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2011年12月06日

Noctua NH-D14 SE2011の使い心地(1/8追記)

静音性を気にされる方、冷却重視の方双方を満たせる希有なCPUクーラーです。


パッケージ正面詳細紹介その1側面です最初に記していたように、買っちゃいました。名機 Noctua NH-D14の後継となるNH-D14 SE2011。お値段は8980円と気軽に出せる金額ではないような気がし、現在はオリオスペックさんでの取り扱い?となっているのかはわからないですが、私が購入した先月中旬時点では同店しか確認できませんでした。入手性は低そうです。

前回はPROLIMA TECHさんのSUPER MEGAを利用していましたが、今回中心部を一新することもあって、評判の高い本品を使ってみたいかな、と思っていましたので・・・発注するのでした。お値段は8980円に代引き手数料の315円、送料1050円の10345円となりました。発送日の翌々日には到着しましたので、本州からの購入とて、タイムラグはそんなにないのかなと。丁寧なメールが好印象でした('-'*)

詳細紹介その2詳細紹介その3詳細紹介その4

そうして届いた箱を見てみると・・・うわお。CPUクーラーだけでこの大きさなのですか@@ とびっくりしてしまいました。重量も相応にある印象で、黒ひげ危機一髪を思い出すような大きさの外箱です。しかし、驚かされるのはこれだけではありませんでした。

見事な梱包ご覧のように中箱も丁寧に厚紙を折り込んでいってのパッケージング、ファンやフィンの部分はわずかな揺れも感じさせないかっちりとした梱包etcetc...、Apple社製品のような「開けたときから商品への誘いが始まる」部分がおろそかになっていないのは好印象でした。こういうのが海外ブランドのこだわりみたいなところを感じさせますよね。

重厚感があります本品は商品名にもあるようにLGA2011専用品となっており、留め具周りはとてもシンプル。ほかにはL.N.A(Low Noise Adapter)と呼ばれる抵抗ケーブルが付属しており、装着することで回転数を25%程度ダウンできます。ASUSさんのP9X79 PROは独自のファン回転数調整機構 Q-Fan を搭載しており、こちらがX79はなんとCPU+ケース4基、つまり5基分あまりも設定できるようになっていますので、抵抗ケーブルは極論不要といえます。

きれいな鏡面仕上げシンプルな付属品ほかには専用グリス、エンブレム、そしてL字型のプラスドライバーが付属。小さなレンチしか入れない会社が多い中、これはポイント高いのです。「付属品を鑑みると安く思える」というレビューも確かあったように思いますが、その言葉通りだと感じました。「これを買えば完結します」という姿勢は体験向上の上ではハイエンド品にとって、特に大切なのです。


プレート一つだけインストールはとても簡単になっており、X79はねじ止め式になっているだけあってマザーボード側も必要十分な強度がありますから、ベースプレート2点を装着し、その上からシンクを乗せ、バネ付きのねじを上から締めていく・・・といった流れです。新設計とされるSecuFirm2機構により楽に装着できます。そのときに役立つのが付属のL字型プラスドライバーで、簡単に取り付けが行えるようにしてあるのもポイントです(ただし磁石付きではありません)。

余裕はありません気になる大きさですが、P9X79 PROには問題なく装着でき、DIMMスロットとの間は指1本分くらいの隙間(1cm程度)はあるような印象です。ご覧のようにヒートシンク部分が左右両方のCPUに一番近い側のところがつぶされてしまいますので、メモリーの取り外しは6枚差し以上の場合、CPUクーラーを外さなくてはならないでしょう。4枚までの場合ならかろうじてそのまま着脱できそうですが、かなり窮屈そうです。いずれにしましても、背の高いDIMMは候補外にしておくことをおすすめします(標準サイズ(シンクなし)+1cm程度が限度)。

