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2011年01月19日

Core i7 2600とP8P67を使ってみる ~ オーバークロックメモリを使う

これがかなりのくせ者です・・・@@


前置き:私はオーバークロック動作(OC)に熱心ではありませんので、あくまで個人的な見解の文章となります。精確性よりも「こういった使い方があるんだ」的に読み流してもらえるといいかもしれません

方針:ECOなOCを目指してみるのです


・・・P8P67の現時点でのできばえは「発展途上中」という言葉があうかもしれません。というのも、「定格で動かす分にはあまり問題がない」代わりに、自分で設定しようとするととたんに機嫌が悪く・・・。再起動を繰り返す現象に悩まされる方、おられるのではないでしょうか。

普通使いされる方は何も問題はないはずです。ただ、ASUSさんのマザーボードを選ばれるということは、ある程度設定をいじってみたい方がそれなりにおられると思います。


そこで今回盛り上がっているのがオーバークロック向きとなる「Kつきモデル」ことi7 2600K/i5 2500K。この2つは倍率が解除されており、ターボブースト時の制約がほぼないため(255倍も動かせるはずありませんし)、自分で自由に動作周波数を探求することができるはずです。

Kなしでも今回は4倍までは外せる=引き上げられるということもあり、シングルコア動作なら4.2GHz、4コア動作でも3.9GHzとかなり高速に動かせますので、最適化を図ってよりパフォーマンスを引き出せる方法がないかな、と。

そこで思い浮かぶのがメインメモリのスピード。いくら計算機が速く処理しても、その通り道でスムーズに流れなくなるのでは意味がありません。


Pentium 4からCore2 Duoへの進化で飛躍的に改善しましたが、それが今回の第2世代 Core iシリーズでより効率が上がっています。エンコード系の処理をさせればその改善度合いがよくわかるのですが、だいたい同じ構成でも2~3割程度はスピードアップが図れています。特に内包するIntel Quick Sync Video機能を使えば、かのGeForce GTX 480の半分ほどの時間でエンコードが終わるなど、その性能は圧倒的。

連続でデータを読み書きする場合動作周波数がものをいいますので、その際はメモリのスピードが重要となります。ゲームやOS起動時はランダムアクセス(=レイテンシ・・・遅延が短い)が要求されやすいので、一概に速ければいいというわけではありませんけど・・・。

そのあたりを詳しく知りたい、という方はこちらの記事が参考になるのではないでしょうか。とてもよくまとめられていると思います。

CORSAIR CMT4GX3M2A1600C6 のレビュー メモリの授業 前半 ~ LeoMajorさん
CORSAIR CMT4GX3M2A1600C6 のレビュー メモリの授業 後半 ~ LeoMajorさん

このページではP8P67を使うにあたり、メモリ側のオーバークロックで注意しておきたい点だけ記します。OC熱心ではないのであしからず・・・。


私が探っていく手順は 動作周波数>タイミング>電圧 の順に調整をかけていきます。オーバークロックをさせる一番の魅力はスピードの向上ですから、まずは上のクロックを狙っていきたいところです。

タイミングは意味をわかって詰められないと、あまり大きな効果は得られませんので、基本は自動のままでいいでしょう。もっとも、調整しないとOCメモリが本領発揮できず、もったいないので・・・ゆえに普通買うメモリではありません。電圧はOC系メモリの場合1.65Vが基準ですが、可能であればエコに使いたいので下げる方向で。


Core iシリーズは今のところDDR3 1333MHzが基準になっていますので、それ以上のメモリ・・・は(1333)/1600/1866/2000/2133/2400といった具合に並んでいきます。その間にも細かく分かれる場合はあるでしょうけど、おおよそこのあたりで選ぶものと思えばいいです。

その中で注意をしたいのは、高位を狙うときの一つの指標となっている2000MHzの場合。今回のASUSさんのP67シリーズは、総て2000MHzが1866MHzへと下げられてしまう制約があります。同様に2200MHzも2133MHzへ降下するなど、狙った通りの高クロックが引き出せるとは限りません。詳細はQVLと呼ばれるリストに記されていますので、購入前にはご確認を。

今回取り上げるのは2つほど。CORSAIR(コルセア)社のメモリです。CMP8GX3M2A1600C9CMX8GX3M2A2000C9で、前者は上位版となるDOMINATORシリーズ、後者はハイパフォーマンスメモリの標準グレードとなるXMSシリーズです。2枚に共通しているのは「デュアルチャネル動作で、1枚あたり4GBの大容量タイプ」ということです。その際使用されるチップは限られているとのことですが、詳細まではわかりません@@

ドミネーターですシンクがゴージャス見た目は平凡、でも・・・

前者がおすすめなのは、1333MHzの上となる1600MHz動作で、ASUS社の扱いとしてはOCではなく定格で動かせると記している部分。ですので、何も気にすることなく今までのメモリから付け替えて、安定動作を図れます。

タイミングは9-9-9-24、電圧は1.65V。普通DDR3は1.5V(~1.35V)で動かすように設計されているので、電圧は若干高めです。それだけ素子を速く動かさなくてはならないので仕方ありません。

しかしながら実際には調べ上げていった結果、定格でも1.28750Vまで降下させて安定動作が確認できましたので、実質1.3V駆動ができるECOなメモリといえます。それでいてヒートシンクや基板は上位グレードなので安心感があり、とても冷えます。

