermi世代のGPUすべてに渡るものです。


∮ ∮ ∮


いかがでしょうおさらいとなりますが、ビデオカードのBIOS部分を書き換えるとどんなことができるようになるのか。それはよく調べられている「オーバークロック」をカードレベルで行えるため、毎回起動時にクロックをユーティリティーなどでセットする必要がないこと。各メーカーのオーバークロックカードはこの部分を調整しているわけです。

また、ファン回転数をコントロールすることにより、静かなビデオカードを作ることができますし、高度な部分としては各々のクロックに対し電圧を上げたり下げたりすることで、より柔軟なクロックアップやダウンボルテージを行うことができる・・・etcetc。NVIDIA社/各メーカーのリファレンスを自らの手で操れるようになる、あたりがポイントです。こちらのようなスクリーンショットのカードはおそらく存在しないでしょう・・・。


そして今までの話題はそれらをだいたい網羅してきたとは思いますが、今回のGTX 580については・・・結論から言いますと、記載時点の2010年12月3日で、まだ公に公開されているBIOS部分を書き換えるソフトは出ていません。ですので、今回取り上げるのは「近いうちにこのソフトが公開された際は、以下の手順で書き換えが行えますよ」というものです。

ビデオカードをBIOSレベルから書き換えるために必要なことは、以下の通り。


・ビデオカードからBIOSを抽出する(GPU-Z)
・抽出したBIOSを編集する(NiBiTor)
・編集したBIOSをビデオカードに書き込む(NVFlash (for Windows がないもの))


この3ステップからなります。そして、各々に対応するソフトは末尾の括弧内にあるものとなります。ダウンロード・・・はご自身でできるレベルだと思いますので@@ お手数ですが上記リンクから取り寄せてくださいね。ダウンロードの仕方については割愛します。


GPU-ZにてBIOSを抽出する際の注意点を一つ。TechpowerupさんのGPU-Zにおいて、、GTX 580の公開にあわせて最新版となる0.4.8が公開されたのですが、文章を読めばわかりますけど

•Known issue: BIOS reading on GTX 580 does not save the whole BIOS, check the GPU-Z test builds forum」

とあるように、BIOSを正しく読めないという致命的なバグがありまして。どうやら580のBIOS部分は同じFermi GF100となる480/470/465ともまた異なるものとなってしまっています。サイズが20KB程度拡張されているのですよね。きっと、一番いわれている「リミッターによる動的な消費電力の制御」のためにあてがわれているものと思います。

そのため、上記問題を解消したバージョンがこちらにて公開されていますので、GTX 580をチューンされる方はこのGPU-Zにて吸い出しましょう。くれぐれもお間違いのないようご注意ください。0.4.9以降では解消されるものと思われます。

BIOS抽出にはGPU-Zを使いますが、現行のVer 0.4.9ではBIOS抽出時の上記バグが解消されましたので、手順書通りに進めていただければ問題ありません(•Fixed BIOS >64k reading on GF110)。

ちなみに、リミッター周りについてのお話は騎神館ブログさんのこちらの話題が詳しいですので、興味のある方はご一読を。以上が最初のステップとなるBIOS抽出です。吸い出し方自体は次の項目のお手製ファイルを参照ください。

中国) Nvidia GTX 580のパワーリミッター解除によるGPU温度チェック - 騎神館ブログ


☆☆

そして、編集するソフト・・・MVKTechさんが12月1日に公開されたNiBiTorと呼ばれるソフトになります。ニビター・・・と読むのでしょうか。さておき、最新バージョンが現在5.9となるのですが、残念ながらこちらではまだ非対応となります。

以前書いた285の時の話題に「開発元にChip In($1)することで、その申請したメールアドレス宛に最新版のNiBiTorが送られてくる」と記したわけですが、今回はその支援部分がオレンジ色から青色へと変わっており、Paypalにて送ってみましたところ、最新版の6.0が届けられました。

今までのリリース間隔から行くと来年1月ないし2月の頭あたりに提供されると思いますので、それまで待つか、あるいはDonate(寄付)をする=Chip Inして入手するかのいずれかになります。

ですので、今回用意する編集画面は、いずれ公開される6.0でのスクリーンショットとなっていますのであらかじめご了承ください。ちなみに、本話題は580向けとはなっていますが、480/470/465においても、新たに備えたファンコントロール機能を使うことができるので、参考になると思います。つまり内容は5.9でも変わらないということです。

ちなみにアップデート内容を拝見すると6.0ではGTX 580のほかに570/460M/240M/GT 140への対応も果たしているみたいです。

では、肝心なBIOSの編集方法について以下に記しますね。スクリーンショットをたどるだけで問題ありませんよ('-'*)


らべお手製 NiBiTor 6.0でのBIOS調整(Fermi/ファンコントロール対応版)


