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2011年02月01日
Core i7 2600とP8P67を使ってみる ~ 追試:BIOS 1204 と Intel 6チップセットのリコール

ある程度まとまってきたといえますが・・・。
Intel、6シリーズチップセットに不具合、リコールへ
Sandy Bridge対応チップセットに不具合、修正・交換へ
インテルSandy Bridgeのチップセットに欠陥、出荷停止・リコールへ。修正品の生産開始
こちらの話題があげるように、どうやらベースそのものに問題を抱えている部分があったみたいですね。私が今トライアル中なのはメモリ周りのアンコア部分になりますけど、数多くテストを重ねていますが、どうにも安定性に難ありといいましょうか。ばらつきが非常に大きいです。
上記話題はSATA周りの問題点を指摘していますが、それらが場合によってはアンコア部分へ何かしらの影響を及ぼしていないのか・・・気になるところです(おそらくそれはないと思いますが@@ 高速なデバイス・・・SSDなどはどうなのでしょうね)。たまに起動がかなり遅くなる現象は確認しています。認識周りに問題があるのでしょうか。
なんだかこの手の話題を聞くと、かなり昔にあったMTH(Memory Translator Hub)で騒ぎになり、リコールになった問題を思い出します。あのときも問題の特定にはかなり苦労したのですよね・・・。
Intel 6チップセットに致命的な欠陥があった=リコールが発表され、9日に発売を開始してからの商品に問題がある可能性が考えられるようですが、今すぐに不具合が発生するというものでもないため、当面使ったままでも問題ない模様です。ただ、シリコンレベルでの修正が必要になるため、今後各メーカーさんから何かしら発表があるものと思われます。
詳細は「バグは3Gbpsに対応する4ポート ( 2 - 5) にクロックを供給するトランジスタの問題とのこと」・・・らしいのです。
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それましたが、あれから2133MHz動作のメモリを使っていますけど、かなりピーキーなのか、安定動作させるのが難しいです。一言で言えばBIOSが洗練されていないと調べようがないといった状態で・・・先日記したように私は2つのテストを使っていますが(IntelBurnTest V2とMEMTEST+86)、似て非なるソフトです。
前者はCPU、メモリにOS起動上から全体的な負荷をかけるストレステスト、後者はメモリそのものの信頼性を確かめるソフト。役割が異なるのですね。ですので、よくMEMTEST+86さえノーエラーで通過できれば問題ない、という認識の方もおられるみたいですが、それは必ずしもそうとはいえません。
特に高クロック時は少しの変動が大きな差として現れるので、よりチェックを厳しめに見積もっておかないとなりません。それゆえ、BurnTestは一番負荷の高いMaximum以外はセレクトしません。ほかのモードでは問題なく通過できても、高クロック時にエラーを出すようでは、オーバークロック動作の意味がないですからね。
一例として、私が使っているCORSAIR CMT4GX3M2A2133C9ですが、MEMTEST+86だけであれば電圧を1.6375Vに少し下げ、タイミングレートは1Tでノーエラー通過を20回果たすなど、メモリはさすがに選別されているだけあり十分なスペックを持っているみたいです。しかしOSが起動していたらCPUはメモリーコントローラーの部分を安定動作させきれないのか、その値ではBurnTestでエラーを出してしまいます。あるいはマザーボードに問題があるのか。判断が難しいところです。
今までのBIOSでは安定性に欠ける印象が色濃く残ってしまい、1053に搭載されたInternal PLL Overvoltage機能はかえって悪化させるケースもあるらしく、完全な解決策にはなっていないみたいです。そんな中、27日に最新BIOSとなる1204がでましたけど・・・どうやら基準値を見直したみたい。
BIOSアップデートはご存じかと思いますけど、設定値に自信がない方はアップデート前に一度F5キーを押してデフォルト値を読み込み(本M/Bの場合です)、それからアップデートを実行、実行後の再起動時にCMOSをクリアしておくというものです。そうすることできれいに新しいBIOSが読み込まれるようになります。
そうしてアイドル時の電圧を見るのですが・・・以前より若干高めになっています。0.020Vあまり上昇しており、以前の私が使っていた-0.030Vのオフセット値から見ると0.050Vも上回っています。逆に言えば、このくらいの電圧でないと安定して動かせない、ということなのでしょうね。下限では0.900Vあたりからは可能で・・・0.950VでOK。
思ったほか、高クロックメモリを使うとメモリーコントローラーに対する負荷は相当のものになる印象です。それでも第1世代のCore i7に比べたら0.25Vあまりも削減できているのでその差は歴然。ただ、この電圧がはたして最適化されたものなのかは未だに不明。BIOSがこなれたらより下げられるか、期待したいところです。ちなみに、ピーク時はおおよそ1.25V前後にまとまります。