細かいこだわり取り付けの際は一度装着されているファンを取り外さなくてはならないのですが、こちらもシンク側に防振ゴムがあらかじめ貼ってあったりなど、静音に配慮した作りであることがうかがえます。なるほど、空冷最強というだけではなく、実は不快な騒音を減らすコトに注力した結果、回転数もストレスフリーなまま引き上げられたのかな? なんて思っちゃったりします。

スペックとしては対応ソケットがIntel LGA2011、外寸がH160 x W140 x D130(ヒートシンクのみ)、重量が1240g(ファン込み)、マテリアルは銅製ベースプレート、アルミフィン(いずれもニッケルメッキ仕様)といったところ。

搭載ファンは以下の2つで、12/14cmで若干回転数に違いがあります。MTBFは150000時間と、高信頼な品といえます。


NF-P14PWM 1200rpm/110.3m3/h / 19.6db
NF-P12PWM 1300rpm/92.3m3/h / 19.8dB

14cmファンは口径が大きい分、100rpmほど回転数が絞られています。とはいえ、12cmで1200rpmクラスはいわゆる静音回転の領域に入ります。そして、こちらはデフォルト状態なので・・・先ほど記した抵抗ケーブル L.N.A を装着することで、このように変化します。


NF-P14PWM 900rpm/83.7m3/h / 13.2db
NF-P12PWM 900rpm/63.4m3/h / 12.6dB

知る人なら知っているでしょうが、私なりにも静音というのは「耳に届かない、聞こえない」状態を意味するものと思っていて、12cmファンで騒音が聞こえなくなるのは900rpm以内とされています。1000を超えるあたりから聞こえだし、1200ともなれば無視はできない存在となります。

そのあたりもぬかりなく、最小回転数はNF-P14PWM/NF-P12PWMともに300rpmからのスタートを謳っており、PWM制御のままで十分静音といえるクオリティーを持っています。

こんな感じにセットL.N.Aを用いない際は、UEFI BIOSのAdvanced Mode、Nonitorタブから「CPU Fan Max. Duty Cycle(%)」の値を上記の算出通り 75% へとセットすることで、同等の900rpmを実現できます。「CPU Fan Min. Duty Cycle(%)」についてはASUSさん側の制約なのか、40%を割り込んでの設定が不可能ですので・・・ファンが保証している300rpmの回転数は実現できないのが難点です。その際はマニュアルではなくStandardなどのAuto設定にするのがいいのかもしれません。(追記:すみません、CPUファンにおいては停止=0%まで選べるようです。40%以上はケースファンでした。大変失礼しました)

なお、ご覧のようにデフォルトでレッドゾーン(回転数極小による警告)にさしかかっていますので(汗笑)、CPU Fan Speed Low Limitを写真のように400rpmなり、300rpmなりにしないとならないことでしょう。恐ろしいまでの低回転で満足しています。


とはいえ、本クーラーの魅力はなんといっても2つのブロックに分かれた高密度フィンを実装したヒートシンク部。最初見たときに圧倒された覚えがあるのがThermalright HR-02。皆様のレビューもいろいろな情報が載っており、低速ファンで冷えるという項目も確かにあります。値を見ても良好そうです。

余力がありすぎます・・・そんな中、SE2011のすごいところは「超低速状態がまかり通ってしまう」ほどの、圧倒的な冷却性能。HR-02がi860(TDP 90W)を、1200rpmのファンにて900rpmほど回して得られる性能を、SE2011は実にミクさんにおいて550rpmほどで得られてしまうのですから驚きです。これはいわば「巨大な、奥行きのあるシンクほど、ある程度の風速・風量がないと風がシンク内から十分に抜けきれない」コトを意味するのではないかな、と感じます。写真左下にあるCore Tempですが、途中で立ち上げたのでminの値が40度台になっていますけど、アイドル時は30度台に下がります。窒息ケース Sonata Elite でこれですからね。