今までの話題でも記載してきていますから、詳しいことは以前までを見ていただければと思いますけど、GTX 580は基本的に480の改良版と考えればいいかと。ゆえ、だいたいの皆さんが試されたいのはより高みを望むオーバークロック。

今回はリミッターがBIOS上だけでなく基板部分にも仕掛けられており、1.15V以上に設定できないという罠が施されています。しかしながら実際はこのリミット部分を引き上げれば、そのまま動いてしまいます。

ただし、その際は消費電力が300Wオーバーに至る可能性もあるため、十分な注意が必要です。つまりフル稼働しやすいアーキテクチャがFermiであり、どん欲に性能を求めると相応に電力を食ってしまう・・・。そのあたり、騎神館さんの話題をさらっと読んでいただければ、ということです。

現状リミッターの仕様はドライバ制御での対応のようですので、制約に引っかかることはあまりないかと思います。BIOS部分で上限さえあげておけば、あらゆるオーバークロックツールで上限値(1.213V)まで対応可能と思われます。


個人的には「購入初期のアイドル時電圧」となる0.963Vで、コアクロック840MHz/メモリクロック4100MHz程度のクロックアップが確認できましたけど、正直それを常用する気にはなれないものなので・・・。テストだけ確認して元に戻しました。性能はクロック分上がる印象で、1割増し、つまるところ、そちらまであげて480の2割増しといった印象でした。

しかしながら、確実にチップ自体はよくなっており、新冷却装置(クーラー)となるVapor Chamber(ベイパーチェンバー)テクノロジはかなりいいものとなっています。よくRADEONのカードメーカーとなるSapphireさんがオリジナルファンに採用するものですね。詳しいことはこちらを読んでいただければわかると思いますが、冷却液が熱源(ヒートソース)で蒸発し、水蒸気として熱せられていない面(低温側)に移動すると「熱交換作用」によって凝縮し、液体に戻って再び熱せられた面に戻る・・・。これを循環させるわけです。

技術面はさておいて、同機構を使用すると・・・クロックや電圧が同条件ではファン回転数がさらに700rpm程度下がる印象で、かつ放熱速度がすばらしいです。3分もしないうちに温度が下がりきっちゃいます。それでいて耳障りな音はほとんどないため、環境面では大幅に快適になっています。これはGTX 480にも採用するべきだったのでは・・・。


私の参考例はそれを生かすために、ファン回転数をリファレンスの最低値は40%なところを30%まで下げてみました。さすがに30%で動くことは稀ですが、自動回転でも35%程度には下がり、ほぼ無音のレベルとなります。

クロックは定格のままにしてあり、今回はアイドル時のメモリクロックだけ半減させています(135*2>74*2)。電圧も0.9505Vまで下げたことにより、ファン回転数は2200rpm前後でまとまります。リファレンスでここまでできれば上出来なのです。

ゲームの音なり鳴っていればファンの音は全く聞こえません。温度もアイドル40度~ロード時70度(基板部分を温度計読みで)程度と、480よりも扱いやすさが向上しています。消費電力は190W程度みたいです。低電圧化はやはりハイエンドカードほど顕著に効果が現れますね。

とはいえ、前回の話題で最適化した480と変わる点は、といえば騒音面が改善した、というのが大きなポイントかも。その点にこだわりがなければ値下がりした480がお買い得かもしれません。

あと、補足ですがよく探されている「動作クロックを固定にしたい」「常にフルパワーで動かしたい」という方は、すべてのクロックボックスに同じ値を入れたらいいだけです。簡単でしょ?


いいときは5000程度この部分については前回と同じように、FF14ベンチのGPU-Zのログを含めたサンプルBIOSをあげておきますので、ご参考までに。HIGH - ヒューラン女性でのテスト結果です。値は若干ばらつくみたいで、こちらが最低時。いいときは5000程度出ました。バージョンは262.99WHQLです。

ファンを見ても2100rpmが最大値となっています。そのときのコア温度は82度。回転数を上げればまだまだ下げられるでしょう。電源のファンはほとんど低速回転しかしていませんので、ケース内温度もゆとりのようです。

サンプルBIOS(oc.rom)の設定ですが、いろいろ考えて性能を引き出せるオーバークロック仕様にしてみました。電圧はアイドル/ビデオ再生時を0.6005Vと下限に設定、3D時は標準値のままとなる1.0005-1.063V。つまり3D時において電圧を調整していないため、純粋にコア・メモリのマージンを探る仕組みとなります。私の個体において、という制約がつきますが、、、