BIOS側のAi Tweakerで設定をした箇所は「Ai Overclock Tuner:X.M.P」「Internal PLL Overvoltage:Disable」「Phase Control:Optimized」「Offset Mode Sign:-」の4つのみ。そのほかはX.M.Pによるオート設定です。
以前はこちらのオフセットを+側にしても安定しなかったり、その値を少々盛ってみたり、錯誤しますが安定しません。かといってDRAM電圧を調整しても上限は1.65Vですし、これより下げてもNGですし・・・とかなり設定に手間取ります。上の写真のように、そちらは試しにメモリ設定をすべてX.M.P任せにして、オフセット値を-0.030Vして完走したときのものです。でも、だいたいはこれだけ下げるとNGになります。BIOSは1053ですね。
そして1204にすると・・・相変わらずオフセットの不安定さは変わりませんが、Autoにしたときの電圧が若干上昇。アンコア部の安定性をあげるためなのでしょうか。こちらでしたらX.M.P動作でコケることもなくなったみたいです。EPUを試しにOnにしても動きます。しかしながらこれだけ定格より上で動作させるのなら省電力にこだわりすぎてもしょうがないので、今はオフセットを-にするだけで、実質Auto=動作なしの状態にしています。
私が省電力にこだわる理由は、それ自体が目的ではなくて、お話ししたとおり「発熱を抑制することで騒音を減らし、埃などのゴミを寄せ付けないでクリーンに使う」ことに一番の意味があります。ファンレス動作では性能に限りが出ることと、静音性はつきつめれば「無音」にできなければファンの音はどうしてもつきまとうもの。それなら、どれだけ騒音を減らせるか=適切な風量、空気の流れを作り出せるか、が一番のポイントですので。
そのため、今回はHDDも3.5インチのものがSMARTにて要注意になっていたこともありましたから(SAMSUNGさんのなのですが・・・)、データ用に東芝さんMK7559GSXPを、一時ファイル用に日立さんの0S02599を使用することにしました。どちらも2プラッタ品で、ヘッドは4個。3.5インチに比べると騒音・発熱・消費電力は大幅に低減、それでいて一昔前の3.5インチ並の性能は確保できているので、これでいいかなって。
あとはZ68チップセットに搭載されるといわれるSSDへのHDDキャッシュ作成機能が使えれば、だいぶ快適な環境になるのでは・・・と思っています。P8P67に限らず、他社様でもデジタル仕様のVRMは今回のトレンドになっていると思いますから、新しいBIOSが出たらとりあえず試してみるといいかもしれません。
前回記した 手動設定 もそれにならうもので、オート設定で動作が安定しないようならご自身でいろいろ設定してみることが大切。心臓部分を別物にしているといっていい状態なので、新しい製品ということで安定動作させるには相応の試行錯誤が必要なようです。
(メーカーさんが用意する簡単オーバークロック機能はあまり使う気がしないのでした@@)
おまけ:オーバークロック動作のメモリを使用しても、SS-650KMの電源ファンは回っておらず冷たいままです。たとえ電圧が少しなり上昇したとしても、全体に与える影響はそれほど大きいものでもなさそうです。
ワットチェッカーなどで計ったらおそらく10W近くは上昇しているでしょうが、メモリ帯域幅がL3キャッシュの65%程度の速度はありますから(1333MHzでは50%程度となります)、その1割を生かせるアプリケーションを使えると強みになります。
今楽しんでいるのはTMPGEnc Video Mastering Works 5でのエンコード(速度サンプルはこちら)でしょうか。第1世代Core iシリーズに比べてメモリ周りが強化されているため、高速メモリを導入する意義が大きいように感じます。その弁はこちらのOVERCLOCK WORKSさんのコメントにもあります(真ん中よりやや下側にあります)。
体感で明らかに速くなっており、同ソフトを組み合わせることでより高画質な環境で楽しめています。その上でZ68チップセットが出ることにより、第2世代Core i7が思い描く一つの形になる日を楽しみにしています。例の騒ぎの問題もこの頃には解消されていることを願っています。
アキバ店員のPCパーツウォッチ( 新型Core i7/i5 )
【レビュー】"Sandy Bridge"追加検証 - TMPGEnc Video Mastering Works 5のHW処理を改めて試す
おまけのおまけ:ようやくCMT4GX3M2A2133C9の最適値が見つかりました。あくまで個人的な数値ですが、2133MHzでは記したとおり、ほぼ定格値でしか動かせませんが・・・こちらを1866MHzへクロックを下げたところ、
・・・コア電圧をオフセット値-0.030にて、タイミングは8-9-8-24 1Tが、メモリ電圧1.475Vにて完走しました。どうやらメーカー側もCPUに依存する、としている線引きのラインの2000MHzオーバーについては、自由に決められるだけのマージンといい、マザーボード側の安定性といい、複合要因が考えられるため設定が難しい印象です。
この値ですとぴったりと当てはまり、メモリはほぼ定格値と遜色にないスコアに(上の画像と見比べてみましょう)、無駄なアイドル電圧にもならず、ひんやりとしたぱそ子さんになりましたのです('-'*)
(それにしても、お休みの日を丸1日使うのは勘弁してほしいところです@@)
[ 自作ぱそ子さん ]
投稿者 :lavendy | 2011年02月01日 10:00
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