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2011年11月26日

Core i7 3930KとP9X79-PROでオーバークロック ~ CPU編

こちらがメインとなるわけですが・・・。

前回のP8P67にてほぼ内容は書き綴っていますので、P9X79-PROにおいてはその後で追加された本機ならではの、いわばX79チップセットとなって進化した電力機構「Dual Intelligent Processors 3 technology with New DIGI+ Power Control」に伴う新設項目を踏まえて、簡単に記しておきますね。

どうにも日本ASUSさんは未だにLGA2011の項目すらできていない様子なので、社内でも優先度は低いのでしょうか・・・はて。そんな中、海外ではこんな特設ページができています。

ASUS Showcases New Motherboards with Intel® X79 Technology

・・・といっても、各ラインナップの紹介・比較ページですけどね。ただ、ASUSさんのマザーボードは人気が高いため、一覧でわかるのは便利でしょう。

私は今回廉価版・・・とはいえないような気もしますが、ベースタイプとなるP9X79の一つ上、NICにIntel 82579Vを用いるPROバージョンを買いました。3960X EEなどを購入でしたら上位のDELUXE版を用いたいところですが、そこまでお金があるわけでもないですので・・・。

8層基板からなる高品質なマザーボード、そちらに合わせ電力周りなどの管理を強化したDual Intelligent Processors 3 technology with New DIGI+ Power Controlが搭載されることになりました。こちらで3930Kの能力を引き出していくことになりますが・・・。

本当に、何というのでしょう。すでに試されているなら感じることなのでしょうが、とても貪欲なCPUで電力をがつがつ食ってしまいます・・・(汗笑)。CPU単体で300Wを振り切れるほどのパワーを持っており、かけた分性能は上昇しますが、環境面でとてもほめられたものではなくなってしまいますので・・・ケースや冷却機構はしっかりとしたものを準備しておかないと大変でしょう。

では、オーバークロック関連で新設された部分を紹介しますね。
また全部紹介ではごっちゃりしちゃいますので、興味ある方はこちらをどうぞ。


基本情報こちらはおなじみの最初の画面。Advanced Modeのトップとなりますが、よく見てみると3930KのCPUナンバーが載っていますよね。DDR3のスピードもこちらに示され、日本語表記にしたい方は唯一ある選択肢のところから切り替えれば変わるはずです。私は英語のまま使っています。


項目が多すぎますそして、右のカーソルキーを押すと・・・うわお。これだけの項目が用意されているのです@@ 明らかにP67/Z68よりも増えています。とはいえ、落ち着いてみるとDRAM周りの電圧調整項目が増えているだけで、特に目立って変わった点はありません。が、Sandy Bridge-Eのオーバークロックにおいて、切っても切り離せない項目がこの中に新設されているのです。それとは・・・「CPU VCCSA Voltage」、です。

VCCSAは以前もちょこっとだけ記しましたが、いわゆる計算部分となるメインコア以外の部分、PCI-ExpressやDDR3 Memory、その他I/Oなどを司るアンコア部分の電圧調整となります。基本は0.890V近辺ですが、メモリーのオーバークロック時には若干引き上げてあげないと、電力供給が足りずに不安定となりやすいのです。

おなじみの「CPU Vcore Voltage」が主計算部分なので、動作周波数・・・クロックを引き上げたい場合は、こちらの電圧を上げていけばいいのです。ただ、CPUクロックに応じて 基準となる電圧値 が設定されており、そのレンジにあった値にすることが大切です。Sandy Bridge・・・Core i7系においては

4.0-4.3GHz 1.300v-1.325v
4.3-4.5GHz 1.325v-1.375v
4.5-4.8GHz 1.375v-1.450v

というのが一般的な値ですが(この値はi7 2600/2600Kのものです)、3930Kのスペックシートを見る限りでは、その詳細はわかりません。参考までの情報となる3960X EE側には「VID Voltage Range:0.6V-1.35V」と記されています。つまりEEでは最高周波数が3.9GHzで動作しますので、そのときのMAXが1.35Vということであれば、4GHzオーバーはもっと値が高いものと推察されます。私が操ってみた感じでは

4.0-4.3GHz 1.350v-1.375v
4.3-4.5GHz 1.375v-1.425v
4.5-4.8GHz 1.425v-1.500v

あたりの印象を受けました。が、4.5GHz以上からは完全にプロセッサー規定の設計上限値を超えてしまい、4Gamerさんにも紹介されている「TDPの壁」を打ち破らなくてはなりません。


