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2011年08月11日

Sandy Bridge-Eのオーバークロック

X79プラットフォームを選ぶ理由はこれにかかるといっても過言ではないのですが・・・。


Exclusive: Intel's future base clock options unveiled

現在Sandy Bridgeを牽引しているのがCore i7 2600Kとなるわけですが、それよりも上位がある・・・とほのめかし、現れたプラットフォームがWaimea BayことX79チップセット Patsburg PCH。Sandy Bridge-Eと呼ばれるEnthusiastユーザー、LGA 2011ソケット採用のハイエンドプロセッサになるわけですが、基本的な仕様は現行モデルとさほど変わらない見込み。

唯一の違いといえば4chものDDR3-1600メモリや10MBを超えるL3といった、複数のグラフィックスカードやストレージ機器をもてあますことなく性能を引き出すための広帯域バスがウリとなっています。


しかしながら、私が最初Sandy Bridge-Eに期待していたのは「グラフィックスカードは外付けをどうせ使うのだから、内蔵GPU分のコアを取り払う分、ほかの機能強化に割り当てられないのかな?」というのが一番大きかったのです。基本構造が同じということは、この部分で性能をブーストできないと意味がないですからね。

でも、オーバークロックの原点となるベースクロックことBCLKを調整しようにも、CPU内部にPLLがあるため柔軟な変更は不可。それはSandy Bridge-Eや現行後継のIvy Bridgeでも変わらない模様です・・・が、今回のリンクではLGA2011の場合、いくつかのオプションが用意されると書いてあります。

CK505と呼ばれるクロックジェネレーターがそれで、PEGとDMIへの供給比率を細かく変えることで複数のクロックを生成しているみたいですが、詳しいことはそのブロックダイアグラムに記されています。


図には「DMIクロックはベースクロックに等しい」「DMIバスから切り離すことでDMIクロックの変更を制限し、DMIは5GHz・PEGは8GHzに固定」とあります。各部位の手前にその倍率を調整するための仕組み(緑のチップ)が用意されるみたいです。赤青緑黄のチップになって表されていますが、この読み方がよくわかりません@@ ただ、鍵を握るのは青色のxC、赤色のxMチップであることは間違いないでしょうけど。

また、そのCPUの部分に「SNB-E XE = Up to 57 bins」とあるのですが、これは以前Duckさんが話されていた「世界中のOC記録を見渡しても57倍以上での動作報告は今のところほとんど見当たらない」という下りに一致するのでは。つまり・・・そう、現行のKモデルでは56倍までで制限をかけているのではないかと思われる点。それが最上位のXEモデルのみ、57倍以上も解放されるということなのでしょうか。だとしたら・・・一般ユーザーからはほど遠い品物になりそうです。


いずれにしてもいえることは、Sandy Bridge世代になってからいろいろなコンポーネントをCPUの中に集約した結果、オーバークロックで性能向上という手法に制限がかかることとなり、Xeonとパフォーマンス差がなくなっても本末転倒なため、Ivy Bridgeでさらに性能が飛躍するとなると出荷時期がシビアなSandy Bridge-Eに与えられた活躍の場は、もって半年程度なのかな、なんて感じたりもします。

私が思うところ、Sandy Bridge-Eでもパフォーマンスの向上は間違いなくあることでしょうが、Ivy Bridgeでクロック周波数を相応に伸ばしてきた場合、SNB-Eで得られる性能向上幅を食いつぶすのでは、と。

いわばCore i7 900番台が2600Kで大半が間に合うようになってしまったような関係が、また再現されるのかな・・・なんて。それを最上位のXEモデルで払拭するのでしょうが、CPU倍率変更可能な上にベースクロック調整可能ともなれば、限界以前に「扱いきれるのか」が気になります。とはいえ、チャレンジできる要素を用意してあるのとしていないのとでは意味が違いますからね。X79はここで差をつけようとしているのかもしれません。


また、Core i7-3960Xの後には3980Xといった、クロック向上版も3SKUともに控えている模様?で、なおのこと立ち位置が難しいプロセッサになりそうな予感がします。もっとも、このセグメントを狙う方はコストパフォーマンスよりも絶対性能重視派だと思いますから、あまり金額面は関係ないのかもしれないですけど。

最初は4chインタリーブなども気になっていたのですが、今は出荷時期がディレイするということもあって、Ivy Bridgeが出てからでも遅くはないのかな、と思ってしまいます。一番いいのは、X79がHaswellまで載せられるようになることでしょうけどね。

Özel Haber: Intel, Core i7-3980X modelini ikinci çeyrekte pazara sunabilir


(9/18 22:45 追記分)

続編を記しておきましたので、興味ある方はどうぞ。

続・Sandy Bridge-Eのオーバークロック

投稿者 :lavendy  |  2011年08月11日 22:40

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