« Z68を選ぶ意味 前編 | メイン | X79チップセットはLGA1366もサポート? »

2011年05月29日

P8P67の使い方 ~ その他の項目

オーバークロック以外の部分の紹介なのです。


前回までの3つで、オーバークロックに関する情報は一とおり記載できたと思います。きっと、詳しい方はCPU Power Managementの使い方が・・・という部分になると思いますけど、こちらは「Turbo Boostがかかったときの細かい動き方」を設定する部分です。

一般的に5GHzあたりまではこのあたりをすべてオートでも動かせている方が多いみたいですので。それ以上の倍率(x51以上)を狙う方が、細かく数値を入れていくように感じられます。私はK付きモデルではないため、いじる必要性がほぼ皆無なのです。

今回は触れられなかったその他の部分を簡単に記載しておきたいと思います。最近賑わっているZ68系のマザーボードも、おそらく同じ内容が多いものと思われますので、基本的な部分は参考になるものと思います。

ちなみに、今回紹介する中で取り上げられていないところは「設定する必要がない、ないし設定が行えない」部分となるため、残りはこれらを参照すれば問題ないと思います。なお、こちらの設定値はすべて「Enabled(有効)」または「Disabled(無効)」のいずれかとなります。


こちらの写真は Advanced タブの中にある Onboard Devices Configration ・・・読んで字のごとく、マザーボードに搭載されたデバイス類の設定項目となります。一番上の HD Audio Controller はそのまんまRealtek社のオーディオコントローラーです。しかしながら、最近のグラフィックスカード(NVIDIA/AMD)はすでにHDMIオーディオ機能を備えているため、モニタにその端子がある場合、使うことはないでしょう。

続いて Renesas USB 3.0 Controller 。こちらも文字どおりですよね。USB3.0ホストコントローラーの部分なので、こちらをDisabledにする理由が見当たらないというものです。現在のZ68系は同チップの工場が被災してしまったため、別メーカーさんのチップ(ASMedia)に切り替えられたようですけどね。そのような意味では純国産?チップはこちらになるのかもしれませんね。

VIA 1394 Controller も字の通り、1394コントローラーとなります・・・が、使っている方、おられますでしょうか@@ 私は一度も使用したことがなかったりします・・・(SCSIならあるのですけどね)。

そしてその次がちょっぴり大切な PCI-Express X16_2 slot(black)bandwidth ですが、黒色コネクタのPCI-Eの帯域幅をどのようにセットするか、というものです。私は持っていないのでわからないですが、グラフィックスカードの2枚差し・・・SLIやCrossfire Xを構築するときにセットできる模様です。

基本はAutoのままで問題ないでしょうけど(シングルの場合はAutoのみのようですね)、2枚にしたときはこちらの幅をどの程度割り当てるか、でその他のPCI-Expressレーン、並びにUSB3.0コネクタの使用不可を決める項目となります。ご自身で2枚持っている方は試してみてくださいね。

Marvell Storage Controller はMarvell社のオンボードSATAコネクタの部分となります。最初の頃はこちらに光学ドライブをつけないと Intel Rapid Storage Technology(IRST) を入れたとたん、システムが起動しなくなるという問題を抱えていましたけど、現在のRST10.5.0.1027ではその問題が解消され、動かせるようになっています。ですので、ポートが足りず、別途使用したい方がEnabledへセットできればいいのでは・・・と思います。

Realtek LAN Controller も文字どおりですね。LANコネクターを使うか否か。別途NICをお持ちでしたらDisabled、そうでなければEnabledにセットしておきましょう。

最後の Sereal Port Configration ・・・は、今時シリアルポートことRS-232Cコネクタを使われている方っておられますでしょうか@@ ほぼ使わない項目と思いますので、ページの中に入ったらDisabledにセットしておきましょう。


続いて、Monitorタブを見てみましょう。こちらはマザーボードの状態、をいろいろモニタリングしている部分となりますが・・・私の場合どうにも温度表示が思わしくないのか、ぱそ子さんを起動した時点ですでに55度という表示になっています。室温から換算しても-20度程度しないと一致しないのですが、細かいことは気にしていません。熱暴走をするようなら電源ユニットなりが熱くなるでしょうしね。