新機軸、ですそれとは別に、Sandy Bridge系の難点がコアの物理的な問題からBCLK・・・ベースクロックがあげられない、がありましたけど・・・今回のE系プロセッサでは「CPU Strap」なる概念が導入されており、マザーボードの中にあるリファレンスクロックレシオなる特別な倍率器の中に信号を通過させることによって、強制的に基準の100MHzから125/166/250MHzの3パターンのBCLKを生成できるようになっています。

これを用いることによりオーバークロックはほぼ無限といえる組み合わせを手にしています。・・・とても5GHzオーバーなど怖くて見たくもありませんが(汗笑)。来年初頭に出る指定倍率制限のかかった3820にとって、これはなくてはならないことでしょう。

ただし、CPU Strapはマザーボードにあるパーツ類すべてに影響を及ぼしますので、特に注意するのはDDR3メモリ。こちらのクロックが大幅に上昇してしまうため、それに見合ったクロック周波数をチョイスし直す必要がありますのでご注意ください。詳しいことは直接「Memory Frequency」を覗けばわかるはずです。ご自身のメモリ周波数に近いものを選びましょう。

CPU StrapはAI Overclock TunerをAuto以外・・・つまりManualやX.M.P.を選ばないと現れない、隠し項目となっています。また、同列にある「CPU Clock GEN Filter」というのは英文を読む限りでは オーバークロックのアシストをしてくれるだろう とあることから、P8P67でいう Internal PLL Voltage のような役割なのかな、と思ったり思わなかったり。さらにはその中にある 10UF (10 micro farad)の意味なのかなと。謎の部分なのです。


ここも項目が多いですこちらは先ほどのページから飛べる「DRAM Timing Control」・・・メモリーのタイミング調整のページとなっています。さすがに4chインタリーブ構成ということで、DRAMパラメーターのほぼすべてを網羅している印象で、第1~3セクションまで設定することが可能です。が、基本的によくメモリなどにも記されている四つのパラメーター・・・は、この写真に見えている値だけいじれば問題ありません。それ以外はその手の開発者さんたちでないと、意味をわかり得ないような・・・(汗笑)。このあたりはメモリの紹介の時に記しておきますね。


たくさん増えましたそして、先ほどのVCCSAにまつわる数多のパラメーターがこちらの「DIGI+ Power Control」。メモリーのオーバークロックを狙う際には避けて通れない道となるかもしれません。が、現在のBIOSでは安定して動作させられるメモリが限られているようで、クアッドチャネル動作確認済みのメモリーでないと真価を発揮させることは難しいのかもしれません。詳細は以前記した取扱説明書のページでも(パッケージの中にある紙のマニュアル)。

このあたりはユーティリティーソフト AI Suite を用いた方がわかりやすいのでしょうが、私はあまりそういったソフトで監視させるのは好きではないので・・・(一度的確な値を決めてセットできれば、後は不要でしょうしね)、必要な項目はこのあたりかなと。

「VCCSA Current Capability」「DRAM-AB Current Capability」「DRAM-CD Current Capability」・・・文字が長いですけど「Current Capability」が入っている項目です。これは電流供給量をどの程度増やすか、といった項目のようですけど、印象として2000MHzオーバーを狙うような際は110-120%程度にしておくと安定感が増す感じです。

といいますのも、2133MHzにセットすると、VCCSAが標準の0.893Vから0.993Vへと、0.1Vあまり上昇していることに気づかれると思います。それだけベースを安定させるために昇圧しているわけですね。2000MHzを超えるあたりでメモリにとっては一般的なオーバークロックマージンといわれる 1.3倍 以上の負荷がかかりますので、致し方ない部分でしょう。

私の用いるメモリはあまりにトリッキーなもののため、ASUSさんでも2枚差しまでしか動作保証していないものとなっており、まだ詳細は把握できていません。何より、現状のBIOSはまだこなれているとはいえず、メモリ容量を誤認したり、パラメーターの一部も適切に反映されなかったりetcetc...バグがまだまだ山積みの印象のためです。

今回は取扱説明書の項目がとても充実しており、私でさらに記さなくても十分と思います。Duty Controlは温度/性能優先かの指定、Phase ControlはVRMのフェーズ数調整、Voltage FrequencyはVRMの動作周波数・・・値が高いほど高速なスイッチングが可能なものの、発熱増加など、P8P67に書いたことと同じ内容です。