変更可能だったのは電圧のみで、ほかのパラメーターは何か動かすと全く動いてくれません。強いて調整できたのは、タイミングを2Tから1Tに変更したのみです。それでもとても冷たいまま動いてくれるので、十分といえるでしょう。BIOSのアップデートなどで生まれ変わるのかはわかりません・・・。

ちなみにこの写真はドミネーター設定時のです。最初のがCPU倍率そのものを42倍にしてしまう方法。前回はコアごとに決める方法などを記しましたけど、CPU情報のページからもご覧のように、全体の動作倍率そのものを決められます。

110119_1.jpg110119_1.jpg110119_1.jpg


もう1つのメモリは2000MHz駆動に対応したバージョンで、発売時期は上記の4ヶ月後となります。場合によってはよいチップが使われているかもしれない・・・ということで、試してみるのでした。

そして、2000MHz対応を銘打つということもあって、ドミネーターよりも豊富に設定できるのでは、と試行錯誤しますが・・・これがかなりの難関で。何度リブートしたことかわかりません@@

なんといっても痛いのは、フルスペックの2000MHz駆動が難しい点。基本的に2000MHz動作のものは1866MHzへと落とされるので、落としたくない、という方は2133MHz駆動を見据えないとなりません。

しかし、定格でも結構限界で動いているためか、2133MHzでの起動は難しそうです。タイミングを緩めても動く気配がないので、仕方がなく1866MHz動作でパラメーターを煮詰めることにしました。

高速性を生かしつつ、ある程度の妥協点を・・・見つけるのに、丸1日かかりまして@@ 最終的には1866MHz、8-10-8-24 1T 1.61250Vというパラメーターにたどり着きました。1600MHzでは8-8-8-24 1T 1.65V止まりで、どうにもtRCDの値を詰めるのが難しく、ディレイは若干ゆとりを持たせる方が通りやすい印象です。1866MHzのそれも、10を9に詰めるだけでNGですので・・・。

1333MHz駆動時1600MHz駆動時1866MHz駆動時

こちらのスクリーンショットはMaxx MEMというメモリスピードの計測に主眼を置いたソフトです。国内ではあまり知られていないことと、私自身OCすることもほとんどないため、使うことはあまりないのですけどね。シンプルで使いやすく、わかりやすいのが特徴です。試しにとってみたらこんな感じでした。

左から順に1333 - 1600 - 1866MHz動作となりますが、特に1600への飛躍が大きいように感じるでしょう。これはパラメーターが全く変わらないまま、動作周波数を引き上げ切れたからです。本来ならこのくらいリニアに上がるとうれしいものですが・・・1866MHzの場合はtRCDが10と緩めのため、読み込みは速いものの書き込みののびが今ひとつに収まっています。速くなることに変わりはないのですけどね。

110119_9-2.pngちなみに、データの転送速度(量)はクロック周波数で決まりますから、タイミングはあくまでレイテンシの差につながるというものです。こちらはサンプルでもう一つ、タイミングを9-9-9-24としてみたときのものですけど、ほとんど変わらないことが確認できるでしょう。必ずしもCLを1段上のものに設定すればレイテンシがよくなる・・・というわけではなさそうです。バランスが肝要なのだと感じますね。奥が深いのです。


逆に言い換えれば、最近のオーバークロックメモリはこのtRCD値が大きめに出ているというあたりから、選別・使用しているチップにもある程度推測がつけられるのでしょうし(10以上の緩いものが多いですよね)、この値を引き上げるのがどれだけ難しいか、というのがよくわかるかと。

実際の体感差としては、1333から1600への引き上げで、4分かかるエンコードが3分40秒になる、ですとか。そこから1866にあげてさらに10秒短縮、といった・・・自己満足に近い世界となります(汗笑)。


1日がかりでの検査つまるところ、メモリのオーバークロックは一定レベルを超えるとほとんど体感できる差がなくなってしまうので、それこそ次なるWindows 8がリリースされる頃に出るIVY Bridge以降の製品などでDDR4が採用されれば、そちらはベースが2133MHz 1.2V駆動らしいので、次世代のパフォーマンスが期待できるでしょう。

ただ、一ついえることは「縮めた分は、確実に自分の満足にはつながるし、その分のパフォーマンスは得られる」ということ。向上率だけに目を向けるのではなく、その限界に挑んでいく姿勢で補うといったイメージです。

そこから電圧まで下げるという、ECOの部分にも目を向けての調整も、自分なりの楽しみの一つです。オーバークロック動作に限らず、自作パソコンの世界はこういったところでもいろいろな楽しみ方があるのかな、と感じてもらえるといいのです。

ちなみに、私のパラメーターの場合、Seasonic SS-650KMのファンは依然として回りません。冬場の今、パソコンが冷たい鉄の塊になったままハイパフォーマンスを維持できるので、十分な性能だと感じます。ファン回転数は700rpm前後、ビデオカードも1200rpmなのでほぼ無音なのです。

CPUのコア電圧はこちらでも上がらないので、1866MHzのレートにおいて、私のCPUではOC動作が純粋にメモリのみを突き詰める内容に仕上がっているといえます。なお、メモリーの解説やレビューって、とても難しいものなので@@ 興味ある方はこちらもご参考ください。

■元麻布春男の週刊PCホットライン■ オーバークロックメモリのメリット、デメリット


余談・・・しばらく間が開いていたのは、数日前にデータ格納の補助をしていた、ポータブルHDDが突然起動不能になったためです・・・。電源は入るのでどこが問題なのか・・・放置していますが、復旧センターに持ち運ぶか、悩みます。

投稿者 :lavendy  |  2011年01月19日 16:16

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