実は、本品を手に入れる前につなぎとしてScytheさんのNINJA3 Revesion.Bも若干使いましたが、その回転数では80度近くまで上がってしまいました・・・(汗笑)。42倍程度で、です(100*42=4200MHz))。900rpm程度まであげれば同等の性能でしたので、やはり「熱源を2つにわけ、各々を適切な風量のファンで冷やすコト」はとても重要な意味を持ってくる、と実感した次第です。似たような製品として、Zalman CNPS12Xがありますけど、このようなグラフを見てしまうと、やはり回転数が高いのは私にとって候補外になってしまいます・・・。


落ち着いた色合い現在は室温が20度と、快適なこともあるので・・・夏場に10度上がったとき、どの程度の性能が要求されるのかは知るよしもありませんが、少なくともL.N.Aを装着してこの冷却性能ですから、リミッターを解除して100%の運用にすれば、夏場も無難に乗り切られるものと思います。

NH-D14 SE2011は冷却性能だけではなく、その能力を静音用途へと転換も可能にしている、双方を高次元で両立させたまさに「最高傑作」の名にふさわしい、価値あるCPUクーラーだと思いました。

その設計思想からこだわりを十分に持っている企業のようで、それはあのエルミタージュ秋葉原さんにも寄せられたレビューから「私たちはDHTを採用しない」という、確固たる理念と、裏付けられた理論/技術力の元に実践していることを痛感させられます。成る程、これは使ってみないとその良さがわからないままなのね、と。

ふくろう?さんですその独特のたたずまい、色合い、個性的な部分が目にいきがちですけど、クーラーとしての基礎体力も十分あり、使い手のことを考慮された職人芸的な本品、興味ある人は手にされるときっとその良さを感じることができるでしょう。せっかくP9X79シリーズにはCPUファンが2カ所つけられるようにもなっていますので、冷却周りで「ノートラブル」(熱だけでなく、ノイズも)でありたい方にとって、おすすめなのです。


オリオスペックさんは静音系のパソコンに長けた会社さまで、ネットオープン当初から拝見していますけど、パーツ選定の仕方がすばらしいと思います。その昔、高速電脳さんを愛用していた私ですけど、そちらの品揃えが静音によるとこちらのような感じになるのかな・・・と。ぜひ利用してみてくださいなのですd('-'*)

オリオスペック NH-D14 SE2011 販売ページ


追記:メモリスロット周りの写真を載せ忘れましたのでつけておきますね。こんな感じで、一番内側のスロットは完全に真下に潜り込んでしまいますので、背の高いDIMMの利用は要注意なのです。

ぎりぎりのうまいところこんな感じなのです窮屈になっていますが・・・


(2012/1/8 10:30追記分)
記載が遅くなりましたが、同社のFAQを参照することで、どのマザーボード/メモリに適合するかが一目瞭然の互換性リストも記載されています。導入を検討されている方は一読されると不安を解消できるでしょう。

特に気になる?「CORSAIR社のDOMINATOR GT」クラスの品を検討されている方は「上の とさか部分 を外す」ことで対応可能になるというのは盲点ではないでしょうか。ヒートシンク底面から最下部のフィンまでの高さが44mmとあるため、ゆとりを見て4cm以上のメモリはパスしておいた方が無難そうです。

マザーボードの場合、きれいにPCI-eを7スロット収めた品がかえって「CPUソケットとPCI-e 1番目のスロットとの間隔が十分でないため、1番目のスロット使用不可」みたいな本末転倒の事態を引き起こしているみたいで@@ 大型クーラーの弱点がここに垣間見られる感じです。

いずれにしましても、リンク先でご確認くださいね。


メモリ対応リスト
http://www.noctua.at/main.php?show=compatibility_ram_gen&products_id=34&lng=de
マザーボード互換性リスト
http://www.noctua.at/main.php?show=compatibility_gen&products_id=41&lng=en


また、PC Watchにて瀬文茶さんが詳しいレビューを記載されていますので、そちらもあわせてご覧ください。

■瀬文茶のヒートシンクグラフィック■ Noctua「NH-D14 SE-2011」

投稿者 :lavendy  |  2011年12月06日 11:37

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