« Core i7 3930KとP9X79-PROでオーバークロック ~ CPU編 | メイン | Intel(R) Rapid Storage Technology enterprise Driver Software V3.0.0.2003 »

2011年11月27日

P9X79-PROにオーバークロックメモリ - G.Skill F3-12800CL7D-4GBECO

私の秘密兵器・・・なんちゃって('-'*)

P8P67を使ったときにびっくりさせられたのがSandy Bridgeのメモリアクセスの良さ。特に一般作業なりゲームなりに生きてくるレイテンシー(遅延)が少なくなるように設計されていて、それならSandy Bridge-Eはその上で帯域幅も上がり、シーンを問わずどんなところでもベストパフォーマンスを発揮してくれる・・・と思っていました。

しかしながら、6コアを収めるための膨大なトランジスター、大容量のキャッシュメモリーに高速動作も見据えた4ch DDRコントローラーが足かせとなったのか、遅延やメモリの読み書きの速度そのものは若干低下してしまったみたいです。そのあたりは各種レビューサイトにもあることと思います。

実際使って思ったのは・・・おっしゃるとおりで@@ 帯域幅を生かせるシーンは限られており、完全に「8枚差しによる広大なメモリ領域」が一般ユーザーのメリットかもしれません。プログラマーさんなどにとっては延々と計算をさせるようなプログラムなどをお持ちの場合なら効果は確実に出るのですけどね。


最近はメモリー価格は大暴落しており、8GB(4GB*2枚組)が2千円割れというとんでもない事態に陥っていて・・・これなら普通のユーザーさんでも16GBが当たり前という、数年前では考えられないような状況になっちゃっていますよね。すごい時代なのです。

これがあるべき姿なのですしかしここで一つ伝えておきたいのは、「メモリーはたとえ多少高くなったとしても、しっかりとした品質のもの=メーカーブランド品を入手しておくこと」、につきます。CPUが計算したデータはすべてここに格納されるわけで、格納される部分が不安定な状態では、何かしらのエラーを引き起こしてしまいます。

あ、この画面はIntel Burn Test V2(下にある [RELEASE] IntelBurnTest v2.52 です)にて最大負荷をかけたときのです。Linpackの演算でCPU/メモリの利用率が常時MAXという状況を手軽に作り出せる、安定動作を探る際に必携といえるツールです。たとえMemtest86+でメモリーエラーは回避できても、Windows上での安定性はCPU電圧も常に変動するため、こちらでも確認しなくてはならないのです。

実際、ピーキーな状態で動かしているとブルースクリーン時のエラーメッセージが毎回ころころと変わってしまい、手がかりとなる情報、兆候などがつかめないままとなってしまいます。それだけにちゃんとした品をインストールすることは、ご自身のオーバークロックの探求を妨げないだけでなく、各パーツの潜在能力を的確に探り、引き出すことができるようになるわけですね。


個人的な印象ですが、「ほとんどパラメーターには興味ないので、規定値のまましっかり動かせるものがほしい=Corsair(コルセア)社」「オーバークロックを柔軟に楽しみたい=G.Skill(ジースキル)社」「多少調節はするけど揺るぎない、絶対的な安定感がほしい=Kingston(キングストン)社」といったカラーがあるように感じます。ほかのメーカーさんはまだ試せていないのですが、とりあえず何か一つ・・・といわれたら、迷わずKingston社をおすすめします。

過去に4Gamerさんで詳しい紹介をされているコトもあるのですが、今までに何枚か使ってきた感じでは、この会社さんほど安定度にこだわったメーカーさんはないと思います。それは数値に惑わされず、本物を手にしたい方。Corsair社やG.Skill社にはより高速な周波数やレイテンシーが用意されている中、Kingston社は電圧も高め、レイテンシーも一般的・・・と、2社に後れをとっているように感じます。

が、そのレビューの中にもあるわけですけど「あらゆる環境の中で、万全を期した内容のものしか販売しない」という徹底的なこだわりは、手にした人なら十分伝わってくるはずです。実際、同社の人気メモリは品切れしてしまうことが多く、再入荷もあまりないというくらいなのです。興味がわいた方は調べてみるといいかもしれません。