こちらの項目で設定できる箇所は CPU/Chassis Q-Fan Controll と呼ばれる部分。ファンコントロールを司るものです。細かい制御なんていらない=装着したファンの上限で動かしたい場合はDisabledを、コントロールしたい方はEnabled・・・にセットして、下の部分を見ていきますと・・・CPU側を例にとりますが、Chassis側も同じ理屈なのでよろしくお願いしますね。

CPU Fan Speed Low Limit はファンがこの回転数未満になったら警告を促すというものです。よくパソコン起動時に CPU Fan Error! なんて文字が出ている場合は、回転数がこちらに達していないので、ファンが故障しているかもしれないよ、というものです。最近は静音志向ブームなこともあって低回転ファンも増えていますから、適切な回転数をセットしましょう。個人的には400rpmあたりがおすすめかとは思いますが、上にあるCPU Fan Speedの項目から適切な値を決めてみてください。

そしてその下にある CPU Fan Profile ですけど、Standard/Silent/Turbo/Manual の4つがあります。Manual以外はすべてASUS社のオリジナルですが、イメージとしてはTurbo/Standard/Silentの順に、ファン回転数が上昇する閾値が低めにセットされる、ということです。Silent側に振れば静かにはなるものの、回転数が上がり出すまでに必要な温度が高めに設定されるため、冷却優先の際はStandardなりがいいでしょう。

Manualにセットしたとき4つほど現れますが、CPU Upper Temperture はCPUの温度の上限値。第2世代Core iプロセッサーはほぼ70度となっているので、そちらがセットされます。続く CPU Fan Max. Duty Cycle(%) はファンの最大回転時の出力値となります。100%ならファンの最大まで回す、という意味合いですね。例としてですが、最大2000rpmのものに対して80%をセットした際は、上限で1600rpmあたりになるということです。

CPU Lower Temperture はCPUファンの回転数が上がり出す下限となる温度を意味します。つまり、こちらに設定した温度を超えると回転数が上がり出しますので、静音志向の方はやや高めに、冷却優先なら低めにセットしましょう。初期値は40度みたいですが、私は55度にセットしています。最後の CPU Fan Min. Duty Cycle(%) はファンの最小回転時の出力値となります。先ほどのMaxとは対になる関係ですね。私の場合30%にしていますが、このあたりはご自身でご自由に。

本タブの中の最後に Anti Surge Support とありますが、サージ電流の流入による、本体回路の保護といった部分みたいです。理由がなければEnabledにしておきましょう。いわゆる雷対策の簡易版といった機能みたいですね。言うまでもなく、夏場などの落雷が多い時期はLANコネクターや電源コンセント周りには雷サージを用意しておきましょう。


最後のタブとなる Boot セクションですが、起動時に関する項目となっています。より高速に起動したい場合は、私の載せているこちらのようにセットしてみてください。Boot Option #1 はご自身の起動ディスクを指定すれば問題ありません。

Bootup Numlock State は起動時にNumlockを有効にするか否かです。テンキーなどがついたキーボードの場合 On にしておくと便利でしょう。

Full Screan Logo はASUSさんのあの青い起動時の画面を表示させるか否かになります。高速に起動したい場合は Disabled にしておきましょう。壁紙を用意しない分、速くなります。

Wait For 'F1' If Error はエラーが発生した際にF1キーを押さない限り進めないようにする、というものです。こちらも理由がなければ Enabled で問題ありません。

Post Report はPOST画面にどの程度遅延をかけるかというものです。1sec=1秒しか待たない設定が一番高速となります。数字はお好みで選んでみてください。

Option ROM Messages はご自身で拡張したカード類に独自のBIOSを持つ場合、その内容を強制的に表示させるか、メーカー規定に準じさせるか、のいずれかを選ぶものです。初期値は Force BIOS となっていますが、ご自身で他社製RAIDカードなどを用いない場合、意味をなさないことと存じます。