111126_6.jpgそして、もう一つの柱が「CPU Performance Settings」。こちらもP8P67にあった項目ですが、注目すべきは先ほど記した TDPの壁 を取り払うための「Limit」の文字がある部分。こちらには実際にプロセッサーが消費できる電力量(W)を数値で入力するわけですが、基本的にTDPは130Wのため、そちらを遵守した運用となります。・・・こちらをご自身で手動入力することで、その枠を撤廃できます。

が、それだけCPUに負担がかかるため注意しておきましょう。「Long」が第1段階目のパワーリミット。最大で約2倍の255Wまで引き上げ可能です。「Short」はLongで決めた値をも突破した場合のもう一つの安全リミッター。これは自動的にLong*1.25の値が適用されます。上限となる255W時は255*1.25=318.75Wとなります。ただし、熱管理はくれぐれもご注意くださいね。あっという間に70度オーバーしちゃいますので@@


111126_7.jpg最後に、AI Tweakerの右隣のタブ、Advanced 内の CPU Configration。こちらもP8P67と変わるところはありません。が、次の2枚目「CPU Power Management Configration」で少々項目が増えています。その内容とは「CPU C7 Report」。

111126_8.jpg今回のE系プロセッサはどうやらこれがサポートされたためか、アイドル時の電圧が大幅に引き下げられています。値を見る限りでは0.8V未満でも動かせる感じです。いくつかのレビューサイトでは100W以内で収められている様子ですが、私の場合GTX 580との組み合わせで120W前後です。これはこれで十分な値なのかなと感じています(2600Kで100W少々だったため)。

このマザーボードにはそのあたりの電力設計にこだわりがおいているように見られ、同じAdvancedタブ内の APM にある「ErP Ready」をEnabledにすると、待機消費電力をほぼ0Wまで低減してくれる優れものとなっています(厳密には1W未満)。

DisabledのままですとUSBポートにも若干給電がされるため、接続台数にもよりますが5W程度消費している印象ですので、特に電源切ったら使わないという方はErP Onがいいかもしれません。ErPはEnergy-related Productsの略なのだとか。

∮ ∮ ∮

といった具合で、いったい何がオーバークロックの役に立つの?という部分についてはあえて記載はしていません。P8P67と同じ部分が多いためで、すでに把握されていらっしゃると思いますが、


「CPUクロックを引き上げる倍率部分は Turbo Ratio と CPU Strap」
「電圧の上げ下げは CPU Vcore/VCCSA Voltage」
「TDPの壁を取り払えるのは Long/Short Duration Power Limit」
「システム全体の動作姿勢を決めるのは Load-Line Calibration」
「起動時に要求される高い消費電力に対処するのが Boot Up Voltage」


・・・このあたりを自分なりにちょこちょこいじっていれば、最適な値が見つけられるのではないでしょうか。順番としては「クロック」>「電圧」>「その他細かい部分」で決めていくといいと思います。

現在発売されている3960X、3930Kは

3960X:3.3GHz - TB 3.6(6コア)~3.9GHz(2コア)
3930K:3.2GHz - TB 3.5(6コア)~3.8GHz(2コア)

となっており、レンダリングやエンコード系で力を発揮できる本CPUにおいて、マルチスレッドは必携の内容。となると、全コア一律で指定する方が楽かもしれません。Turbo Boost 2.0では3倍までの上昇なので、VID変動に引っかからない範囲ではさらに+3/4倍となる3.9GHz、私が2600Kで味わった42倍動作はさらに+3倍・・・つまり10段階も引き上げていて、かなりの水準となっています。

でも、これがVoltage Autoで動いてしまいますので・・・Sandy Bridge-E恐るべし、といったところでしょうか。そのときのワットモニターは400Wをも超えており、アイドル時が120W程度なので・・・おそらく300Wは余裕でしょう(汗笑)。よほど設定に自信のある方でない限りは、Autoが優秀のためそのままでいいかもしれません。省電力化は後日にでも。


CPUのオーバークロックだけを純粋に楽しみたい方なら、現在発売されている2700Kあたりが楽かもしれません。4コアであることとTDPも低めのため、柔軟に対応できるはずです。が、Sandy Bridge-Eのもう一つの楽しみはメモリーのオーバークロック。こちらは次に取り上げますね。


つづく

投稿者 :lavendy  |  2011年11月26日 17:07

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