よき相棒なのですそんな中、私はP8P67を手にするときからすでにこちらのE系プロセッサを念頭に置いて・・・そう、あの頃からクアッドチャネルメモリーをイメージしていたのですね。で、どれにしようかな・・・と迷っていましたけど、4ch、より高速なクロック・・・などを思うと、ECOなメモリーでも試してみたいかな、ということで、「G.Skill F3-12800CL7D-4GBECO」なる品をゲットするのでした。価格は今年の4月時点で7800円。2組で15600円と、今の相場ではあり得ないくらいに高いのです。でも、Windows 95が出ていた頃は、メルコさんのメモリーが確か32MBで7万円とかすごかったような・・・(汗笑)。

coneco.netさんの商品レビューにも詳細があるみたいなので、参考にしたい方は読んでみるといいかもしれません。

ECO利用限定?とんでもない、凄いOCメモリーでした


P8P67では2枚までの動作しか認めていない品でしたけど、私なりに調べ上げた結果4枚動作も確認。ただ、Sandy BridgeことCore i7 2600の2chメモリーコントローラーではどうやら上記レビューのような値は出せず、1866MHz 8-9-8-24 1.475Vあたりがいいところでした。2枚だけなら 2133MHz 9-10-9-27 1.475Vができたのですけどね。4枚にすると2133はアウトで、1866のその内容にとどまるのでした。ちなみに、肝心なX.M.P.プロファイル動作となる 1600MHz 7-8-7-24 1.35V は・・・うんともすんとも言いません@@(8-8-8-24ならいけましたが、それなら最初からCL8の品を買えばいいわけで・・・)

できたてほやほやでしたこのメモリーはとっても癖があるのか、ASUSさんでも検証がなかなか進まないようで、ほかのモデルは4枚差しがいろいろ確認できているのに、本品は2枚止まり。そしてX79でもマニュアルには2枚確認済みが書いてあるのに、最新版のQVLではリスト外に・・・(汗笑)。

そんなわけで、きっと検証も大変なのでしょうね。限界付近では容量誤認も多々ありますし・・・(ほかはたとえピーキーでもそこまではないのが普通です)。CPU-ZでもMemoryタブではQuad Channelと出ていますのに、SPD情報ではSlot#1/3は確認できますが、5/7はブランク。BIOS上では4枚とも検出できているので、何が問題なのかさっぱりなのです。


しかしながら、P8P67で苦労して見つけたそのパラメーターは、無事こちらの3930Kでも認識しています。1866MHz以上で1.5V動作を謳うメモリはなかなかないものなのですよ。それもハイグレード品ばかりで。レイテンシーだけで見た場合、これは2133MHz 9-10-9-27とほとんど差がないので、私としては自分なりによく探せた方かな、と思いました。

難しくさせているのはレビューの中にもあるtRCDの扱いがネックとなり、これが8だとほとんどクロックが1866MHz以外選べない、ですとかより詰める方向ではその他のパラメーターもぴしゃりと合わないととたんに不安定、2000MHzオーバーでも軽作業程度ならあっけなく動き、どこに限界があるのかがつかみづらい・・・etcetc。かなり上級者向けのメモリ-だと思います。

それを極めようとがんばることで、あのような結果も得られたのかなと思います。軒並みトップランカーさんの構成を見るとお高いパーツが並んでいる印象ですけど、私のそれは今の相場だと1万円もしない、と。それであの順位を狙えるのですから自作は奥が深く、楽しいわけなのです。

それましたが、じゃあ、謎がなかなか明かされない「オーバークロックメモリーを使うと、どんなメリットが出るのか」をずばっと書いてしまいましょう。前置き長すぎました@@


本ECOメモリーはクロック周波数だけで見れば1333MHz~2400MHzまでと幅広いです。ただ、さすがに4chを常用させるとなるとかなり余裕を見る必要があり、その中間となる1866MHzとなったわけです。疑問として思いつくのが「メモリーの速度が上がるとどんなメリットがあるの?」ですけど、記したように延々と計算をさせるようなプログラムがある場合、メモリ上で常に読み書きを行うわけなのでそのスピードが速いと速く終わらせられる、と。

そこで、よく用いられる Super π にて計算速度を比較してみたのがこちらの2枚。左が1600MHz 9-9-9-24 1.5V、右が2133MHz 9-10-9-27 1.575Vでの結果です。桁数はハイエンド品らしく、最上位の3355万桁。ミクさんのクロックは4.2GHz(100*42)です。

1600MHz時です2400MHz時です

クロックは実に1600から2133なので1.3倍の上昇となるのですが、実際の計算速度という点で見てみると・・・15秒程度の差となっています。これを「たったの15秒」と見るのか、「15秒は確実に縮められる」と見るのかで、あなたがオーバークロックメモリーに向いているかいないかがわかると思います(汗笑)。一般ユーザーにはあまりメリットがないという理由がわかるのではないでしょうか。ちなみに、メモリー量がちゃんと出ていないあたりで、P9X79-PROとの相性が今ひとつなのもうかがえるはずです。