Setup Mode は現在紹介している Advanded Mode を初期値として表示するか、あるいは EZ Mode のグラフィカルな画面を表にするか、といったところです。・・・このページを読まれるということは、前者以外使いませんよね(汗笑)。


その下にある Boot Option Priority は文字どおり「起動優先順位」となります。どの順にデバイスをブートさせるのか、ご自身でその順位を割り当てていきますが、基本的にシステムが入ったHDDやSSDを一番上にすると、起動は高速になります。

一昔前まではDVDメディアからシステムを起動させることもあったでしょうけど、今はUSBメモリーにWindowsのDVDを構築することもできるようになりましたし、ブートディスクを1番目にセットしておくといいでしょうね。

∮ ∮ ∮


以上で、一とおりP8P67の使い方についてまとめてみたつもりです。使っていて実感したのは初代Core iシリーズからの移行分とみた場合は大変化ではなくなっているものの、オーバークロック時に重要となるPLLが外部からCPU内部へと移ったため、実際の安定性、信頼性の部分で ? がついてしまう状況となっていました。

この部分でマザーボードの基礎的な部分に大変革が起きたこととなり、検証に時間がかかっているのでしょうね。メモリをまともに動かせていないあたりが物語っています。また、UEFI BIOSなる新しいBIOSが設計されたことも相まって、混乱ぶりに拍車をかけてしまったようにも感じられます。

こちらも現在はB3ステッピングのチップセットになり、BIOS 1305での基礎的な部分の確立、そして1401 -1503/1506 -1608へと改良されてきて、ほぼ問題ない実用性を有してきたように感じます。1608とオーバークロックメモリについては、次回で最後のまとめとしますね。


現在自分が購入していないZ68での検索が多くなっているわけですが(汗笑)、結局オーバークロックを楽しむために一番必要な要素となる「外部PLL」を用意したものが何一つないことが、第2世代のCore iプロセッサーの扱いを、難しくしているような印象はあります。

今後Intelさんはハイエンド/エンスージアストユーザー向けには「Sandy Bridge E」と呼ばれる、現在のCore i9シリーズが担当する部分へSandy Bridgeコアを投入する見込みとなっています。

PCI-Expressレーンの大幅な拡張や、今回の目玉となる4chインタリーブのDDR3メモリーインターフェースなど、現在のSandy Bridge DT向けをより広帯域化に振って性能向上を目指すプロセッサーが今年年末頃、登場予定となっています。


私はそちらの安いものでも・・・と考えていますので、Z68の話題には参加できずで申し訳ありませんが、グラフィックスカードの併用などのおもしろい部分もありますから、ぜひ所有者さんたちで遊び倒してもらいたいなあと思います('-'*)

投稿者 :lavendy  |  2011年05月29日 10:05

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://lavendy.net/mt/mt-tb.cgi/630

コメント

Z68について色々と理解することができました。
最終的に現在私はCore i7 2600を選択したので、
K無しとしてH67(H61)を購入して使っています。

Athlon64x2 3GHzからの乗り換えとしてはまあまあ
成功したんじゃないかと思っています。

しかし一番大きな変更点はグラボを積んだことです。
グラボはHD6850を選択しました。

この環境で3年パーツを取り替えながら使っていこうと思っています。

ということで次はSSDの特集を(ry

投稿者 :XEGASY  |  2011年06月01日

XEGASYさんへ

あわわ。。。長くなってしまって申し訳ございません@@
って、ひい・・・。Z68さんはまだまとめられていないのですが(汗)、でも、製品選べられたようで何よりでした。結局、オーバークロックを思いっきりしてQSVを使わない限りは無用の長物ですし・・・。

確かにVirtuなどの新技術も出てきていますが、こちらも今度はVirtu Universalなんて上位互換のものも出るみたいですし(汗笑)、きりがないのがこの世界です・・・。

ええ、SSDは気になるところがありますから、ネタみつけて書いてみますね。ちょうど近いうちにIntelさんから700番台のものもアナウンスされるのでしょうし。C300の読みもうまく当たったみたいなので、こちらも個人的に気になるものは取り上げてみたいのです。

投稿者 :らべ  |  2011年06月14日

コメントはご自由に




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)