クロック周波数はアイドル時のメモリのみ37MHz(データレートは148MHz)へダウン。3D時はコア/シェーダークロックが810/1620MHz、メモリクロックは1026MHz(データレートは4104MHz)へちょこんとアップ。ファン回転数は最小を30%、最大が100%としています。リミッターは解除済みで、上限値となる1.213Vです。ご自身の手で限界突破を目指したい人はどうぞ。


以上がBIOS編集と、それにおけるクロックや電圧周りのお話でした。


☆☆☆

そうして無事に編集したBIOSが作成できたら、後は書き込むのみ。書き込むためにはMS-DOSモードにて起動して、NVFlashと呼ばれる同社謹製のソフトを使います。2010年11月3日に公開されたバージョン5.100.0.1にて、GTX 580への対応を果たしています。

そのためにはまずMS-DOSモードで起動する必要があるわけですが、そのモードで起動するためのUSBメモリを作成する方法についてはこちらの話題にて記載していますので、お持ちでない方は作成して、起動してみてくださいね。マザーボードのBIOS上にて、起動順序(Boot PriorityやSequence)の項目があると思いますから、USBメモリを一番にしておくといいでしょう。

USBメモリにNVFというフォルダを作り、その中に解凍したファイルとオリジナルBIOSを入れ、以下のコマンドを実行するのみです。


cd nvf
nvflash -r
nvflash -4 -5 -6 original.rom


最後の一仕事1行目がカレントディレクトリを作成したnvfへ移動する
2行目はもしもBIOSプロテクトがかかっており、書き換えが正しく行えない際に解除するためのオプション
3行目がnvflashをoriginalのROMファイルに対して実行する

といった意味になります。-4 -5 -6のオプションは普通は不要ですけど、つけておくとだいたいの場合は問題なく終わるおまじないと思っていただければと思います。BIOSプロテクトを解除したり(書き込めない現象を回避します)、強制的に書き込んだりするといったオプションなのです。そして問いかけが出たら y を押すことでフラッシュ開始。だいたい20秒程度で終了します。

以上で、BIOS書き換えは完了となります。再起動させて、ご自身で作り上げたビデオカードの立ち振る舞いを、確認してみてくださいね。なお、値を決める際はNVIDIA Inspectorを使うと便利ですよ('-'*)


∮ ∮ ∮


今回記して感じたのは、まだNiBiTor自体がFermi対応を後付けで果たしている、といった印象のため、GTX 200番台以前のような細かいエディットは行えない印象ですけど・・・普通に調整する分には完成したといえましょう。

知識のある方はHexviewを用いて細かいパラメーターの調整が行えるのでしょうが・・・私にはそんなことまでわかりません@@ 電圧、クロック、ファン回転数の調整。この3つを行えるようになったNiBiTor 6.0が公開されれば、GTX 580をより快適に扱えるはずです。

ちなみに、もしもChip Inされた方にはメールが届きますけど、添付ファイルが「.zi_」といった形式になっています。これはZIPファイルとしてしまうとウイルスソフトなどで駆除されかねない、ということでとった方策なのでしょうか。ですので、ファイルを保存したら拡張子の末尾を.zipとしましょう。


今回の話題でFermiのBIOS調整も一段落。次は来年に出るとされるKeplerがあるのでしょうが、予算はもうないので・・・(汗笑)。改良版なりが出るまで待つのがいいかもしれません。Fermiでさえ、今回の580こそが真のFermiなのでしょうしね。となるとKeplerも改良版こそが、理想を現実のものとしてくる可能性が高いと感じますので。

近いうちCPUもSandy Bridgeが出るわけですが、こちらも現行のNehalemと比べると環境面、性能面でより扱いやすくなるとされています。どちらにおいても第1世代よりは第2世代が改良を加えるわけなので、「その時点で、最高の性能を」と追い求めなければ、次の初版Keplerはスキップでもいいのかもしれません。

なお、GTX480と580の性能差(シェーダーの良さ)がどのくらいあるのか、という点について興味深い話題がありましたので、一読してみるといいかもしれません。同じスペックで測定をしたとしても、本カードの方が効率がよいみたいです。

The Shader Difference - GeForce GTX 580 at GTX 480 Clocks

・・・いつでも新しいテクノロジは興味を持ちたいものですね。にはは。


追記:一部では、よりエディット面に優れた「Fermi Bios Editor (Lite)」なるソフトもあるらしいですが(NVIDIA Inspector の作者さんが作られています)、作者さんが語るには非公開ソフトなので一般の提供はない、とのことです。そのためにNiBiTorが現在もスタンダードとなっています。


(2011/5/13 20:02 追記分)

実際に低電圧化を施した際の消費電力を載せたページを紹介しておきますね。ただしGPUはGTX480となります。ただ、こちらが消費電力は多いため、参考になると思います。

GTX480を低電圧化した時の消費電力

投稿者 :lavendy  |  2010年12月03日 14:36

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