そちらを物語るのがもう一つのパターンで、よくエンコードエンコードといわれている TMPGEnc Video Mastering Works 5 。こちらで帯域幅なり、メモリクロックなり上がれば・・・と思っていたら、どうにもCore i7 2600の2chメモリーコントローラーと若干異なるのか、なんとクロックによる差が「全く現れない」という状況になっていたのです。

1600MHz時です2400MHz時です

あうぅ・・・なんということでしょうか@@ 一番楽しみに、期待されていたソフトがこれでは・・・。とはいえ、4コアだった2600Kからこちらに乗り換えると、ほぼ1.5倍近くの速度アップは図れています。この写真のムービーは私なりにベンチマーク的に作っているものなのですが、元データが39GB程度、エンコード後が91.3MB/12:35/480*272/60fpsとなっているものです。1passだけなら3930Kを選ぶメリットはほとんどなく。それなら2000番台の内蔵GPUにあるQSV(Quick Sync Video)を用いるなり、CUDAでエンコードをする方がいいですしね。

動き検索タイプがアダマール徹底サーチ、一番負荷のかかるものなのですが、2600Kの4.2GHzでは23分程度かかっていた内容なので、それが15分まで短縮できているのは大きいと思います。しかしながら、メモリの設定が何ら生きないというのはがっかり感が・・・。


力押しなのです言い換えれば、それ目的の人にオーバークロックメモリーはX79にとってあまり意味をなさない品といえるのかも。もちろん、システム全体に貢献するものなので、予算が余っている人ならいいでしょうけどね。こちらの写真みたいに、じゃあ1600と2400、全く差がないのというとそんなことはなく、レイテンシー=遅延時間は確実に短くなっていますから、その間にほかの物事なりをするといった「ながら作業」が得意な人には、十分応えてくれるものとなっています。

それが、最初の日に記した「ミクさんからの挑戦状ははてしなく深い」という意味であり、CPUをオーバークロックするとそれだけ演算能力が上がるため、メモリーもそれに併せてオーバークロックすることでより上位のパフォーマンスを引き出せる、と。引き出せるだけの知恵を、そして利用シーンの創出が使い手に求められる・・・。それこそが、X79プラットフォームのすごいところかなと感じます。

∮ ∮ ∮


こんな感じで、P8P67の時から暖めていたネタでしたけど少しは疑問が氷解できたのではないでしょうか。普通の使い方をする分には恩恵が低いオーバークロックメモリー。しかし、ここを起点にデータのやりとりをする・・・いわば全体の動作を司る主要パーツでもあり、適切な設定を施すことができれば全体の底上げにもなる大切な部分です。

要は、使い手が今回の3930KをはじめとしたSandy Bridge-E系のプロセッサパワーを使い倒せるかにかかっていて、それを活用できる人にとってオーバークロックメモリーはよい効果をもたらしてくれることでしょう。


何を手にしたらいいかわからない、と迷う方には私からのおすすめとして・・・Kingstonさんの KHX1600C9D3K4/8GX あたりでも。同社の動作認定品となっており、2枚組バージョンならP9X79-DELUXEのQVLリストにも載っています。8枚での動作も確認しているようで、安心できるのではないでしょうか。P9X79-PRO向けのQVLリストはこちらをどうぞ。

とはいえ、私の考えとしては「オーバークロックメモリーで大容量は求めない」というスタンスがあるため、16GB以上を目指されるならそのリストをじっくりと見て、自分に合うものを探してほしいと思います。このあたりは、情報収集力を高めていくしかないのでしょうね。

故人となってしまった 元麻布春男さん の記事も役立つと思いますので、興味ある方は参考にどうぞ。

■元麻布春男の週刊PCホットライン■ オーバークロックメモリのメリット、デメリット

あと、こちらはそのECOさんなメモリを購入した、オーバークロックワークスさんのサイトにある記事です。ゲーマーさんにとっても低解像度では恩恵がある旨を記されています。4Gamerさんの話題とあわせてみてはいかがでしょうか。

Sandy Bridgeでのハイクロックメモリ効果はすごい!?


to be continued

投稿者 :lavendy  |  2011年11月27日 18:51

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://lavendy.net/mt/mt-tb.cgi/834

コメント

コメントはご自由に




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)